おんな極悪帖の作品情報・感想・評価

「おんな極悪帖」に投稿された感想・評価

「地獄、極楽、覗きカラクリ―――」

…おぉ、素晴らしい。♪
これが、「映画は大映」と世に言わしめた大映が、最期に振り絞った断末魔の喘ぎか…!
狂気と野心と陰謀が渦巻く、ゲバゲバピカレスクロマン。

謀略、殺害、裏切り、殺害の連続でグエグエと何人も死んでゆきますが、同情や哀れみを誘うキャラが存在しません。
どいつもこいつも、ゲッスくて楽しいヤツらばかり。(笑)
最終的には、登場人物がほぼ全滅!という素敵な展開です。☆

主人公となる側室の安田道代をはじめ、強請りタカりの小悪党に遠藤辰雄(遠藤太津朗)、スケベぇな奥医師に小松方正、
他にも佐藤慶、芦屋小雁と、いずれもハマリ役です。

特に怪優・岸田森のイカれっぷりは、観る者の期待を裏切りません。
気まぐれに家臣の首を刎ねたり、逃げ走らせて弓矢の的にしたりと、ヒャッハーな振る舞い!
この危険な殿様を、岸田森のベストアクトに挙げておられる方も多いですが、
役者と役柄のシンクロ度があまりにも高く、違和感が無さ過ぎて逆に普通に見えたりします。(笑)
彼の場合、青白いメイクだけで既に狂気なのです。☆フハハハ…!

私の中では、『徳川女刑罰絵巻 牛裂きの刑』の汐路章と双璧を為す乱行殿様ですが、
東映のエログロ路線とは毛並みが違います。良く言えば上品。悪く言えば物足りない。

しかし私個人的には、やはり田村正和。まるで役者絵から抜け出して来た様な色男。♪
スゥッ…と前髪を掻き上げながら、あの例の声で、
「何事も、御意のままに…」
…もうあれだね、「クール」とか「色男」ってのは、マサカズのために用意された言葉だよねきっと。☆

殺陣がイマイチとの定評があるマサカズですが、この作品においては、それが功を奏している(?)と思われます。
一瞬にして複数の敵を斬り倒す剣の手練れながら、何処と無しにバタ臭く、止めを刺す時は何故かヤクザの様にブッ刺す!(笑)
そして返り血まみれになりながら、またスゥッ…と前髪を流してクールダウンするのです…。
この緩急の付け方がね、もう堪まらないのですよ。♪

…まぁいずれはさて置き、
「照千代様、グッジョブ!」
と言う他は無いですね。(笑)

ラストカットで、奇しくもファイナリストとなった者が見せる
あの高笑いが、不気味で忘れられません…!☆