座頭市あばれ火祭りの作品情報・感想・評価

座頭市あばれ火祭り1970年製作の映画)

製作国:

上映時間:96分

ジャンル:

3.9

「座頭市あばれ火祭り」に投稿された感想・評価

1127sn

1127snの感想・評価

2.5
吉行和子の美貌、仲代達矢、盲目の大親分 森雅之、と見どころは沢山あるのですが、色んなことやり過ぎているよな。
すげぇ面白い
闇公方のキャラ立ち、仲代達矢の夢、風呂場での大乱闘、「あばれ火祭り」からの斬りまくる殺陣など、全てが最高
仲代達矢、ピーター、ラストの田中邦衛まで素晴らしい
勝新は最高。勝新は勝新でしかない。大好き
仲代達矢の夢のシーンが鳥肌モノだった
冒頭、野良犬に追い回される市を分割画面で見せるセンス。

撮影は宮川一夫。『用心棒』の冒頭にある「犬のパンショット」を彷彿とさせるカメラワークである。
犬をパンするのは宮川一夫の得意技なのかな。
喧嘩の助っ人に加わった市(勝新太郎)だが闇公方(森雅之)による闇年貢の取り立てと知り闇公方の子分達を斬り捨てた。
闇公方の逆鱗に触れ市の殺害指令が広範囲に伝わった。
その夜、妾市で旗本の元妻(吉行和子)が競りに出され売られる様を見た市は彼女を救い宿で一夜を過ごす。
ところがその元旗本で現在は浪人(仲代達矢)にその事を知られ、彼からも命を狙われる市だった・・・。

勝新太郎劇場版シリーズ第21作目。

最終作を先に見てしまったのですが、それと同じように色んなエピソードとキャラクターを詰め込みまくってます。
ストーリーラインがひとつではないというか。
ある意味贅沢といえば贅沢な作りですけどね。

それもこれも座頭市の敵役キャラが濃いってのもある。
仲代達矢に森雅之、さらには大原麗子やピーターまで座頭市の命を狙いますからね(笑)
ほぼ最初から最後まで命を狙われっぱなしの市さんです。

銭湯で殺陣シーンというかなりコミカルなものも。
今で言えばアキラ100%ばり(笑)に風呂桶で股間を隠しながら斬りまくる座頭市です。
コミカルですけど鮮血はエグいですけどね。

欲を言えば仲代達矢とのサシの勝負はもう少し見たかった。
でも見応えある作品でしたよ。
湯屋における桶で前を隠しながらの全裸チャンバラ、街道通行中のすれ違いざま居合い10人(?)斬り、油池の小島で炎に囲まれる火炎地獄。等々、アイディア満載のアクション・シーンやフェティッシュともいえる美映像が連続。故に映画的で面白いことは面白い。

ただ、闇公方相手のメイン・ストーリーと、凄腕浪人(仲代達矢)と若いチンピラ(ピーター)相手の2つのサブ・ストーリーが、1つの筋に編み上がっていない。さらに、上述のように、色んなアイディアや美映像がぶち込まれたそれぞれのストーリーも、スムーズに流れていかない。

プロデューサーであり共同脚本である勝新太郎に「やりたいこと」がありすぎて、それをぶち込んだはいいが誰もまとめきれなくなってしまった。だが、ほとばしる才気や意気込みがギラギラと輝いている。そんな作品。
英語タイトルはZATOICHI GOES TO THE FIRE FESTIVAL.タイトルバックのスプリットスクリーンや仲代達矢の目力、幽霊的ポジション、イケメンのピーター、危機一髪具合がハンパないクライマックス、ラストの殺陣でのサブリミナルにしては丸分かりな一瞬の笑顔など見所は豊富にある。
あの豪華な布陣で挑みながら今一つな出来になった前作『座頭市と用心棒』から一転、70年代アナーキー時代劇の序章に相応しい傑作。
陰影に富んだ映像、木洩れ日の中での美しい殺陣、風呂場での股間を上手く隠しながらの殺陣等々、座頭市にずっと携わってきた三隅研二が更に座頭市をパワーアップさせてくれた。
ギョロ目で虚無的な浪人の仲代達矢も良い。しかし、何よりも、どこへ行っても居場所のない被虐のヒーローである市を切なくカッコ良く描いてくれている。いや~、21作目に来てもまだまだ座頭市は面白い。
70年代の三隅作品らしくアクションがさらに強烈になり、『御用牙』や『子連れ狼』の因子を感じるハチャメチャアクション時代劇になっている。

例えばこういうシーンがある。
仕込杖を引き市を誘導して歩く娘。それを追う刺客達。
すれ違いざまに市に斬りかかるが、市は仕込杖の鞘だけ娘の手に残し、大木ごと一瞬で刺客達を斬って、またすぐに娘の手の中にある鞘に仕込刀を戻す。
(この間、杖を引く娘は全く気付かず)
まるで『ルパン三世』の石川五ェ門。
かなり漫画的インパクトのあるシーンだ。

また、『兵隊やくざ』でもおなじみ、風呂場での斬り合い大乱闘シーンも楽しい。
完全に全裸だが、桶や手足等、様々な物体を画面前に配置してうまく股間を隠している。どんなに暴れまわっても決して見えそうで見えない。
アニメ『うる星やつら』の『マル秘作戦・女湯をのぞけ!』みたいなコミカルなシーンだが、かなり考え抜かれた殺陣だ。
片手の手の平だけでクルクルと刀を回転させて握り替えを(何気なく)する勝新は凄過ぎ。

タイトルの『あばれ火祭り』はクライマックスの座頭市討伐作戦を表した物だが、かなり大がかりな作戦だ。
SASUKEのセットみたいな敷地の中で、座頭市が火炎地獄に襲われる派手なアクションだ。
さらに今回の敵は、森雅之演じる「闇公方」というシリーズ最大の大悪人。
大名並みの権力を持ち、闇の世界を牛耳る盲目の悪党だ。
ある意味「座頭市 対 不知火検校」ともいえる。

良くも悪くも大映時代より派手で大味だが、こんなに楽しい映画は無い。
ほし

ほしの感想・評価

2.5
亡霊のような身体と、それを裏付ける擬似夜景。
>|