ベルリン・フィルと子どもたちの作品情報・感想・評価

ベルリン・フィルと子どもたち2004年製作の映画)

RHYTHM IS IT!

製作国:

上映時間:105分

ジャンル:

4.0

「ベルリン・フィルと子どもたち」に投稿された感想・評価

にむう

にむうの感想・評価

4.3
ドイツ/105分

【過去のレビューのコピペです👐】

ドキュメンタリー映画です。
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団と、共演するために集められたダンス完全初心者の子供達250人。

もちろん、ストラヴィンスキーの曲にもベルリンフィルの音にも大きな力があると思うんだけど、なによりもこのドキュメンタリーにおいては子供の心を動かしていく振付師サイモン・ラトル氏による数々の言葉の力がすごい。

たまに映し出されるベルリンの町並みや色も、とってもきれいです。

「芸術はぜいたく品じゃなく、必需品だ」
そうだそうだー!って思いました
たぶん実際の子供達の踊りはそれほど上手くないと思う。カット割り、編集でこれだけ躍動感ある映像になるのは流石。いや、振付師や舞台演出を褒めるべきか。

振付の先生の、子供相手でも一切妥協しない姿勢が心に響いた。このプロジェクトで本当に重要なのは舞台の完成度では無い。250人の子供達の中に1人でも、真摯に取り組む事でしか生まれない歓びに気づいてくれればそれで良い。
本番がここまでアッサリとは!トマス・グルべ&エンリケ・サンチェス・ランチ「ベルリン・フィルと子供たち」

それも良きかな。
子供たちが覚醒していく過程こそがこの映画の魅力。
それにしても何と編集のシャープなことか!
これは魂を揺さぶられる素晴らしいドキュメンタリーでした。
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サイモン・ラトルの指揮するベルリンフィルの伴奏で、250人もの子どもたちがストラヴィンスキーのバレエ音楽「春の祭典」を踊るという公演プロジェクト。そのために集まった多くの国の様々な子供たち。どうやって選んだのか分からないが、ダンス経験のある子、ない子。人種、宗教、年齢も境遇も色々な子供たち、難民の子もいる。やる気のない子も結構多い。
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そんな子供たちが振付師ロイストン・マルドゥームと共同振付師のスザンナ・ブロウトンの真剣な指導によって、次第に変わっていく様子が描かれます。特にカメラは、踊りは初めてという15才くらいの子たちを集めたクラスの練習風景、その中でも数人の子に焦点を当ててその成長を追っていく。
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決してすんなりと変わったわけじゃない、難しい年頃の子どもたちだ。真剣になった自分を晒すのが恥ずかしくて、笑ったり、斜に構えたり、仲間と無駄話をしてしまう子供たち。だけど、指導者は子供たちの心を見抜いている、踊りからわかるのです、心は体に現れるから。二人の真剣な指導の言葉には唸ります。ダンスって奥深い。
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子供たちへのインタビューから伝わってくる彼らなりに人生に真剣な様子にも打たれます。
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地の底から吹き出るエネルギーを感じる「春の祭典」。この音楽にはどういう意味があるのか、サイモン・ラトルの言葉から、現代に通じるその深い意味を知って驚きました。その意味を感じて踊るラストの公演シーンは圧巻でした。
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指導者自身が語る自分の子供時代の経験や、音楽や踊りについて語る言葉も良かったです。芸術家の言葉は、本質をついて鋭いなと感じることがある、この作品にはメモしておきたい言葉がたくさん出てきました。
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今日のNHK-BS「奇跡のレッスン」は奇しくも同じダンスレッスンだった。ブロードウェイ・ミュージカル「コーラスライン」を日本の高校生たちが夏休みに1週間の集中レッスンで踊る。指導者はコーラスライン初演当時から踊っているトニー賞を受賞したバーヨークさん。こっちもすっごく良くてめっちゃ泣けた。
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舞台の役を表現するには、役の気持ちになり切らなければならない。そのためには同じ気持ちになった自分の経験を思い出すことで表現がグッと豊かになる。その経験とはどんなことだったのか、それをみんなの前で一人一人が話し始める。自分の悩みや不満、将来の夢や希望を語り、素の自分をさらけ出すことで、みんながお互いの知らない姿を改めて知り、気持ちがつながり、踊りがまとまっていく・・・
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こんな素晴らしい先生に出会って、一生懸命になれた経験は人生の宝物。がんばれ若者。
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いいものを二つも見せてもらった一日だった。感謝!!
niwasaki

niwasakiの感想・評価

3.8
この映画は250人の子供達にダンスという教育を通じて、地域に創造性や芸術を広く根付かせるためのベルリンフィルのプロジェクトを追ったドキュメンタリー作品です。
ドキュメンタリーだから当然なにが起こるかわからない。
そんな筋書きも絵コンテも、あってないような中で、思いもよらない言葉を口にする子供達に戸惑った瞬間もきっと数えきれない程にあったんだろうけれど、演者や制作者の一人一人の葛藤や思惑を丸呑みにする作品が最後の舞台に存在していた。
煮え滾る真っ赤なエネルギーの渦が蠢いて、一人一人のエネルギーが混じり合っていて、リアルな舞台を観ているわけではないのに、まるで本当にその場にいるように鳥肌が立ち、一度しかない舞台をこうして追体験が出来た。
映像でこれだから本当に見たらもっと凄かったんだろうなぁ…羨ましい!

プレゼンも説明も無しに、作品1つで黙らせる経験なんて、そうそう味わえない。
こんなカタルシスを味わった子供達は自分にどんな可能性を感じたんだろう。

プロとして、働く人間として、大人として、様々な視点から刺さる言葉も多過ぎて、自分を振り返るという意味でもとても良い作品だったから、ぜひ手にとってほしいなと思う。
ドキュメンタリー。
ラトルやダンスの先生や子どものインタビューで構成されていて、演奏や音楽は少なめ。

予想に反した中身だったけれど、紛争や政治に関わる出自、それ以外にも家庭事情の複雑さから、本質的な屈折を持った子どもたちを舞踏に出会わせるという、何とも壮大なプロジェクト!それに画面を通して立ち会える映画でした。


音楽は、実利とか有益さとかとは異なる次元にあることが価値なのだと思っていましたが
ラトルが追求する音楽の社会貢献性にはこういうことか、と納得しました。
音楽と舞踏と出会い、子どもは肉体の持つ力と身体のコントロール、自分を制御する方法を身につけ生きて行こうとします。


世界最高峰のベルリンフィルを指揮するラトルが、音楽は贅沢品ではなく人生の必需品だと語ります。
このドキュメンタリーのラトルの言葉と取り組みに接すると、
単なる音楽愛好家の感慨ではなく、すべての人に当てはまる音楽の価値を信じられたような気がしました。


それにしてもrhythm is it! は何なんだろうと気になっていましたが、これもラトルの語りの中で、人がコミュニケーションを取った最も古い手段がリズムを取ることだったのだと言われてました。
ドラムセットを買い与えられて、人の根幹にリズムがあることを知覚するようになり
また生涯音楽と生きる運命が識ってしまったといいます。
ラトルの音楽を見ていたくなるわけが、詰まっていたよう。
Wednesday

Wednesdayの感想・評価

4.3
「このダンスの授業で人生も変えられる」
様々な環境下の子どもたちがプロのオーケストラとダンスをする。
素晴らしかった、生で見たかった、240人? 絶対すごい。


ナイジェリアの男の子の話がグッときた。
先生が「生徒たちは限界」と言った次に女学生が「わたしたちはもっとやれる、見てればわかる。でもついふざけてしまうの」って言ってた。そういうことなんだよね。


笑わないこと、他人を気にしないこと、沈黙の中でただ1人でいること、言われても分かんないんだけどある時急にピンとくるアレだと思うからその瞬間を見られたのは貴重だ。


ピノ・バウシュを一瞬思い出した。

うれしいな!大成功!


(なぜメイン曲はラップなのか)
kei77

kei77の感想・評価

3.5
子供達のダンスを通しての成長。成長ではないのか。本来持っている力を出す方法を知っていく。

最初子供たちが、一生懸命にやるのが恥ずかしくて照れたり笑ったりして誤魔化すのが、私にもよく分かる笑。中高の頃は本当にそうだった。

徐々に自分の体をコントロールする方法を学び、真剣になって行く子供達が印象深い。

特に学校の先生が「子供達はもう限界に達しています」と言ったあと、少女が「勿論私達はまだまだやれる。こんなもんじゃない」とインタビューに答えてたシーンは胸が熱くなった。
5年ぶりに見直す。「自信が持てない子供たち」に芸術を教える「志と勇気」。芸術は贅沢品ではなく、人生の必需品である、とサイモン・ラトル氏はいう。名言だと思う。
ODak

ODakの感想・評価

4.0
サイモン・ラトルのアウトサイダーのほうが良いという言葉が頭に残った。
またクラシック聴きたい。
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