怒号する巨弾の作品情報・感想・評価

怒号する巨弾1960年製作の映画)

製作国:

上映時間:84分

3.2

「怒号する巨弾」に投稿された感想・評価

moku

mokuの感想・評価

4.0
根は真面目と言うか純情な天知茂。

西武百貨店での追いかけっことかロケーションも思い当たる所が結構出て来て面白かったな。

ぽよよよーんとかぴよよよーんって効果音
は、今聞くとどういう意図で?と思ってしまうよねぇ。
やさぐれ天知茂。
天知が大犯罪者なのではないかと疑った三ツ矢歌子が、街角の指名手配の写真を見てドキッとする場面で画面がこの時期の邦画に珍しいチカチカカットバック。
ただし全体的には散漫で、ハードボイルドさが退屈に繋がってしまってるのが残念。
冒頭の傷痍軍人、天知がグレるきっかけなどなど戦争の爪痕がバックグラウンドにあるけど、後期新東宝のそれは80年代初頭に米国で量産されたベトナム後遺症映画(『ランボー』が有名。殆どがクズ)と同じノリを感じます。要は反戦とかのメッセージよりもエクスプロイテーションの色が濃い。そこがナイスなんですけど。

戦時中に親子でスパイにでっちあげられて父親は獄死。復讐を誓う天知茂。
そのフラッシュバックの間、スクリーンに奇妙な白フレームを付けたりのひと工夫が嬉しい。あんまり効果ないけど。
そこ(若い頃)での天知茂の髪型が『Mr.ダマー』のジム・キャリーみたいで名画座女子の萌えポイントでは。遊園地デートも含め。

初めはモダンなジャズなんだけど後半は古賀政男風のギター(というか同日に観た『女の防波堤』での古賀政男のギターにそっくり)がポロンポロン。影が効いた暗い画面と印象的なアップなどの画からしても『第三の男』の影響は明らか、と誰もが思うはず。

カーアクションとかでのヘンテコなカット割りに劇場では失笑が起きたけど、個人的にはこういう冒険による失敗は大好き。応援したいけど製作者はおそらく誰ひとり存命ではない…。

ラストの車ですれ違いでの撃ち合い決闘、車が西部劇でいう馬で、すれ違いざまというのがチャンバラからきているんだろうけど、フュージョンし過ぎてワケ分からんところも新東宝らしいのかな。その効果も別に出ているとは思えないし。そういうところも愛すべきポイントなのかも。
imapon

imaponの感想・評価

3.1
ガキの頃、テレビで親しんでた当時、天知茂大好き、宇津井健大嫌い少年だった身としては、これは痛快。
ニヒルでキザな悪役、天知茂のシーンはカメラも演出も力入ってんなぁと思うほど天知PV作品。
朝から渋谷秘宝館ことシネマヴェーラで下村さんキュレーション「新東宝のディープな世界」から『ソ連脱出 女軍医と偽狂人』『女の防波堤』『怒号する巨弾』の三本を堪能。どれも面白かったが『怒号する』に最高に痺れる。総監の娘・三ツ矢歌子と犯人・天知茂の悲恋に泣く。胸に差した一輪のコスモス!