アメリカン・ニューシネマ 反逆と再生のハリウッド史の作品情報・感想・評価

アメリカン・ニューシネマ 反逆と再生のハリウッド史2003年製作の映画)

A DECADE UNDER THE INFLUENCE

製作国:

上映時間:143分

3.7

「アメリカン・ニューシネマ 反逆と再生のハリウッド史」に投稿された感想・評価

サーフ

サーフの感想・評価

4.0
「アメリカン・ニューシネマ」と呼ばれる1970年代のハリウッド映画についてのドキュメンタリー作品。

内容的に言えば昨日見た「イージー・ライダー☆レイジング・ブル」同じようなもの。
ただ今作はアメリカンニューシネマ以前の映画の風潮、当時のアメリカ社会の中で何故著名な作品群に人々が惹かれていったのかという所を中心に構成されており、当時のアメリカ映画の「流れ」が良く分かる。

この作品を見て改めて知ったのはアメリカンニューシネマに属する作品は当時の若者の代弁者のような存在であり、同時に混乱極めるアメリカの中で人々が求める答えとして存在していたという事。

アメリカのリアルが求められ続けた結果、人々は現実に疲れ「スターウォーズ」や「ジョーズ」などの現実と切り離された所に存在する世界を求めるようになっていく。

ニューシネマ作品の映像を存分に使用され、見たい映画がめちゃくちゃ増えてしまった。特に「ヤング・フランケンシュタイン」がめちゃくちゃ馬鹿っぽくて面白そうだった。
atsushi

atsushiの感想・評価

3.8
2022/02/15 1回目
【2022年73本目】
アメリカン・ニュー・シネマに代表される70年代のハリウッド映画について、当時の監督、俳優等へのインタビュー形式で振り返る。今作は撮影期間中に亡くなったテッド・デミ監督に捧げられる。

アメリカン・ニュー・シネマ前夜のヨーロッパ映画から影響を受けた若者達がハリウッドのスタジオシステムを解体していく。興味深いのは、ここでインタビューされる人々(アメリカ人)にとってはヌーヴェルバーグもヨーロッパ映画の一つでしかないということです。彼らはそれまでのハリウッドが作ってきた作り物を暴くためカメラ片手にスタジオを飛び出していったのです。

引用される映画がこのドキュメンタリーの語り手となっていく凝った作りになっています。

そして、今作は70年代ハリウッド映画の衰退と超新星の誕生までを描きます。スピルバーグとルーカスです。そして問う。70年代映画とは何か。

"映画は儲けなきゃならない"とスコセッシ は言う。
ひ

ひの感想・評価

3.6
60年代で映画の最盛期はおわった
って誰かが言ってたけど、
それは年寄りの戯言だよなとおもった

70年代にだって骨のある映画、たくさんあるじゃん!
2003年公開のドキュメンタリー映画。原題は「A Decade Under the Influence」。
前半はアメリカン・ニュー・シネマの話題だったが、後半は70年代のハリウッド映画の代表作の話になり、スター・ウォーズの大ヒットで終わらせている。
70年代の代表映画を紹介して、その映画の監督たちが自ら、登場してインタビューに答える。巨匠が多数登場する。ただしルーカスとスピルバーグは出演せず。また、ハル・アシュビー監督が、時代のキーマンのようにも思えるが、88年に亡くなっているので登場せず。
俳優で出演しているのはジュリー・クリスティ、パム・グリア、ジョン・ボイト、エレン・バースティンの4名という、謎の人選。ジュリー・クリスティが意識高い系の人なのであった。

映画の出来としては散漫な感じで。期待したほど面白くはなかった。
この世代の監督には、ロバート・アルトマンらテレビ番組出身の監督が多く。ニュー・シネマには60年代のテレビ番組からの影響も大きいと語られていたが。どのようなテレビ番組だったが具体的に紹介されていなかったのが残念。
ym

ymの感想・評価

4.3
イージーライダーとワイルドバンチを鑑賞してからどっぷりハマってしまったアメリカンニューシネマ
なんでハマったのかはわからない 
大抵はバッドエンドだし、展開が現代のようにサクサク進むわけでもない。でも反体制とか自由とか感覚的に良いなって感じていて恐らくそれは若さからきているような気がする。
当時活躍した監督と脚本家、俳優達が尊敬する映画監督に黒澤明を挙げていたのが良かった
起源のヌーヴェルヴァーグをはじめ自分の中で課題が増えた。観なければならないという使命感
流

流の感想・評価

-
情報量が多くて少し追いつかないところも多々ありましたが、どの人も映画という表現媒体に対しては目がマジで、愛に溢れたドキュメンタリーでした。いい気持ちで見られる。
70年代を終え「辛くて悲しいのは現実だけで十分だ」という世相がこの動向を徐々に翳らせていったのはまあ順当な流れだよなあとは思う。でも相も変わらず世の中イラつくことばっかりだし、言いたいこといっぱいあるしという状態なわけで、反体制映画やマイノリティ解放映画は80年代以降もやっぱり作られていくわけです。ただ、今となってはもうそれ自体が一種の強固なハリウッドのビジネススタイルを確立してしまっていてどうしたもんでしょうという感じですよねえ。(目的と手段の逆転したような露骨なポリコレ映画なんかはやっぱり素直に味わえない。)

それにしてもニューシネマの諸々の作品をはじめ、ヌーヴェルヴァーグ、チネチッタ、ブラックスプロイテーションとか課題が大量に増えてしまった。まいったなあ。
70年代のハリウッド映画はなぜ暗くて後味が悪い結末の映画が多いのか。

始まりは1930年代に制定された「ヘイズ・コード」。これは映画の中での汚い言葉・暴力・セックス・ドラッグは描かない、撃たれても血が飛び散らない、政府・警察・親は正しい、反発する者がいれば罰を受けるように描かなければならないというハリウッド映画の自主規制コード。

そんな映画が作られ続けて60年代に入り、世の中はケネディ暗殺やベトナム戦争に公民権運動が起こる激動の時代。でもハリウッドはヘイズ・コードに縛られてそんな現実はまるで存在しないかのような、家族全員で見れる生ぬるい夢物語の作品ばかり。

国の政策や古い価値観に疑問を抱き始めた若者がハリウッドのジジイ達が作る映画にウンザリして映画を見なくなったので、遂に1968年にヘイズ・コード撤廃。
きっかけは1967年『卒業』で禁断のセックス描写解禁、それから1969年の『明日に向かって撃て』で血が飛び散り『イージーライダー』ではドラッグを扱いアメリカンニューシネマと呼ばれる映画革命が起こり、そこからPG-13やR-指定といった現在の年齢別システムが始まるのでした。

それまでの映画はエンターテインメント、70年代の映画は突然観客に逆らい始め、反体制、若者の反逆と悲劇を描いた映画が量産されて彼らは共感を覚えたが、そんな時代も長くは続かない。現実社会でも負け続ける若者たちは敗北する映画にも疲れてきって勝利を味わいたくなりそろそろ現実を忘れる映画が見たいと思った頃に登場した映画が『ロッキー』
それからの映画は勇気や希望を扱い、80年代初頭に入ると「偉大なアメリカって凄いでしょ」って映画が増え始めた。

だから60年代後半から70年代後半にかけての約10年間は映画史の中でも特殊な作品が多く存在するのでした。

このドキュメンタリーの中でピーター・ボグダノヴィッチ監督の母親が言った「悲しい映画はもう見たくない、理由は実生活だけで充分」って言葉が印象に残る。それと実際の出来事のフィルムが使われてた中、本物のアビー・ホフマンが出ていた。あれはシカゴ7裁判 最中の映像だろうな。
arch

archの感想・評価

3.3
60年代後半から80年代までの大まかな映画の歴史、そしてその頃映画が今の映画に如何なる影響をもたらしたのかをドキュメンタリー形式で多くの監督の視点を通して描く。
映画は「夢物語」から「現実の物語」へ。時代に即して生まれ変わり、常に観客の無意識と共に生きていく、それが映画という芸術なのだ。
また改めて多くの作品に触れたいと思わせるドキュメンタリーだった。
70年代にもっと詳しくならないとわからない 勉強したあとにまた改めて観たい
面白い。映画史を時代背景・文脈とともに理解する作業ってやっぱり必要だなと思う。「時代背景が分からなくても面白いのが真の名作だ」だとも思うし、一方でどうしても「時代背景がわかってないと面白みが全然わからない」作品があるのも当たり前で、全部把握してなくてもいいけど、1970年代の名作を系統的に理解するには観ておいた方がいい(むしろこれ抜きでは語れない)1本だと思いました。
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