先日、横浜の東京藝術大学横浜キャンパス馬車道校舎で濱口竜介『悪は存在しない』を観た。
東京藝大大学院映像研究科が主催する〈OPEN THEATER 2025『ファインダーから覗く映画の世界』〉の一環…
濱口さんの映画を観たあとは毎回「何かものすごいものを見た」という感覚が残る。
余韻が長く続く。
「水は高いところから低いところへ流れる」
空のロングカット。
ゆっくりと進む物語。
不穏な空気の中…
一つの現実の見え方が主体によって全く違ってくる羅生門的描写は面白い。
美しくも不気味な山間部の自然と、素人を起用した素朴だけどリアリティのある会話劇のコンビネーションはとても見入ってしまう。
ただ…
不穏な音楽と木々の映像から始まり、同タイトルに結びつくのかずっと緊張感を保ったままラストへと向かっていった。
終盤の主人公の行動を観た後に、タイトルへと戻る流れが秀逸。鑑賞者に問いかけるような構成が…
この映画はとにかく「映像体験」をさせる意味合いがあるように思う。
長ったらしい説明会や車の中の会話や長いショット、全体的には今回も濱口節が全開であるように感じた。
衝撃のラストシーンにタイトルの意味…
えげつない映画だった。
不思議と引き込まれていく世界から、目と頭に突然注ぎ込まれる怒涛の情報で、見終わった直後は体がついていかず呆然としていた。
淡々とした日常の描写が続くのに、まったく退屈せず、じ…
あまりにクセが強すぎる。自然の美しさも相まって、ハッピーアワーよりも映画として見ることができたが、結末含めて一体なにを言いたかったのだろう。しかし、他の濱口映画同様、この作品からしか得られないものは…
>>続きを読む人間の営みと自然との調和。
映画は環境問題をストレートに訴えるのではなく、森を歩く足音、水のせせらぎ、焚火の煙、空気の冷たさといった 音と映像の体感を通じて、村人の暮らしに浸らせる。その穏やかさに反…
© 2023 NEOPA / Fictive