祖国への帰郷を計画中の青年と、苔の研究者の女性とが出会う。
監督前作にあたる『ゴースト・トロピック』でも《物語未満》と書いたのだけれど、更に削ぎ落されている印象。2人は出会った、しかしSo what…
“いい映画を観た”というより、"いい時間を過ごした" という言葉のほうがふさわしい85分だった。
そんな気持ちにさせてくれる理由の大本は、画面から聴こえてくる音の気持ちよさだ。
この作品のよう…
映画館からの帰り道、道にある全てのものが光り輝いて視える。
人の気持ちの振動が、だんだんと合わさっていく。
人が居なくなっても、コケは生き続けるという言葉に私は自然の強さを感じ、少し身体のこわばりが…
静かで美しい。
私たちが現在生活している世界の、どこを切り取るとこうなるのだろうか。
こんな優しい気持ちの人間など一人もいないかのようなニュースしか流れないのに。
人間が作った建造物より美しい苔。…
日本公開時に鑑賞。
飾らず落ち着いた映像と芝居。
だけど途轍もない美しさ、優しさに泣いてしまう。
隣人にスープを配る主人公と、苔を研究する女性。
さり気ない交感が尊い。
小品と片付けるには勿体無い…
©︎ Quetzalcoatl