初ジョン・ベリー。クソ面白い。早い、短い、よく動く(好きな映画の条件)。「おれの作った七面鳥食えねーのかよ!」にも爆笑したし、「出る前にコーヒーを頼む、砂糖をくれ」も笑った。オールドミスっぽい一人で水泳やってる娘が、観客側としてはやっぱり読めなくて、恋をしているふりをする、信用しているふりをしているという二重の演技を見させられる。『ファニーゲーム』的な家族の中の異物映画としてもめちゃ面白い。早いのだけど個々のカットを捨ててるわけじゃなく、演劇畑出身の監督らしく力の入った長回しで「殺してやる」と殴ってくる息子を撫でる犯人(ジョン・ガーフィールド)をこれ以上のないショットにしている。 ジョン・ベリー、IMDbによるとハリウッド全盛期の撮りまくった後、赤狩り経てドラマを量産して、『頑張れベアーズ』でアントニオ猪木撮ったりした後、シャンタル・アケルマンの映画でたりバー運営したりプロデューサーしながら、最晩年に『Boesman and Lena』(2000)ってヤバそうな映画撮って亡くなってる。この年代の人で2000年まで撮り続けてたの、あっさりと健康の面で撮るのをやめたルイスとか死んだマンとか散々な目に合ったニコラス・レイとか考えるとすごい人生。 これもジェームズ・ウォン・ハウ!