その男を逃すなの作品情報・感想・評価

「その男を逃すな」に投稿された感想・評価

落伍者

落伍者の感想・評価

3.5
工場で従業員の給料入った鞄を盗み、警官に追われ、何故か市民プールに逃げ込んで、そこで知り合った女のアパートに上がり込み、家族も人質に取って立てこもるという無茶苦茶な脚本なのにテンポよく見せられると無理矢理納得させられてしまう。ヒロインの真意は自分を犠牲にしてでも家族を守りたい解釈だろうが、一片でも恋心はあったのだと思いたいくらいジョン・ガーフィールドが惨めな死に方する。
フィルム・ノワールにカテゴライズされているせいで、しまりのないB級サスペンスに感じられるが、「愛を知らない男が猜疑心で自滅する文芸佳作」と捉えれば、そんなに退屈はしない。

犯人はマザコンの抜け作で、ヒロインは最後まで何考えてるかサッパリ分からない喪女。交わす会話は葛飾柴又の団子屋か曙橋の中華料理屋一家みたいにスットコドッコイなのに、カメラワークだけが場違いなまでに冴えまくっているから困ってしまう。

つまりは、せっかく腕のいい職人たちを集めたのに「噛み合ってない」せいで、何ともどっちつかずで中途半端な仕上がりに。いや、むしろ、カメラマンだけが突出して良い仕事をしたかのように見えてしまうから始末が悪い(実際は、現場でカメラマンだけが制作意図を理解していなかっただけかもしれないのに)。喩えて言うなら、刺身で食った方が旨いのに、つい試してみたくてフランベしちまったような。

劇中の登場人物たちだけでなく、制作陣も不幸な出会いだったとしか言いようがない。
ジョン・ガーフィールド主演、遺作。大まかなプロットは「勝手にしやがれ」と一緒。(家宅侵入、立てこもり付き)

細かい辻褄あわせをはぶき、B級的なスピードで押し切る展開。ガーフィールドはサイコパスというより、感情を制御できない人物といった感じ。

シェリー・ウィンターズは、「陽の当たる場所」よりこちらのほうが全然よいと思う。

プールに逃げ込むのは面白いアイデア。部屋の遠近感、奥と手前の演出、扉の内と外の通底。屋外に回り込む視点。ウィンターズ宅階段の上下など、空間演出に長けている。

ラストシークエンス、ローアングルで捉えられた舗道の水溜りがよい。ウィンターズの表情、ガーフィールドの疾走が心に残る。
若い頃のシェリー・ウィンタースを
観れたのでこれは大変満足🤤
髪長い時が1番好きやけど。笑

あらすじ↓
殺人を犯して逃走中の犯人ニックが
ペギーという女性と出会い仲良くなって
そのままペギーのお家(実家)に行く。
そして銃で脅してきたニックを
匿う事になる....。

2人の出会うシーンが好き🤔
ニックが自己中すぎるけど。笑
七面鳥食えってブチ切れるとかこわ。笑
終盤のお父さんもかっこよかった。

シェリー・ウィンタースの
顔と演技が観たいのに。字幕うざい
可愛いし、演技上手いし...
って心の中で褒めちぎってたら終わった
堊

堊の感想・評価

4.0
初ジョン・ベリー。クソ面白い。早い、短い、よく動く(好きな映画の条件)。「おれの作った七面鳥食えねーのかよ!」にも爆笑したし、「出る前にコーヒーを頼む、砂糖をくれ」も笑った。オールドミスっぽい一人で水泳やってる娘が、観客側としてはやっぱり読めなくて、恋をしているふりをする、信用しているふりをしているという二重の演技を見させられる。『ファニーゲーム』的な家族の中の異物映画としてもめちゃ面白い。早いのだけど個々のカットを捨ててるわけじゃなく、演劇畑出身の監督らしく力の入った長回しで「殺してやる」と殴ってくる息子を撫でる犯人(ジョン・ガーフィールド)をこれ以上のないショットにしている。
ジョン・ベリー、IMDbによるとハリウッド全盛期の撮りまくった後、赤狩り経てドラマを量産して、『頑張れベアーズ』でアントニオ猪木撮ったりした後、シャンタル・アケルマンの映画でたりバー運営したりプロデューサーしながら、最晩年に『Boesman and Lena』(2000)ってヤバそうな映画撮って亡くなってる。この年代の人で2000年まで撮り続けてたの、あっさりと健康の面で撮るのをやめたルイスとか死んだマンとか散々な目に合ったニコラス・レイとか考えるとすごい人生。
これもジェームズ・ウォン・ハウ!
lemmon

lemmonの感想・評価

4.0
面白かった!

どうしようもない大馬鹿やろうに、なぜか彼に心惹かれ、今の面白みのない生活を抜け出すチャンスをほんの少し感じるヒロイン。複雑な部分をシェリーウィンタースが好演。やはりうまいです、彼女。

ガーフィールドもイケメンだし、良くこんなクソ野郎の役うけたなあと思うが、こういう役もやってるからこそのレジェンドと感じる。

こういった作品に出会えるから、やはりクラシック映画の発掘はやめられない。ありがとう!!
zhenli13

zhenli13の感想・評価

3.5
心のうちをうまく表せない男たちの物語だった。とても繊細でいじらしく、身につまされるような。
これが遺作になったというジョン・ガーフィールドの屈折した表出。彼が立て籠もる一家の父の、確固とした意志とそこからの行動が何とも胸に迫る。七面鳥のシーンがよかった。
i

iの感想・評価

3.8
短くて観やすいのにしっかり面白い…
七面鳥のシーンとか細かい掛け合いがすごく良かった。
ラストもグッと来たなあ
本作で少々間の抜けた強盗を演じたジョン・ガーフィールドだが、彼が大して怖くなく寧ろフレンドリーな中年男に段々見えてくる辺りがポイント。はた迷惑もいいところである。😤

そんな強盗ガーフィールドと対峙する娘役のシェリー・ウィンタースの方が遥かに印象に残る作品。いわゆるB級ノワールではあるが後半の心理戦などは結構盛り上がるし、ラストもなかなか壮絶。

ウィリアム・ワイラーの『必死の逃亡者』とシチュエーション的に被るのだが、私としては本作の方がB級ならではのゲチョゲチョした感覚を含めて好みである。

しかしこれがガーフィールド氏の遺作と考えてみるとちょっと痛いものがありますね…😓
いま観てもじゅうぶんに楽しめる、立て籠もり系サスペンス。

ジョン・ガーフィールド演じる立て籠もり犯が圧倒的に素晴らしい演技を見せる。
そんな怯える男に惹かれてしまう愚かな女を好演するシェリー・ウィンタース。

階段駆け下りからのまさかの(それしかないくらい展開だが)結末、ラストの道端での構図のよさ。
>|