不審者の作品情報・感想・評価

「不審者」に投稿された感想・評価

R

Rの感想・評価

4.3
2019年の大晦日は、シネマヴェーラ渋谷でノワール映画2本立て。(その1)

人妻が不審者通報したことから、偏執的な警官に運命を狂わせられるジョセフ・ロージー監督によるノワール映画。


ある晩、ラジオDJの夫がいる人妻スーザンが「誰かに浴室でのバスローブ姿を覗き見られた」と警察に通報する。
不審者は見付からなかったが、同じ夜再び警官が現れ、結婚生活に行き詰まっているスーザンを誘惑して二人はイイ仲になっていく。警官は彼女の夫を射殺するが「不審者と間違えた…」と弁明するのだが……。

この後、物語は意外な展開を見せる。
とても面白いサスペンス映画であった。

初期のジョセフ・ロージー監督は、こういう映画も作っていた。
フリッツ・ラング監督の傑作映画『M』をリメイクしたりしていた。

こうした面白いサスペンス映画が沢山あるので、映画観るのは止められない❗️
lemmon

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4.1
ヴァンヘフリンが気付く逆算の妙から、もうゾワゾワしながら見入った。

何て事ない男女の不倫劇と思いきや、計算高い物語にニンマリ😏。

演じるのが地味目なイヴリンキースとヴァンヘフというのもグッド👍。

心の闇がじわじわ膨れ上がる様がなんとも言えず。

「不審者(プロウラー)」
イヴリンキース演じるヒロインが、最高に楽しみにしていた瞬間ながら、目の前にいるものと、自身の奥底に芽生えたものとが、寄生虫の如く覆いかぶさる矛盾。

想像するだけで恐ろしい。
ただ女は強いか。

冒頭の不審者に怯えるヒロインからのつながり。
深読みし過ぎて、良いタイトルです。
たかや

たかやの感想・評価

4.5
大傑作。
念願の子供を手に入れるが、それ以外は全て失う女性のお話。

冒頭の不審者視点で始まるのがもう面白い。あくまでも私達は今回の物語を覗き見る側だということ。

ヴァン・ヘフリンがイヴリン・キースを諦めたようにみせてから、夫を殺す手際の良さに脱帽。

夫婦の家で繰り広げられていた三角関係から解き放たれて、荒野へ逃げて子供を産もうとするという対比が面白い。

その荒野で元夫のレコードプレーヤーからまるで呪いのように、元夫の声が聴こえてきて、陣痛が始まる。
そして、出産を妨害するかのような風がまた悪魔的で素晴らしい。
BB

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4.0
よくこんな無茶な台本引き受けたな…。ヴァン・ヘフリンがサイコパスなだけだったら成り立たないんだけど、イヴリン・キースが要所要所で巧い。深夜まで淋しそうにしている姿だったり、おもむろにヘアピンを抜かれて「あッ…」っていう顔をしたり。アイダ・ルピノとは少し異なる艶と哀愁。信じている表情から不信に豹変、そこからまた信じる演技に戻るって相当よ。
一方のヴァン・ヘフリンの顔の印象はもともと強烈で、「シェーン」と「決断の3時10分」のときも瞼の裏にまで焼きつくような顔してたのに、本作は強烈が過ぎる。もう今後はサイコパスにしか見えない。
muscle

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5.0
すべてのセリフをメモりたい(引用したい)。さすがプルースト読み込んでた人って言ってしまえば身もふたもないのだけれど、ドアの前でニヤついていた警官の不倫奇譚がどうしてこうも"ヘン"なのか。何にもなれない人々が集めるローズクォーツ、黒沢清でしかないラストの砂山、ふとした瞬間の長回し。「ダンスを踊り、「キミはきれいだ」と言う」←髭ダン。
ICHI

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3.9
学生時代の知り合いの警察官の男と偶然さいかしたラジオアナウンサーの妻の悲劇。ラスト、ラスベガス郊外の砂漠の荒屋まで行き着くうらぶれ感ごすご。
白

白の感想・評価

4.5
助監督がアルドリッチだった。
最後の展開は『情婦マノン』みたいで良かった。
必然的な撮り方をしているという印象。大満足。

このレビューはネタバレを含みます

遺言の件、最後に言われるまでスッカリ忘れてたから普通に純愛映画だと思ってた(もちろん愛も多少はあっただろうけど)。石好きの上司の話が、最後の舞台になったり、この時代の映画の脚本はよく出来てる。プロダクション・コード的に、やっぱり男は死なざるを得ないよねぇ。
ryosuke

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4.1
女が叫び、カーテンを素早く閉めてクレジットに入るアヴァンタイトルがお洒落。
スーザン(イブリン・キース)の夫のラジオの使い方が実に上手い。不倫現場に流れる「スーザン、すぐ帰るよ」が悲しすぎる。この台詞が流れる直前にスーザンが慌ててラジオを止めようとするが間に合わないというシーンなど良い心情描写。
ファム・ファタールの男版、オム・ファタールといえばいいのだろうか、ヴァン・へフリンの不気味な姿も光る。いやらしく不遜でおよそ好感のもてる印象ではなく、こんな男が何故という気もするが、まあそういうものかな。警官をここまで不道徳に描くのはなかなか挑戦的。
ロージーは「緑色の髪の少年」「エヴァの匂い」と見てきてどちらも個人的にはイマイチだったのだが、本作はかなり楽しめた。やっぱりノワール好きなのかな。
懐柔されたヒロインと向かうハネムーンの行き先がやはりラスベガスであるのもゾッとする。飛行機には乗せられなくても、結局物語は彼の思惑通り進んでいたんだな。
「私の目を見て」は映画では結構成功する技だが、当然サイコパス主人公には効かない。
恥じ入る様子もなく、神妙に「もう銃は握れない」と語るウェブ(不気味!)だが、やはりスーツケースには銃が入っている。ここはかなりギョッとするシーンなのだが、ヒロインは銃を見つけても赤ん坊がいる以上スルーすることにしてしまうのか...と思いきや...。
終盤の砂漠の風景など、思えば遠くに来たものだ感が凄い。スタートから終着地点への飛び具合は中々のものだが、こういう跳躍が映画の魅力の一つだよな。
序盤と同様、やはりレコードから流れる「スーザン、すぐ帰るよ」は止められない。その瞬間に産気づくところなど、怨念すら感じて最高。それまで大人しくしていたヒロインだが、「夫を殺したわね」と迫るシーンは怖い。やはり彼女もまたファム・ファタールだったのだ。
忘れていた頃に、主人公がヒロインの元夫の遺言書を見るエピソードもしっかり回収。
ラストにかけて右肩上がりで面白くなっていく怒涛の勢いに圧倒された。傑作と言って良いと思う。因果応報の“hold!”×3から、フィルム・ノワールというジャンルの構造をそのまま禍々しく視覚化する落下までお見事。
csm

csmの感想・評価

5.0
朝4時までラジオDJの夫の声聞きながらよろめく人妻がまず最高で、相手の警官も体型維持で牛乳飲んでマッスルマガジンみたいの読んでて戸をギシギシするのが得意技じゃもう満点、つけてるヘアピンとるの気持ち悪いけどもちろん人妻もイヤじゃなくなってるしここぞの時にかかる録音レコード、ノワールって何かよくわからないけど下世話度最高潮で嬉しい。上司の妻は鉱物好きで勘が良いからすぐ居場所はバレて急発進で車をバックして小山に登っても腕が良い警官に1発で撃たれる。みおわる頃には動悸激しく血行良くなる。