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三角窓

三角窓の感想・評価

5.0
死すらビジネスにする葬儀産業と商魂たくましいアメリカを痛烈に皮肉った作品。
原作はイーヴリン・ウォー『ご遺体(もしくは旧訳だと『囁きの霊園』)』。
痛烈過ぎて痛快とは程遠く不愉快で辟易する部分もあるけれど、ほとんど悪ふざけに加速していく底意地の悪さが人間性を暴き立て、狂騒が狂気まで上り詰める終盤はホラーの感触に近い。
愛されし人の宇宙葬が星に届く迄のほんの少しの永遠。
ドレスコードをブラックにして笑いのコードも黒く塗る。
嘲笑で型どられ愚弄で彩られた諷刺。
産業化され利潤の為だけにある葬儀。
段取りと形式を踏んで階段を上がるはずだった死は霊園から直通エレベーターで天国まで行けるコンビニエンスなものへと変容してしまった。
死体を燃えるゴミか燃えないゴミかで判別して、結局のところは同等にゴミ扱いするような不道徳。
簡単便利に肥えてゆくのだ生活は。
ダイエット不要の悪意。