暗がりから浮かび上がった街の風景から始まる。明転、暗転を繰り返す。ガラスや鏡による反射。彼女が書いた小説の中に彼女がいると男は口にしたが、夫はその彼女の存在を鏡に見出し、執拗に手を洗う。鏡に撃った弾…
>>続きを読む最初は奥さんの方に感情移入するんだけど、段々と李立中にその感情移入がシフトしていく。出てくる悩める登場人物は皆、一見満ち足りた生活を送っているのにものすごく物足りない、そんな生き方をしている。実際の…
>>続きを読む「小説は命がけの仕事というわけでもないだろう」(うろ覚えですが…)
冒頭の彼の台詞がこんな結末へ向かうとは…!
窓が印象的に用いられていることからも感じたのですが、小説家の女、家出娘、写真を撮る青年…
作品全体から醸し出される不安はタイトルにふさわしいものだし、下手なホラーより全然びくびくしている自分に気付く。少ないセリフの代わりにこの作品は緊張感のある音に溢れている。冒頭のサイレンや犬の鳴き声、…
>>続きを読むある男の死からすべてがはじまり、すべてが終わる。闇の中に射し込む光は必ずしも救いを与えるものではなく、むしろ現実を曖昧して粉々に砕いてしまう。
現実と想像の中をいったりきたり彷徨いながら、恐怖分子が…
イメージフォーラムで『恐怖分子』(エドワード・ヤン監督、1986年)を観た。
想像以上にメタ映画だった。
「見る/見られる」(映画では男性/女性、現実では観客/俳優)の関係。その関係から生まれる「虚…
見えない何かが空気中に蠢いている。
それがカーテンを揺らし、本のページをめくり、人にあくびをさせる。
リマスターで画面は比較にならない程美しくなった。
真っ暗な暗室、真っ白なベッドルーム。
銃撃シ…