水上勉の同名小説が原作。純情過ぎる竹職人喜助と遊女玉枝の悲恋。しっとりとした小説を読みたいと思っていたのに、先に映画を観てしまった。
悲話なのに、さばさばした印象は、玉枝演じる若尾文子さんのさばけ…
今作は撮影技術が素晴らしい。白黒のフィルムは人間よりも自然の方が映えると思っている。今作に出てくる竹やぶや草木、淀川、決して廃れないうつくしさ。膨大な自然と音楽だけで不穏な空気を作り出す。そして 若…
>>続きを読む素晴らしい。山里の風景や人物を写す白黒の画面の美しさ。言葉もそれぞれに美しい。
民話のように始まる素朴な良さのあるお話で悲劇に向かうだろうなとわかっていても、辛過ぎることのないちょうどいい展開。
若…
過去の祟り
過去は影をひきつづけ、後を追ってくる
若尾文子の着物の着こなし、仕草、タバコの吸い方、ハンカチで顔を拭う仕草、声の抑揚、トーン、声色、京都弁、歩き、座り、立ち、泣き、笑い、映画的俳優技…
久々に再見して評価を改めた。DVDの特典映像で若尾文子が語っていたが本作の「功績は宮川一夫のキャメラによる」。真夏の京都の郊外でセットを組み、雪降る真冬の映像をつくり込んだというのも当時の撮影所の力…
>>続きを読むこの映画「越前竹人形」は、主演の若尾文子の、なんともけだるく、妖しい魅力に圧倒される作品だ。
着物の着こなし、帯、首すじ、柔らかなおくれ毛、裾からはみ出た脚、白い足袋-----何もかもまぶしいくら…
嫁より、竹。
亡くなった父の後を継ぎ、毎日一人でせっせと竹細工に勤しむ喜助の元に、玉枝という若い女性がやってくる。彼女は父がかつて贔屓にしていた遊女。そんな玉枝に一目惚れした喜助は、武生から芦原に…