下町の作品情報・感想・評価

「下町」に投稿された感想・評価

三船と山田五十鈴が押し問答の末、事に及ぶシーンには裸が映るより興奮した。

そして、ちょっと浮かれてからの放心。
「下町」にルビを振って「ダウンタウン」。

悪女役ばかりのイメージの山田五十鈴は可愛らしいし、それにも増して三船敏郎は恐らく世界一愛らしいチャーミングな映画スターだと思う。
当時を知らないのであまり美化しても良くないが、本当にこの当時の日本人の描かれ方のなんと真っ直ぐで、純粋なこと。

戦争が終わって、戦争を引きずりながら、それまでに縛り付けられていたものから、「自由」を模索しようという意思が瑞々しい織り込まれている。

戦争によって帰らない夫を待つ山田五十鈴と、戦争によって妻が他の男の元に去ってしまった三船敏郎。
その間にちょこんと子供が引っかかってる感じ。
そんな可愛らしさから一転。
激しい雨の中で男と女になる、なんてサスペンス。なんだかまるでイタリア映画を観ているようだ。

58分の中に濃密なドラマがある。ああ、人生は続くなぁという苦さ。
ごてふ

ごてふの感想・評価

3.8
池袋・新文芸坐にて。三船特集。併映は≪結婚指環≫林芙美子の原作(短編小説)は読了。初見から40年以上経っているが、その内容を良く憶えていたことに我ながら驚き。原作にない山田五十鈴と淡路恵子のやり取りに感心しきり。まだ≪貞操≫という概念があったころのお話。≪シベリヤ帰り≫なども解説でもしなければ解らないだろう。戦争を引きずった世相風俗が写し込まれて興味は尽きない。
nagashing

nagashingの感想・評価

3.0
『蜘蛛巣城』の濃厚さと業深さがうそのようにおだやかな(まさかの同年製作)、山田五十鈴×三船敏郎のあわい中年ロマンス。結末部の意外な急展開にはびっくらこいたが、あれ以上つづけるとメロドラマになってしまうのだろう。キビキビとした所作で父性あふれる三船と、のっぺりとした顔に浮かぶ疲労が艶っぽい山田の組み合わせがよい。ラストの土手の砂塵、猫の死骸、山田と子どもの距離、「母」より「女」であることが先立ってしまった叱咤の一瞬とその回復がドラマチック。窓越しの室内からズームアウトして映りこむ下町の風景がエキゾチックすぎてビビる。
ゆき

ゆきの感想・評価

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魚の切り身を白米の上に放り投げる三船敏郎、恐れ入谷の鬼子母神
戦後4年目の東京、戦争に行った夫を待ちながら女手一つで子供を養うためお茶の行商をする女(山田五十鈴)、そんな時出会う運送業の男(三船敏郎)、お互いに惹かれるものがあり貧しく寂しい暮らしの中での光を見つけたかに思えたが、、、

ええーー!?ってまま終わってしまった
劇中の山田五十鈴と同じように放心的な気分になる
これから夫が帰ってきての一悶着とか期待してたらあっさりと
というのも見たあと知った上映時間58分!それを認識して見ていなかったのでなかなかショックが、こんな短い映画珍しい、何でだろう?チケット代同じだったのかなとか気になったりw

劇中、三船敏郎と山田五十鈴の年齢が30前後って話し合うシーンがある
これにはちょっと、ん?と、2人とも見た目は完全におじさんとおばさん、昔の人って老けて見えるからかー?と流したけど
それでも気になって調べたら当時、37歳と40歳だってー、ただでさえ老けてるのに実年齢上で来ましたか、そこんとこは少し気にかかる点かなー
戦争で苦労して老けた、女の人の年齢はわからないとかのフォロー?、山田五十鈴が25.6かと思ったとかのお世辞もあるけど無理があるわー

見る前はこの年代で山田五十鈴の主演かー、どうなのかなー?って思ったけどなかなか良かった
老けた顔立ち、地味で薄汚れた格好の行商って感じで、戦争に行った夫を待つ妻、幼い息子を育てる母でもあるけど、やっぱり女!としての一面
拠り所がなく孤独で寂しい暮らしの中で見つけた小さな幸せ、喜び
この時代の女性像としては凄く積極的ですよね、自分から会いに行き、誘う、したたかな感すらあった
デートの時に着て来る洋服姿や会う前に慌てて化粧する姿が良かった

一番印象に残るのは旅館のシーンですね、子供を挟んで川の字に寝る2人
真上を見て少しそわそわしてる三船敏郎のかわいさ
そして背を向けて語る山田五十鈴、潤んだ瞳と唇が美しかった
そして自分で誘っておいてのだめよだめよの焦らし、内心は正反対で女のしたたかさを見た

終盤は死のオンパレード、同じ下宿の女性の旦那さんが亡くなり、道端では猫が死んでいて、そして、、、
なぜこんな展開なのかを考える、んーー難しいけどそれ自体がどうこうというより
戦争が与えた様々な負の要素、それがまだまだ残っていて的な因果を描いたのかなぁと無理やり解釈
たなか

たなかの感想・評価

5.0
新文芸座、三船特集にて

山田五十鈴の演技がめちゃ光ってました(実年齢40歳で30歳の役、なかなか色っぽくて◎)
肝心の三船はやっぱり無敵の三船なんですが三船もやっぱり男なのねという珍しいシーンが、そこでのやり取りもなかなか秀逸です
淡路惠子の部屋をズームアウトしていくところ等当時の街が見えるところがかなりグッとキました、下町だけに

風に吹かれてた
58分と短いながらも見応え充分、そんな作品
A

Aの感想・評価

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このレビューはネタバレを含みます

お茶、靴下を脱ぐ山田五十鈴、雨、山田五十鈴の髪を不器用に拭く三船敏郎、川、ラストで顔を上げると涙を流している山田五十鈴
Sanae

Sanaeの感想・評価

2.9
山田五十鈴とみふねとしろう
山田五十鈴のやつでいちばんすきかも
勝五郎

勝五郎の感想・評価

5.0
私がフランク・キャプラの作品を何度も何度も観たくなったり、昭和のまだ戦後が残っているころの映画がたまらなく好きな理由は恐らく「家族」への、その形態としての強いノスタルジーと憧れが溢れちゃっているからなんだと勝手に考えています。

何を言っているんだか訳がわからない(笑)

さて…
山田五十鈴&三船敏郎!!
素晴らしいなぁ。

終戦から四年後のお話…今のように何でもかんでも楽に手に入る様な時代じゃ勿論ない。生きていく為にみんなが必死な時代なんだよなぁ。

男は男としてまた女は女として、その持てるもの全てをかけていったのでしょう。
そりゃしくじってしまう人生も、何かを強いられていく人生もあったでしょうけれど、本当に力の限り生きていたのだろう…と。

三船敏郎、凄くいいです。
山田五十鈴の素敵なこと!

観て良かったなぁ。
神保町シアターでチケット発売30分前にこれでもか!と言うくらい…そうでもないけど(苦笑)…蚊に喰われましたけどね、
ホント観て良かったぁー!
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