主人公は世界を救うために神への贄として「自らが家族、家、言葉、その全てとの関わりを断つこと」を捧げる。
災厄によって分断された世界のその彼岸で、彼の幼い息子は父と共に植えた希望の象徴である"ヨアン…
久しぶりのこちら。冒頭の二人のおっさんの会話からして最高にキレがある。
世界の家族の崩壊。慄く恐怖との対峙。
バッハと海童道祖、西と東それぞれの静謐な音楽がしっとり流れる画面に染み渡る美。陰陽印の着…
表象する世界との決別こそ芸術の追究であり、それは真理との接続とも言い換えられる。
それを絶え間ない詩的なイメージで具象化し、身を切る覚悟で映像に繋ぎ止められる非凡なデミウルゴスこそ、タルコフスキーな…
交錯するレベルの異なる構造、超自然的な、社会的な、個人的な。超自然的なもの(霊とか)を仄めかしたり、タルコフスキーの映画によく出てくる草原(共生する自然)や形骸化した金のカットはおもろい。逆ベルイマ…
>>続きを読むタルコフスキー最後の作品となったこの『サクリファイス』は、もしかすると彼の作品のなかで、最も彼らしくない作風という意味において、1つの終着点を表しているようにも思う。
彼らしくないというのは、「罪…