夕なぎの作品情報・感想・評価

「夕なぎ」に投稿された感想・評価

甲冑

甲冑の感想・評価

4.5
ロージー作品には常々三つの主役…主役、侵入者、そして建造物、を感じてしまうのだが、今作は三者ともに強すぎ。世界指折りの金持ちであり過去五人の夫と別れ(死別?)、深刻な病に冒されるも「人生は全て記憶」と回想録を作るフローラ・ゴーフォース。Angel Of Deathという『第七の封印』の死神のような、しかし鎌ではなく刀を携えた介錯人の如き風体の侵入者。そしてナポリ湾の孤島(島ごと所有物)にそびえるウルトラモダンな大邸宅。最初から最後までひたすら不穏で、男が事あるごとに呟く謎の言葉「BOOM」は生死の境界が想起される。リズはチョチョン♪と歌舞伎に興じてみるも西洋の傲慢な支配主義や物質主義を感じさせるしバートンは東洋を象徴している様にも思える。ロージー本人も今作の言語化には手こずっており、ただひたすらにテネシー・ウィリアムズの世界を表したと言っているが脚本を超えた観念的なアプローチが素晴らしい。『牛乳列車』のテキストを読んでみたい。
あ

あの感想・評価

4.2
 ''the shock of each moment of still being alive.''
papi

papiの感想・評価

4.0
リチャード・バートン何しに来たんだか最後までさっぱりわかんなかった。最低クソビッチ役のリズが本気でイライラさせてくれてこっちまで雇われてないけど辞めます!って言いそうに。リズの強烈な光とドス黒過ぎる闇の前ではジョアンナ・シムカスですらモブ…。いやー、白服で統一されたリズ衣装、あれほど清くない白の着こなし、なかなかないよね。
本当に訳がわからないが傑作。美しいナポリ湾の孤島の豪邸に住む金持ちエリザベス・テイラー。リズに会うためにやってきた謎の男リチャード・バートン。実際の夫婦でなにやってんだ感はあるがそれも含めて怪作。リズに仕える小人症の男や奇妙な屋敷、謎に登場する日本文化など本当に混沌で不穏。これ日本語字幕で観ても訳がわからないのではないか。金持ちにはペキニーズが似合う。間抜けで変な音楽は我らがジョン・バリー作曲。世間から隔離された空間+金持ち屋敷なので問答無用で最高。
ジョゼフ・ロージー ×テネシー・ウィリアムズ×エリザベス・テイラー=最強。ロージー 「呪われた者たち」のような孤島で、我儘な女王のように暮らす傲慢なリズ。この役はリズしかできない。島の船乗りに「bloody bitch of the world!」と毒づかれるほどの自分大好き最強クソウーマン🏆彼女の死期を嗅ぎつけ島を訪れる死神のリチャード・バートン。「カプリの奇術師」の渾名を持つ、輸血業のノエル・カワード。最高に可愛いのにリズの前には影すらみえない秘書のジョアンナ・シムカス。今年の夏に突然死がやってくるTウィリアムズ節。ただただ不吉で興奮する。
「死神」リチャード・バートンが着物をまとい刀を持ち歩いているのは、おそらく死を見届ける「介錯人」としての正装(日本人にしか分からない目配せだと思う)。シナリオがテネシー・ウィリアムズなのでエリザベス・テイラーの役どころは狂った母親もしくは老いた男性としても読み取れる。テネシー・ウィリアムズの真っ直ぐな物語とエリザベス・テイラーの悪趣味な一人芝居、その食い合わせの悪さを修正するのではなくジョセフ・ロージーは更に大仰にこってりと描き、それなりのドラマから「グロテスク」な傑作へと変異させている。夜の不穏さ、犬を放つ小人、歪な屋敷。エリザベス・テイラーの咳が止まらなくなるくだり、ヤバいよ。
ポリプ

ポリプの感想・評価

3.0

このレビューはネタバレを含みます

映画「夕なぎ」

かつて銀幕で一斉を風靡した年老いた女優(ひょっとしたらモデルは、
エリザベス・テイラー自身なのかも?)の元に何故か1人の男が現れます。

彼女は、常に自分の口述を録音していて…という内容でした。





私も個人的には、この作品に出てきた男の正体は一体何だったのか?という疑問ばかりが残りました。

ひょっとしたら彼女にしか見えなかった○に神(という設定?)だったのでしょうか??
怪作だらけのロージーの中でも飛び抜けて意味がわからない。
まさに混沌。
この世で真の混沌を撮れるのはロージーしかいないのである。