妻の日の愛のかたみにの作品情報・感想・評価

妻の日の愛のかたみに1965年製作の映画)

製作国:

上映時間:89分

3.9

「妻の日の愛のかたみに」に投稿された感想・評価

2015年8月13日、角川シネマ新宿で開催されている『若尾文子映画祭』にて鑑賞。
この映画、未ソフト化作品。 


この映画の舞台は「九州・柳川」。 
大林宣彦監督の『廃市』でも舞台になった水の町である。 

内容を確認せずに観に行ったが、最初は「仲睦まじい夫婦物語」かと思っていたら、「闘病もの」であった。(原作があり、脚色が木下恵介) 
カラー映画なので、若尾文子が綺麗である。


舟に乗った花嫁=千枝子(若尾文子)を追いかける男=正之(船越英二)が、この花嫁の夫である。 
二人とも学校の先生をしながら、夫の父母と一緒に暮らしている。 
妻の千枝子は、手製うどんを作ったり、井戸で洗濯したりと、朝から晩まで良く働く嫁である。 

夫が「今晩は、君のうどんがたべたい」と道端で言って、生徒に『君のうどん』と冷やかされるシーンは微笑ましい。 

また、結婚1年後には、二人で田んぼで仕事をするシーンがあるが、妻が「私、もう歩けない」と言って、船越英二が若尾文子をおんぶするが、羨ましい限りである。こういうのを「役得」というのだろう…(笑) 

学校の数学教師をしている妻が授業中にチョークを落としたあたりから、病の影があらわれる。 
身体じゅうの関節が痛くなり、1年後に別府の病院に入院。 
難病のようだが、病名は不明。(リューマチという単語が一度出てくるが、医者は「関節が固まりはじめていて…」などと言うので、不治の病ということなのだろう。) 

病気になって8年後(入院先の別府から戻って5年後)、夫の外出中に、妻は実家に帰ってしまう。夫以外の家族と本人=妻が決めたこと。 
それを知った夫は、……といった感じで物語が進行する。 


しかし、明るい夫婦の姿を描いた序盤は楽しいが、闘病風景ばかりになってからは暗い感じになる映画だった。
歌人・池上三重子氏の同名手記が原作。つまり実話の映画化。若くして不治の病に冒された妻(若尾文子)。そんな妻を愛し、支え、添い遂げようとする夫(船越英二)。だが、自分のせいで夫の将来を台無しにしてしまうことに苦しむ妻は、愛する夫のために唯一自分ができることとして、離婚を決意。そして、離婚を頑なに拒む夫の留守を見計らい、実家の母・姑・友人らの手助けで、14年間夫婦で暮らした家を後にするのだった。

…という悲恋物語だが、舞台となっている柳川(映画の公開は1965年)の美しいこと、そこで綴られるストーリーの切ないこと、ときおり挿入される短歌が心にしみること。とにかく、泣けて泣けてしょうがなかった。
青二歳

青二歳の感想・評価

4.6
九州柳川を舞台にした夫婦ドラマ。展開だいたい分かるのに…号泣。泣かせにかかるだ言われようとも素直に号泣…DVD化感謝!!!若尾文子枠がさらに初夏発売です!角川の回しもんか。若尾文子と船越英二のラブラブっぷりが可愛くて可愛くて…そのふたりが闘病を前にしてお互いの思いやりが互いをえぐり合う様がツラい。新婚パートは短いながらも、よく伝わるのですよ…ふたりの仲の良さが…その分後半がもう…
後半弱くなるけど二人のお国言葉もかわいいんだまた…

ジジ怪優にやられっぱなしの自分ですが、この時代の邦画はおババ様もよくてですね。中でもご贔屓が滝花久子。若い頃は本当に愛らしいお顔立ちで勿論そこらのアイドル超えてるんですが(超かわいい)、またお年を召されてからの雰囲気もいいんですよねぇ。今作はとにかく娘を守らない母親です。観ていてマジか…と思いましたよ…あのシーン。彼女の母としてのスタンスは理解出来ないけど、なんとも立ち入れない厳しい雰囲気があり観てるこっちがつらくなりました。また気の弱い浜村純、意地の悪いハラセンもよい味わい。

夫婦の情で推すばかりじゃなく、お互いを想う中の複雑な意地や偽善、甘えなどを妻と夫それぞれの口から静かに開陳させるので更に涙が…
サル山おんぶのシーンとか船越英二の嬉しそうな顏ときたら。かつて自分の花嫁を追いかけた柳川に、教え子が花嫁として新たに川を下ってゆく。その交差の喜ばしさと無情かつらい。
しかしリウマチの闘病ものは初めて観たかも。大変な病気なんだな…。若尾文子の砂風呂療法に萌えた自分は邪心の塊です。すみません。
obao

obaoの感想・評価

3.8
@シネ・ヌーヴォ
お互いに想い合い、誰も悪くないのに…添い遂げることが出来ない夫婦の悲恋。愛し合うが故に苦しむ二人が、あまりにも切なく、胸を掻き毟る程に辛かったです。

花嫁披露で川を渡る若尾さんを追いかける船越英二。側から見ても羨ましい程の二人…その幸せの絶頂に襲いかかる妻の病。徐々に身体の自由が利かなくなる妻を甲斐甲斐しく介抱する夫…離婚を申し出る妻と拒む夫。。。観ていてすごく苦しい。

これが実話を基にした映画だということを教えていただき…和歌にこだわった違和感も理解できました。

木下惠介脚本というのも興味深いです。そして、若い頃の藤村志保さんの美しさ…田中麗奈に(が)似ています…よね?

【若尾文子映画祭 青春】にて。
神

神の感想・評価

4.0
角川シネマ新宿鑑賞。
船越英二の優しさも若尾文子の優しさもお互いを傷つけていたのが何とも苦しい。