荷車の歌の作品情報・感想・評価

荷車の歌1959年製作の映画)

製作国:

上映時間:145分

ジャンル:

3.9

「荷車の歌」に投稿された感想・評価

山本薩夫監督が、明治時代から昭和(第二次世界大戦直後)までの長期にわたる激動の時代を、農村を舞台にして描いた人間ドラマ。
これが、人間ドラマだけにとどまらず、米騒動や戦争に巻き込まれていく農民の姿を通じて、当時の世相まで描いているのだから、見事である。

郵便配達の男=茂市(三国連太郎)が「郵便配達を止めて、荷車ひきになるのだが、一緒にならないか?」と、セキ(望月優子)にプロポーズする。
セキは、両親に勘当されても、茂市と一緒になる。しかし、姑(岸輝子)には辛く当たられて白米は食べさせてもらえず粟などを食べながら、茂市と二人で荷車をひく日々であった。この荷車ひきも、1日に10里(40キロメートル!!)という過酷な労働。
こうした女を演じさせたら、望月優子はピカイチである。
望月優子主演のあの傑作『日本の悲劇』に負けじ劣らぬ熱演が見られる。

そのうちに夫婦ふたりの頑張りで裕福になってくると、茂市は妾をつくるだけでなく、一緒に住まわせるという横暴かつ(妻に対する)残酷な行動をとる。
この妾を演じるのが、浦辺粂子。
なぜ、この女を妾にするのか疑問であったが、三国連太郎もインタビューで「この映画、スケベな男を演じてもらいたいと山本先生から言われて引き受けました。しかし、妻が望月優子さんで、妾がその望月さんよりも年上の浦辺粂子さんというのは、どうやって妾に入れ込む気持ちをつくるのかが、結構たいへんでしたね。」と発言している。

芸達者な俳優たちが演じて、それを山本薩夫監督が上手く紡ぎあげた日本映画の傑作である。
初)明治から昭和まで生きた底辺の労働階級の女性を描いた作品。制作の出資は全国の農協婦人部のカンパということからか?山本監督は徹底してその女性の視線で描いています。婦人部のカンパ作品!?とタカをくくっていたら俳優サンも名優揃いで特に20代~80代まで演じきった三国サンの演技は怪演です!!
Osamu

Osamuの感想・評価

4.0
東京・神保町シアターの特集上映「知られざる独立プロ名画の世界」にて。

これ、大好きです。

明治から大正、昭和へ貧しい時代を働いて働いて生き抜いたお母さんの物語。

求婚のシーンから始まります。この時代の求婚がとても美しく映されドキドキしました。

しかし、そんな幸せな気分はそこまでで、直後から圧倒的な苦難が始まります。

こういう苦労話には本当に弱い。苦労を全て受け持って、言いたい文句を呑み込んで、働き続ける。

そんな人生で、主人公は最後に何かをつかんだように見えました。それが何かは、怠け者の僕には分かりません。でも涙が出ました。

おっかさん、ありがとがんす。