八重子のハミングの作品情報・感想・評価

八重子のハミング2016年製作の映画)

上映日:2017年05月06日

製作国:

上映時間:112分

3.6

あらすじ

四度のガンの手術から生還した夫が、アルツハイマー病を発症した妻に寄り添って介護を続ける12年間を描いた、夫婦の純愛と家族の愛情にあふれた物語。

「八重子のハミング」に投稿された感想・評価

かつ

かつの感想・評価

3.6
若年性アルツハイマーの辛さを知った。
赤ちゃんへと逆戻りする病気で一人では何もすることが出来なくなってるのを見てると苦しくて辛くて、涙が止まらんかった。
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〖八重子のハミング〗
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山口県のとある市民ホールで、白髪の老人が講演するシーンから物語は始まる。
アルツハイマーの妻を12年間介護した男性が、彼女との思い出を振り返る。音楽教師だった妻は歌が大好きだった。特に好きだったのは、谷村新司。彼女は死ぬまで歌を忘れなかった。
記憶をなくしていく、自分すらも忘れていく妻を介護するのは、やっぱり辛かった。
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『でもある時、思うたんです。
妻は、ゆっくり時間をかけて僕にお別れしよるんやと。やったら僕も、妻が記憶をなくしていくことを、ちゃんと僕の思い出にしようと……』
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夫にガンが見つかり、妻はそれを甲斐甲斐しく世話した。夫は腫瘍を取り除き命を取り留めたが、その頃から妻には異変が生じていた。
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『八重子さんは、あんたのガン治すために代わりに病気もろてくれたんや。あんたがしっかりしてやらんと』
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過去の出来事をわすれる、自分がしていたことをわすれる、やがて目の前の人が誰なのかも、自分の好きなものがなんなのかもわからなくなる。
発語も難しくなる。意思疎通も難しくなる。食事も排泄も介助が必要になる。
幼子に還っていく妻を、夫は妻をいたわり、可愛がり、献身的に介護した。

その記録。ドキュメンタリーのような物語。

時代設定は平成のはじめから15年頃までかな。介護保険法が成立したのが確か平成9年、その頃は介護ヘルプも存在しないし、アルツハイマーもそこまで認知されていなかったんじゃないかと思う。
やれ社会保障だ高齢社会だホームヘルパーがケアマネジャーがとか言ってるこの時代に、こういう物語を映画化すんのか~と。逆にね。たいへん複雑な気持ちになってしまった。

たとえば助けを必要としている誰かがいて、そこに支援を探す時、公的である〖フォーマルな社会資源〗と、身近で個単位な〖インフォーマルな社会資源〗とがある。
いまの時代の日本は世界になんとか追いつこうと法整備ばかりやっきになって、現場がどれだけ疲弊しているかわかっていない。現場の人員不足や施設各々のサービスの質は置いておいて、ハードの面については公的な支援としての介護はそれはもう充実している。

だけど、それらが充足すると同時に失っていったものがたくさんあって、それはひとえにインフォーマルな社会資源だと思っている。

夫一人で介護するのがたいへんだから、一緒に住もうと娘夫婦が声をかけてくれる。
娘は息子(つまり孫)にもちゃんと介護を手伝わせる。
週末には馴染みの喫茶店の奥さんが妻の介護を数時間代わって見てくれる。
昔子どものように可愛がっていた教え子が、介護の勉強に通い、空いた時間に妻の介護を手伝ってくれる。

夫が介護する物語だけど、この夫婦を支えるすべての人たちがやさしかった。いまの時代にはぜったいに起こりえないこの介護のあったかいバトンが、見ていてほんとに微笑ましかった。

誰も悪い人いないんだよね。夫の友人も、教え子たちも、家族も、ご近所さんも。あったかい目で夫と妻を見守る。転びそうになったら手を貸してあげる。歩きにくい道は支えてくれる。
だからこその12年間。愛おしいほど眩しい12年間。

物語そのものよりも、職業病的な目線で見てしまったのが悲しいとこですけど。
(ちょうどその日、施設長とGHに関する法改正のことでタイムリーに話してたので、福祉熱が高まってたのもある)

ガンとアルツハイマーなんてなくとも、夫婦ふたりの愛そのものが愛おしかった。
アルツハイマーが進行して、旦那の居ない間に便失禁した八重子がそれを隠そうと大好きだった花の鉢をわるんだよね。そういうところも愛おしいんだけど、それをみた夫がまず、『母さんごめんね。ごめんね』ってずっと謝る。
こういうところがつねに愛おしく観ちゃう映画だったな。

でも泣けたのは、父にぶたれた娘が落ち込んでるところに、娘婿が声をかけるシーンだったり。
教え子だったサキさんが、男先生と女先生のためにいま何をしているか話すシーンだったり。
孫息子の授業参観の作文だったり。
号泣ってほどではなかったけど、夫婦に関わる色んな人たちの、夫婦への思いを知った時にちょこちょこ泣けたな。

でも、映画そのものの作りが雑でちょっとおこです。冒頭とラスト、気に入らない。気に入らないよ~。萩市の素敵な景色がふんだんに使われてるのに、どうしてあんな感じになるの…
《2017年52本目》
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(2017.12.1 飯田橋ギンレイホール)
2月 最後の映画は 実話物の
«八重子のハミング»でした(;-;)

結婚してから 3分の1の12年を
奥さんの八重子さんの介護にあてた
2人の夫婦の物語。
八重子さんを演じた高橋洋子さんが
ほんとにすごい。熱演で。

泣かせよう 泣かせようとしてる
演出とかにも わたしは弱いので…
孫の誠一郎くんの作文シーンとかでも
どんどん旦那さんが疲れてくシーンでも
(;-;)うるうるしました………。

わたしがなってしまったら
すぐ施設に入りたい…( ´・ω・`)
旦那さんとかに見せたくない(;-;)
実話です。若年性アルツハイマーになった奥さんを支えた旦那、そして家族やその周りの人たちのやさしさ。

介護ヘルパーという言葉もなく献身的に12年間。夫婦生活の3分の1だそうです。
だんだん子供になっていくと言うのは家族にとって本当にさみしいだろうな。
それに本人の今までの人生もなくなってしまう感じがあってすごくさみしいです。

映画的には奇跡とかやたら感動なんてものはなく淡々と時間が過ぎて行きます。
なのでそんな盛り上がりとかもなく物語なんてものも別にないです。
こういう現実なんだって感じでした。
やっぱさみしいですね。
まぁ

まぁの感想・評価

3.0
介護は…やった事がある人にしか…分からないものね…(涙)

アルツハイマー…か…*
自分が分からなくなっていくって…どんな
感じなんだろう…*

劇中…夫が一人で頑張り過ぎているんじゃないかな…とか…
娘2人や他の家族の存在が薄いな…とか…
何で介護福祉のサービスを使わないのかな…とか…

色々「ん?」…と思うところはあったけれど…(^^;;

夫婦愛を…描きたかったのかな…とも思えて…♡
(ラブホのシーンから…の流れは…かなり引いたけれど…汗)

う〜ん…
奥さんは…幸せ…だったね…♡
(…でも…普通は…電話するよね…(^^;;
このシーンも…おかしいんだけれど…)

認知症を扱った作品って…他にもあるけれど…
主人公に感情移入、共感出来なかったな…(^^;;
…ごめんね…ちょっと辛口…(^^;;

(実話…なんですね…。
「怒りには限度があるけれど、優しさにはない」…この言葉は…良いな…と思った…(*^^*))
まだ先の話だと思っているけれど
いつかは老いて、病気になるか痴呆になるか

連れ合いのことは最期までちゃんとしたいとは思ってはいる
でも、自分が先にぼけてしまったらこんなに苦労をかけるのか
そう思うと忍びない

年配のお客さんが多かった
そのくらいの年になってから観たら、また違った感想になるだろうな
介護の大変さとか夫婦愛や家族愛を描いてはいるけれども、それよりも観客を効率よく泣かせてやることに重きを置いてるように感じてしまい少し興ざめ。
特に、講演の最中にふとスタンド花を見ると元気だった頃の妻が横から顔を出してるシーンなんてあざといとしか思えなかった。
日常的な光景がずっと続いてたのに、故人が目の前に現れるというファンタジーなシーンをいきなり見せられたって感動も何もあったもんじゃないよ。
野暮ったい構成と演出も相俟って、長い再現VTRみたいな映画でした。
obao

obaoの感想・評価

3.0
@シネ・ヌーヴォX
升毅さんと辻伊吹さんがシネ・ヌーヴォに来られてサインをいただいたけれども、時間が合わなくて映画を観ることが出来なかったのが一週間前。その時「来週には必ず観ます!」と言った(言ってしまった)約束を果たすために。

若年性アルツハイマーになった妻を12年もの長きに亘り介護した夫の愛の物語(実話)。
これはまさしく純粋な愛でした。
私も現在親父を介護中の身ではありますが、ここまではとても無理です。

すごく起伏に富んだ人生であるのですが、映画としてはやや平坦に感じるもの。その日の劇場では、周りからはボロボロに泣く人たちの鼻をすする音がずっと聞こえていましたが、私は泣けなかったです。

で、再び升毅さんのこと。
升さんの舞台は20年以上前に(升さんファンの女性に連れられて)観たことがあるのですが、その後『101回目のプロポーズ』を始めとし、あれよあれよと大スターになっていった升さんでしたが、劇場でお会いした印象は…決して偉ぶることのない、すごくフランクな優しい方でした。
高橋洋子の演技がいい。映画の中で、「怒りには限界があるけど優しさにはかぎりがない」というセリフが心に残った。妻の介護は辛いはずだが、それを支える夫と優しくとりまく人々が素敵だった。
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