ミラクル・マイルの作品情報・感想・評価

「ミラクル・マイル」に投稿された感想・評価

意外と知られていない80年代映画前編

昔からパニック映画というのはありますが、この映画のようにスタイリッシュな作品はなかなかないですね。似たような映画で”デイープ・インパクト”はありますが、こっちの方が個人的には好きですね。

主人公のハリーは自分がポイ捨てしたタバコのせいでボヤを起こしそれが原因で住んでいるアパートが停電となり、寝坊し恋人のジュリーとの待ち合わせに遅れてしまいます。待ち合わせのカフェに行った頃には彼女はとっくに家に帰っており、気づいたハリーはカフェの面にある公衆電話を受け取ってしまい核戦争のことを知ります。果たしてハリーはジュリーとともにアメリカ全滅へのカウントダウンを逃れることができるのでしょうか?

主演は”トップガン”のグース”ER”のグリーン先生そして、”ゾデイアック”の第4の男を演じきったアンソニー・エドワーズ。ちょっとひ弱な感じもしますが、もう俳優さんとしては大ベテランです。ファンとまでいきませんが好きな俳優です。ジュリーを演じたメア・ウインガムはまさに80sって感じの髪型をしています。パンクロックバンドにでも所属してたのと思わず行ってしまいそうです。ジュリーは随所に渡り優しさを散りばめています。人を傷つけるのが嫌な性格なんでしょうね。あとキャストでいうなら”ターミネーター”シリーズの強運の持ち主シルバーマン役の俳優さんが出ていてなぜここにと思わず言いたくなってしまいます。

監督は本作で脚本も書いたステイーゔ・デ・ジャーネット。本作ともう1作品ありますが、もう一つの作品は全くわかりません。あといわゆる脚色をやった人はすごい人ですね。未明のロサンゼルスの一角、ミラクルマイルを捉えていますね。圧巻です。ビルの感じやヘリの墜落ジェット機の空飛ぶ感じとか当時としては斬新なアイデイアがたくさん詰まっています。

好きなシーンとしてはオープニングですね。クレジットと同時にjハリーとジュリーが出会い恋人になっていく様をモンタージュ状態で描いています。モンタージュってなに?って聞かれた時に真っ先に思いつくのは”ノッテイングヒルの恋人”ですね。あの季節の変わりようを描いたモンタージュは大好きです。

まあでもどうしてハリウッド映画ってパニック状態になった時にやたらオーバーに描くのが好きですね。本作もかなりオーバーです。しかし、技術はションぽしましたね。携帯は一部の金持ちしかなかったんですが、今ではIphoneとかがあるんですから凄いですね。どこまで進歩するんでしょうか?

機会があったらぜひごらんください。
一見の価値はあると思います。
世界の終わりを前にしたLAの夜の街の描写がとにかく最高。「イナゴの日」を思い出した。ガススタンドの爆発や祖父母が去るシーンの絶望感、黒人兄妹、ヘリコプター内での恋人たちの最期。不穏の上塗りをするようなサントラも素晴らしい。
期待を裏切らず超超超好みの映画で大満足。自分のフェチ心を満たす要素で溢れている!
まず深夜のロス徘徊(車だけど)がGTAやってるみたいでめっちゃ気持ち良い! しかもほぼ無人って事で全能感がほんとヤバい。
80年代的終末観のムードも好み。主人公が悪夢の電話を受けちゃうダイナーの雰囲気からして完璧だし、その後も眼福シーンが続くよー。
あと画面の色味が最高!ほんとブルーレイさすが。夜中の暗闇+ネオンは言わずもがな、夜明けの紫と朝焼けのオレンジがほんと神々しいほど綺麗に映ってて観入る。
とはいえフェティッシュだけの映画ではなくて、警官を燃やすシーンとか単純に燃えるし、泣かせるシーンもいくつかある。気の良い黒人キャラが瀕死の妹と下りエスカレーターを上ろうとするシーンの切なさよ……。
テーマになってる冷戦時代のアメリカに漂う危機感覚なんてロクすっぽ分からないけども超楽しかった!
あと主人公がERのグリーン先生だった。髪あってビックリ!
再見。初見時では気付かなかったが、主人公が早朝(4時!)にテレビを付けた際に流れている映画がキング・ヴィダーの『南海の劫火』(32年)だった。アメリカのテレビでは日常的にこんな早朝にモノクロの古典映画を放送しているのかとどうかは知る由もないが、なんだかすごく薄気味悪いシーン。そして何故に『南海の劫火』をチョイスしたのかが気になる。本作との共通点があるから?それとも監督の趣味?『南海の劫火』は未見なので確認がてら観ねば。あともう一つ怖いシーンがあった。彼女の祖父母とのお別れシーンにおいて、彼らが乗った車が画面からフレームアウトする際に少しだけ映る彼らの笑顔が完全に死神だった。超怖い。ブルーレイの画質だとくっきり映ってる。内容的にもロマン要素の強い作品だけど、やはり残酷な終末映画だよなあと再認識。
laugh

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5.0
「サウルの息子」と一番近い映画は「灰の記憶」でも「炎628」でもなく、実はこの映画なんじゃないのか。巧妙にシミュレートされたRPGのような悪夢。
Javier

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3.6
夜中にたまたまHBOで見た作品。

友人が住んでいたアパートメントがロケーションだったのが印象的。

さて、個人的にはこれは隠れた名作だと思う。また、リメイクを作るのであれば歓迎だ。ストーリー的にも今ではよくありそうな展開とアイデアだが、当時ではなかなかなのでは。

パニック系の映画としてはなかなかいい作品。
ドント

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4.0
時は80年代後半のアメリカ。平凡な青年ジャックは恋人になったばかりの彼女とのデートに大遅刻。深夜のダイナーで公衆電話から彼女に連絡したり返事を待ったりしていると電話が鳴った。電話をとってみると若い男の声。番号違いだったようなのだが……
「大変だ父さん……米国からソ連に核ミサイルが発射される……世界はもうおしまいだ……」
米ソ冷戦時代の緊張感と破局を、一人の青年のミクロな視点からリアルタイムに描いた隠れた名作。半信半疑だった電話に信憑性が増していく恐怖、徐々に広まっていくパニック、そして恋人に会えないもどかしさが渾然となって押し寄せてくる。素晴らしい逸品。
公衆電話からかかってきた間違い電話を偶然にも受け取った青年は、電話口から50分後に核ミサイルの秒読みが始められ、核戦争が始まってしまうと告げられる。長年観たいと思っていた作品のひとつで、パニック映画の隠れに隠れた名作。設けられた時間制限の中で常にフォーカスが当てられているのは一般市民の行動であり、ミサイル発射まで時間がないのにモタモタする主人公に募るイライラと緊迫感がとてつもない。それに反して嘲笑うかのようにちらちらと目につく時間表示がまた過度の焦りと緊張を生み出す。