加藤泰監督の観る
明治30年ごろ。貧困農家の娘
お絹は洲崎新地の遊郭に売られ
て。たちまち評判になるがある
日甚五郎という名の客が
脚本 佐治乾
不当な手口で女郎から骨までしゃぶり搾
取し続け…
今まで遊郭を題材にした映画は複数見たけど、「吉原炎上」にしろ「陽暉楼」にしろ他にしろ、きらびやかな傾城、花道を歩く花魁道中の裏側の情念とどろく男女の色恋、綺麗にコーティングした陰湿さ、そこにひと垂ら…
>>続きを読む女の園を描いた作品の多くはその中での戦いに重点を置いたり、苦しみをフューチャーしている。まさに苦界。
が、これは違うんです。
セオリー通り「救世軍」が出てきます、もちろん足抜けや殺人事件も起きます…
1900年の洲崎遊郭に売られた田舎娘を描く1966年作。楼主に難癖をつけられていつまでも減らない借金。主人公は廃娼運動のビラから必死に知恵をつけてゆく。
なぜ娼妓を描くのか、どうやって描くのか?
…
このレビューはネタバレを含みます
なんて爽やかなラスト。
遊郭の搾取構造がむごくて、このまま骨までしゃぶられる映画なのかとどんよりしたけれど、そんな絶望をひっくり返す素晴らしい映画だった。
お絹の度胸と生きる力に、パワーをもらえる。…