『お国と五平』(1952) @シネ・ヌーヴォ 初鑑賞。谷崎潤一郎の戯曲を成瀬巳喜男が映画化。敵討ちを絡めた三角関係が面白い。ただ、武士道や男の恋慕を外連でなく繊細に描くと浅薄に見えるという、この手の…
>>続きを読む谷崎潤一郎の原作は映画版の最終場面だけの一幕物らしい。成瀬による映画版はそこに至るお国(木暮実千代)と五平(大谷友右衛門)の道中を念入りに描く。旅芝居、浄瑠璃、盆踊りといったさまざまなパフォーミング…
>>続きを読む蚊帳、襖、その日本的な情緒に満ちた境界線の確かさと脆さ、そしてそれを超える瞬間。とにかくめちゃエロい。大谷友右衛門の年下男感もイイ。死に際、いい感じの二人を前にし最後の悪あがきでごちゃごちゃ言い出す…
>>続きを読むこのテーマならもう少し描き方があったかも?と思いつつ、小林正樹の様に大スペクタクルには描かないあたりが成瀬の慎ましさで哀しさでリアリティなのかなとも。
そしてちょっとずつ滑稽に描くのも人間の可愛さで…
1952年製作公開。原作谷崎潤一郎。脚色八住利雄。監督成瀬巳喜男。劇場のチラシでは、/夫の仇討ちのため復讐の旅を続ける武家の後家と奉公人。いつしか二人の間には主従を越えた愛情が芽生えるが、そんな折に…
>>続きを読む男が皆キモくて笑った。仇討ち旅の序盤の夜、襖を挟んだ会話のそれと分かり難い切り返しはあれ間違いでないのか?ただその直後襖を開けるのを躊躇う五平の影が良かった。それと、くじいた足に触れる手と、蚊帳の中…
>>続きを読む成瀬の企画による作品だが、時代劇の難しさに直面したようだ。
お国(木暮)は山村聰と愛し合っていたが、生活力がなく、田崎潤の妻となる。起こった山村は田崎を闇討ち、出奔する。木暮は奉公人の五平(大谷友右…
欺瞞に切り込む気鋭の時代劇、さすが文豪作品の映画化。
「武家の寡婦が仇討道中に出る」という設定には意表を突かれた、実際にこのようなことはあったのだろうか?
ホトトギスの春、盆踊りの夏、そしてススキ…