ジャック・ドワイヨン監督『ピストルと少年』(1990)
与えられたはずの愛を探すためにー
ジェラール・トマサンの名演。
ここまで"欠乏"した表情を湛えられるのはすごい。沈黙の中に迷いと期待が混じ…
自分のことしか考えられない少年に歩み寄り、寄り添う。不満と恐れの因果を解すように、他人のことを思いやることの大切さを覚えていく成長。やっと現れた姉という救世主。大したことのない事件ほど、人間味が沁み…
>>続きを読む姉に会いたい。喜ばしい事の何一つ期待できない日々に降って湧いた姉の生存ばなしに寝付けない一夜を波止場で明かして犯したのは拳銃強盗。一万円ばかりふんだくって、ありがとうと言い残せば罪一等軽くなる気も…
>>続きを読むめちゃくちゃいい。とてもヒリヒリしていて、それでいて面白い。プロットはごくシンプルで、監督の追いかけ回すような演出とマッチしていると思う。
冗長だと感じる部分はなくはないけど、ひたすら
“自首する、…
孤独で嘘つきなヒリつく少年と神経質で厚かましいくらいの人情ある警官と初めて会う姉、時々アル中の母親。会話劇が素晴らしいロードムービー。それぞれに皆霧がかったようなやるせなさを抱えていて分かり合うと思…
>>続きを読む少年、刑事、はじめて会う姉、それぞれの個と個の関係性があっという間に上下したり、かと思えば対等になっていたり。車と拳銃と手錠、これだけシンプルなのに最後まで関係がゆらぎ続ける。親からも見放され人生が…
>>続きを読む孤独な少年と刑事、少年の姉の3人による奇妙な関係を息詰まるタッチで描いた上質な人間ドラマ。
主人公マルクの衝動には、危うさと純粋さが表裏一体となって存在している。
家族、夢、将来。
それらをただ…