約束の土地の作品情報・感想・評価

「約束の土地」に投稿された感想・評価

ロラン

ロランの感想・評価

2.5
弟子のズラウスキーの狂気を逆輸入したような映画だけど、『悪霊』と同じく、ワイダにそのような作風は向いていないと思う。映画の終わりに青春の果ての侘しさを感じさせるのはワイダらしい
slow

slowの感想・評価

4.0
決してこのジャケットは、変態が突っ立っているわけではない。

19世紀末のポーランドでは、繊維工業が盛んだった。とは言え潤っているのは搾取する側だけ、労働者達は過酷な冷遇にその日暮らしもままならない。
この状況を打破したいと立ち上がった青年3人の友情と成功の物語。

女性を軽視する発言をし、批判を受ける人っているよね。金持ちとか権力者とか。本作でもその思考を持った富裕層が描かれていたり、従業員を駒以下に扱っていたり。その酷さを前半ではじっくりと観客に見せつける。
劇場で馬鹿騒ぎしているシーンなんてブニュエルの狂気を想起させた。
後半に向けて、青年達の奮闘が描かれる。もちろん簡単にはいかないのだが、何がきっかけで事態が好転していくかわからないもの。しかし、そうなっても転がっていると言うことを忘れてはいけないのだ。

見応えのある社会派映画だったけれど、もう少し3人のエピソードなど見せてくれたらより入り込めたかもしれない。するとさらに長尺に…無理か。
田舎の風景はとかく幻想的であり、町と比べると天国にすら見えた。工場内の様子も迫力があり、町の建物は実際にあるものを利用したそうで、歴史を感じられるのも嬉しかった。

情熱の炎はとても眩しい夢のようだ。しかし、不自然な風がそれを煽っていることも忘れてはいけない。

このレビューはネタバレを含みます

時は19世紀末、産業革命の波と資本主義、富裕層と労働層、天国と地獄の扉は今ここに開かれたのであります!

もうね、これ19世紀末が舞台なんですよ。

新しい機械を入れたからお前らは来週解雇だとか、上司の言う事は絶対とか、怪我したらそのまま使い捨てとか

低賃金で日々の生活がやっとの労働者
富を持て余して、毎日がどんちゃん騒ぎの富裕層

映画観ながら、痛いくらいのデジャヴ感を感じ、時折軽いめまいを起こす21世紀の非正規労働者なのです。
人間全然進化していなぁ~い。(@_@;)

そんな悲惨極まる労働者と対比して、自分達が経営者になって変革を起こそうと奮闘する三人の若者。
ポーランド人のカルロ君
ユダヤ人のモリツ君
ドイツ人のマックス君
工場を作る為の資金集めや工場の立ち上げ、時に衝突しながらも目的の元に結束し行動を起こす彼らの姿はまさに青春。

若さっていいな、頑張れ!^^

と応援したくなります。
そして、工場が出来ました、大団円です!٩( ''ω'' )و

と、青春群像劇なら、まぁここで終わるのが筋なんですが・・・。
ワイダ監督がそんな終わり方をさせる筈がない(笑)

ここからです!
怒涛の転落劇が繰り広げられ、カルロ君の身から出た錆で工場は全焼、そして三人は一文無し。
いやカルロ君モテの代償キツイなぁ、だが同情は出来ないと冷ややかな視線(ーー)

だがしかし!
またもや怒涛の展開で、カルロ君達はすっかり裕福層の仲間入り。
カルロ君の引きの良さを感じます。(^^;

でもね・・・
裕福層になったカルロ君達がやっている経営は、旧世代と全く変わらないものとなり、富裕層の支配は続くと言う全く救いがないラスト。

何だろうなぁ
若者の支援を優先しろ、若者が時流を変える
私達、ロスジェネ世代も変革を目指して出世した人達はいます。
でも、その人達のやってる事って、旧世代が行って来た事をそのまま受け継いで来ている事多いですよね。
特定の世代だけで事業や行政を行う時、特定の世代だけで行う事の危うさを、この映画は警鐘しているんじゃないかと・・・非正規労働者はふと思うのでありました。(´・ω・`)

そして、今これを書きながら色々な想いが浮かんでいます。
こう言う映画は、素晴らしい作品だと言う私自身の目安となっています。

これを読んで、興味を持たれた方は是非一度ご覧になって下さい。
ちなみに、私の心を惹きつけてやまなかったのはユダヤ人のモリツ君です。
彼の機敏に富んだ活躍が心を掴んで離さない。
彼きっとデートとか行っても、割引クーポン券持ち出すタイプだ、お互いの割り勘率とかきっちり交渉してくるタイプだ。

そんなあなたが好きですモリツ君!!(≧▽≦)

でも、モリツ君の心はカルロ君のもの。そんな彼の心すら丸ごと恋してしまうぼっちなのでした。(´・ω・`)←腐女子

ここまで、お読み頂きありがとうございました~ヾ(≧▽≦)ノ
chio

chioの感想・評価

4.1
時代背景を知ってから見ると本当に面白かった。
カリーナ・イエドルシックが美しくてそれだけでも見る価値あると思う。
spica

spicaの感想・評価

3.0
長かった。
ものすごく、しっかり作られている大作だと思うが、歴史的背景を知らなかったり、興味がなかったら、ただ長さを感じるばかりだった。
inuatsu

inuatsuの感想・評価

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このレビューはネタバレを含みます

世の中には、持てる者と持たざる者がいる。それをなくすことはほぼ不可能だろうし、そのこと自体は悪いことではないと思う。問題があるとすれば、得てして持てる者は自分の地位を守るために持たざる者から搾取をして抑圧するということである。

多くの場合、若者は持たざる者である。彼らは、同僚など同年代の人々が持てる者から搾取されるのを間近で見る。彼らを作者から救うための方法は、自分が持てる者になり、持たざる者への待遇を変えることだ。そうすることで、憎悪は少なくなり、より人間性溢れた世界が実現できるはず。

しかし、持てる者と持たざる者の間の社会的流動性がない世界で、持たざる者が持てる者になるのは簡単なことではない。持たざる者同士で協力することも必要だが、持てる者やその周りの人間をうまく使うことも大事になってくる。

そこで「他人をうまく使う」ことを覚える内に、持てる者を目指すことは、より人間性溢れた世界を実現するための手段ではなく、それ自体が目的となる。持てる者になった瞬間から、人は自分の地位や財産を守りたいという誘惑に取り憑かれ、逃れることが難しくなるのだ。

成功体験に潜む魔物が、今日もまた保身に走る権力者を生み出し、この世界の搾取の構造を再生産していく。