真夜中のパーティーの作品情報・感想・評価

「真夜中のパーティー」に投稿された感想・評価

シズヲ

シズヲの感想・評価

4.1
「こんなにも自分を嫌わずに済んだら」

ゲイの友人グループが集った真夜中の誕生日パーティー。そこに友人の一人である異性愛者が突然現れ、人間関係を取り巻く均衡が崩れ始める……。それまでのハリウッドでは専らイロモノや倒錯者、あるいは遠回しに示唆される程度の存在だった同性愛者が、初めて率直に描かれた作品とのこと。原作である舞台劇の作者であるマート・クロウリーは元々ナタリー・ウッドのアシスタントだったらしく、彼女からの経済的援助によって執筆へと至れたという逸話が何だか興味深い。

最初から最後まで邸宅の中で物語が展開され、登場人物達の会話劇によって成立している。そういった内容で尺的に約2時間もあるので些か長く感じる部分はあるし、字数が限られる字幕では会話のニュアンスもちょっと読み取りにくいところがあった。終盤の“ゲーム”に至った流れも心情は推測できるが唐突っちゃ唐突。それでも“同性愛者8人+異性愛者1人が一堂に会する”という限定的な構図で描かれた一種の駆け引きや心理描写には引き込まれた。要所要所で浮き彫りになるゲイフォビア的観念や“隠れゲイ”への言及など、今よりもLGBTQが表に出てこれなかった時代の空気感が垣間見える。

借金や失業保険で着飾りながらゲイ仲間に憎まれ口を叩く者、生真面目な数学教師として理性的に振る舞う者、生来の遊び人気質ゆえに恋人を苦しませる者、如何にもオネエらしい態度の裏側で淡い初恋を引きずる者etc……この時代の作品としては珍しく、作中に登場する同性愛者達はみな記号性以上の人物像が掘り下げられているのが印象的。序盤は彼らが自分達を曝け出しながらパーティーを謳歌するものの(それでもマイケルは冒頭の時点で虚無の片鱗を伺わせる)、ストレートであるアランが登場してからは一気に息苦しさが増す。ある意味で一触即発の状況下において、ゲイ達の間にも奇妙な緊張が芽生え始めていく。登場人物らの関係性の掘り下げに加えて監督がフリードキンということもあってか、最早サスペンス的。途中参戦するハロルドの超然的な態度は色んな意味で凄みに溢れている。

終盤の“告白ゲーム”に象徴される同性愛者達の苦悩と葛藤、そしてマイノリティ同士の拗れた想い。皆がそれぞれ抱え込んでいた感情や過去を吐露していく。そんな中で場を強引に仕切り、同じゲイ達の本音や古傷を抉っていくマイケルの歪んだ自尊心が際立つ。同性愛者でありながら敬虔なカトリックというマイケルの矛盾した内面は、彼の中の鬩ぎ合いを端的に示しているようで印象深い。しかし親友から結果的に突き放され、ハロルドの言葉によってルサンチマン的な本質を突かれ、最後はそのちっぽけなプライドさえも崩れ落ちてしまう。泣き崩れてドナルドに縋るマイケルの姿は何よりも憐れで切なくなる。
R

Rの感想・評価

2.5
だいぶ前にWOWOWで放映されたのを録画しておいたのを、ようやく観た。
ゲイの男達が集まって誕生日パーティをしているところに、ゲイではない男が訪ねて来たことから混乱する流れ。要は、この突然やって来た男は、いわば「招かれざる客」。

全編にわたって、ゲイの物語なので、自分にはちょっと理解できない世界であった。
三鷹

三鷹の感想・評価

3.5
40年くらい前から見たかった作品。やっと見られた。
電話のゲームから顕著になる一人ひとりの人物像。舞台演劇を観ているよう。
abemathy

abemathyの感想・評価

3.5
偉そうに嫌味ばかり言う人が一番無理してるんだろうけれど、泣きつける相手がいるんだから羨ましいな。
ドナルドが魅力的過ぎて気が散った。ハロルドが強キャラ過ぎて気が散った。
今年の推し、マット・ボマーがリメイク版の舞台と映画に出ていたので。
まずはこっちかなーって。
(契約してないから2020年版は見られないんだけど)

引くほどキャラ立ちした友人ハロルドの32歳の誕生日を祝うために集まった、マイケルのゲイ仲間たち。
ユダヤ系、アフリカ系、結婚をしていたり、オネエ系だったり、男娼やマイケルの恋人等々多彩なバックグラウンドを持った男たちが真夜中に集まって楽しいパーティーが始まる。
みんなここでは自分をさらけ出せる。
ゲイを隠さなくても、暴行されたり蔑まれたり殺されるような事はないんだから。

そこにマイケルの友人アランが突然訪ねてきたことで、風向きが変わっていく。
ホモフォビア、浮気の定義、美人不細工に隠れゲイ…?
そして始まる最悪のゲーム。


舞台が原作だけあって、ほぼ全編が1つの部屋で繰り広げられる会話劇。
今このまま劇場公開しても全然違和感がないくらいの内容。
リメイク版はもう少し軽く明るく現代的になっているらしいけれど、ほぼ変えなくても大丈夫なくらい彼らを取り囲む環境は変わっていないんだろうなと思わされる。
50年も経つっていうのに。

楽しく始まったパーティーで一緒に楽しい気分になって、一緒にどんどん気が滅入っていく激重ストーリー。
「なんでこんな事になってしまったんだろう」
それしか出てこないって。

色々な立場からの話が聞けて、なるほど…と思ったりそれはしんどいだろうな…と同情してみたり。
愛や恋にゲイもレズビアンもストレートも無いって言うけど、「いや、あるよな」って現実を見るしかないセリフが次々と。


1970年代。
ゲイ役をするだけでもバッシングの対象になって仕事を失うかもしれなかった時代。
それでもこの作品を世に出してくれた監督やキャスト、スタッフ全員の思いを受け止められたらなぁと思う。
リメイク版は監督・出演がみんなオープンリーゲイってことでも話題に?なっていたけれど、今作のキャストさんたちは情報がなさすぎて色々邪推してしまう。


2020年版でマッボマさんが誰の役をやっているのか知らなかったんだけど、ドナルド役のフレデリック・コムズさんを見た瞬間「これだな」って確信するくらいには優しい美人さんでした。
(合ってた)

いつ契約しようかな〜
同じ空間で繰り広げるゲイの話

12の〜の様に会話で広がるストーリー
おもしろい


一括りには出来ないゲイの人間模様
 ゲイの男達によるゲイ仲間のための誕生日パーティーにストレートの男が1人やってくる。そして電話ゲームをすることによって状況が変わっていく...

 パーティーがメインの舞台でロケーションは変わりません。それぞれの過去などが電話ゲームによりあらわになります。
一言で面白い映画というより、興味深い映画という方が正しいですかね。自分の親父は60を超えていてLGBTQに全く関心がなく、むしろセクシャルマイノリティを精神障害の一部と思っているので...この映画の時代でゲイとして生きることがどれほど辛いことだったんだろうか。彼らの辛い思いが画面を通してヒシヒシと伝わります。
 
 自分の好きな人がストレートじゃなくゲイであって欲しいと強く思うから、感情的になってしまう。そんな自分が嫌い。なんだか切ないストーリーなんです。
メッシ

メッシの感想・評価

3.5
ゲイ仲間の誕生日パーティーのドンチャン騒ぎ。

ワンシチュエーションでゲイであるというだけで、あとは喋り捲って怒って泣いて笑ってだけなんだけど面白い。

ストレートな感情をぶつけ合うからなんでしょうね。

終盤の騒ぎはノーマルな彼は実はゲイってこと⁇

主役が後半急に意地悪で詰め寄りキャラに豹変。そりゃ〜嫌がられるわ〜なラストはなんだか可笑しい。

ともかくエネルギッシュなおしゃべり夜会。
パーティのなかの会話から愛について、嫉妬や自己否定が露になり、最後の言葉と繋がる。人間の弱さ。。こうなってしまうよなという心の脆さ。
2020年のリメイク版(https://filmarks.com/movies/92711/reviews/101005608)よりも、こっちの方がいいかも。

やっぱ元の話が面白いんですね。

1968年に同名舞台があってヒットして
1970年に映画化(それがこの映画)。

2018年に新キャストで舞台が再演。
2020年に2018年のキャストで映画化。邦題は『ボーイズ・イン・ザ・バンド 』。



**


2020年版を先に見て
ラストはたぶん違うだろうと思いまして
確認の意味で1970年版観ました。


2020年の方がラストが長いですね。
ひとりひとりのその後が描かれてる。

1970年版はその前に終わる。

一応ラストのことなので、ネタバレはコメント欄に!



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あと1970年版ではピザの配達人がパーティーの様子(男たちがワーキャー騒いでる様子)を聞いて「うえ、こいつらオカマ??」っていうリアクションをする。

2020年版では、他にもストレート夫婦や家族などが部屋の様子を怪訝な表情で見る、というシーンが差し込まれます。

2020年版の方が、ストレートの圧力ってのをさりげなく繰り返していて、これは良い追加だと思います。

石投げられたり殺されたりしないところにも差別はある。

「石投げられないし殺されないからこの国には差別がないんだ」と思ってる人がほんとに多くいるということがここ数日でわかってしまったので、、この描写にはものすごく意味がある。



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1970年版も2020年版もほとんど同じ。
セリフまで同じ。

もとの舞台のセリフや構成やキャラクターが面白いからってのもあるだろうけど

50年前のものをそのままやるってのは
かなりの意思があってのことでしょう。


推察するに
「50年経ってるけど、、そんなに変わってなくない?50年前のセリフ、刺さっちゃわない?」
ってことでしょうね。


ここ50年で進んだ進んだ変わった変わったと言われてきたし
そう思っていたけど、、、

50年前の話をしてそのまま2020年にやって、、
おんなじメッセージ発せちゃうなんて、、
変わってないことを証明しちゃってんじゃんね。。。。



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1970年版の方がスリリングでスピード感があって面白かったですよ。


カメラワークも2020年版より舞台感が少ない。
舞台の映画化というよりは、ちゃんとワンシチュエーションの映画として観れました。



1970年版を観ちゃうと
2020年版はなんかほのぼのしてたんですよね。。


それは画面の明るさとかもあるだろうし
あとはキャストがスター過ぎたんでしょうね。。。


1970年版のキャストにも
ゲイを公表した俳優さんがいたようなのですが
当時失職する覚悟で臨んだ役なわけです。

その切実感、命懸け感が1970年版にはあったし
これはこの映画には必要な要素。


マイケルが悪魔化していく様子とか
アランが電話をかけるシーンとか
結構なサスペンス演出でかなりハラハラしました。

ハンクには泣かされるし。



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ま、
後半の電話ゲームがずっと怖すぎるとか
ラストに救いがなさすぎるとか
の問題があるので
2020年版では調整したのだろうと思います。





ラストネタバレについてはコメント欄に。
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