リチャードを探しての作品情報・感想・評価

「リチャードを探して」に投稿された感想・評価

Hawkwind

Hawkwindの感想・評価

2.5
シェイクスピア原作による『リチャード三世』という、存在しない映画の長尺メイキング映像だけ作りましたといった趣の作品。
主演、監督はアル・パチーノで、アクターズ・スタジオ時代に舞台で演じたという発言から、その頃から温めてきたアイデアかもしれない。
シェイクスピアを分かりやすく解説したいという意図もあり、なかなか斬新なアプローチである。原作を理解した上での鑑賞が望ましいかも。
本読みの様子がすごいと聞いて観た

たしかに本読みの勢いもすごいけれど
ただ単なる感情とかではなく、客観的にそのキャラクターの立場を理解して演じている視野の広さが、大人の役者という感じがした

パチーノ自身はあまりおおっぴらに意見を言わないけれど
自分を役にしていくプロセスが垣間見れました

キャップをかぶった現代のパチーノと、
衣裳をつけたパチーノが同じ役として見えるシーンが面白かった

シェイクスピアをわかりますか?と街角で人々に聞いていくのだけど、
はっきりと自分の意見を言えていた人は、
意外にも建設現場のあんちゃんだったり
ホームレスの人だったり
そんな人がいることがニューヨークなのだろうか

大好きな美術館クロイスターズが出てきたのも嬉しかったです

アルパチーノは本当に役者としてたくさんのスケールの人生を味わえる人なのだ
だからキャラクターが真実味とスケールを持って見える

セントオブウーマンしかり、リチャード3世しかり、こちらに準備のできてない状態ですら惹きつけられてしまう
ただの変人や極端な人物に見えがちなキャラクターの中に、
人間としてのスケールを表現できるのは本当にすごいと思います

ぐぐっと、そのキャラクターが人ごとでなくなる
その解釈、ポイントを見つけるのがやはりメソッド的な演技の醍醐味だと思うし、
確実にアルパチーノはその体現者なのだと思う
同じ時代に生きていて光栄です

またこのドキュメンタリーを撮りながら、
出てくる人たちがこのドキュメンタリーの意義を言っていて、
これは、シェイクスピアという知的財産を担うのが大学の教授ではなくて、役者なんだということを言うドキュメンタリなんだろう?
とか、
あとなんか誰かもなんか言ってたんだけどそれは忘れちゃった
面白いことだったんだけど
この人たちはそう聞いて、それをモチベーションにこの映画に協力したんだ!と
役者というものがいかに不安定で軽視されているか、というフラストレーションも見えます

そしてそれに対して、アルパチーノは、
役者はもちろんそうだけど、大学の教授だってひとりの意見を持つ権利がある、
と弁護していたのも、この人ならではのフラットな視点を見れて素敵だと思った


それから、
誰にでも節度、良心による限界がある
それを知ったリチャード3世
使い捨てられていく周囲の人間
結果的に自分には完璧に人間性が欠けてい多ことを知ったリチャード3世は
今まであまりに自分を憐れみすぎて、気づかなかった
でもそんな自分でも、権力を握った今、自分ですら自分を憎んでいる
そこからむくりと起き上がるリチャードにぞくぞくするものを感じました
そして最後の言葉、
馬をくれ、国はくれてやる
うーん

この戯曲自体の面白味も味わえたし、
役者たちの営みが、
へんな遠慮(イギリス人じゃないしとか)とかもない状態で
全頭、全身、環境、知識、相手、議論を使ってどんどん真実味を持っていくこと
そんな風にして作り上げた場も、
余興が終われば消えていくと
以下はシェイクスピアのいいことば

もはや余興は終わった
演じていた役者たちはみな妖精で、
淡い空気の中に溶けてしまった
儚い幻の世界と同じく
雲に届く摩天楼も
贅を尽くした宮殿も
荘厳な寺院も
地上のものはすべて
溶け去るのだ
こつ然と消えた幻のように
霞さえ残さない
人間は夢と同じ存在だ
われわれの一生の仕上げは眠りなのだ
CHIHIRO

CHIHIROの感想・評価

3.0
学校の授業のために鑑賞。
アルパチーノってすごい演技力だなと。
ボランティア出演の人が多いって聞いてびっくりした。
さと

さとの感想・評価

3.7
アルパチーノを中心とした俳優さんたちが、シェイクスピア「リチャード三世」の映画づくりの過程を描くドキュメンタリー。

俳優さん同士が意見を出し合い、それぞれがリチャード三世についての解釈を話し合うところが興味深かった。
シェイクスピアの解釈と説明を交えながら映画としてのリチャード三世が進むのでとても観やすかったし分かりやすかったです。

シェイクスピアについて一般の人の意見や専門家の意見もあり、時にはアルパチーノが路上で出会った一般人にシェイクスピアについて質問するシーンもあったりして楽しめました。
dude

dudeの感想・評価

3.5
『リチャード三世』を劇映画としてやりつつ、その舞台裏や研究者へのインタビューなんかも取り入れたドキュメンタリーと半々の変わった作品。シェイクスピア入門な感じでもあり一種の青春映画のようでもあるが、(役のイメージのわりに)まともそうなアル・パチーノの真面目な姿勢が最後まで続いたなという印象で、味気ないと言えば味気ない。まあしかし彼が好きで仕方ないという人からしたらこんなにいい作品もないのではなかろうか。
映画としてはうーん、評価が難しいですね。
アルパチーノという人物を用いてシェイクスピアに興味を持たせる、という意味で成功しているのではないでしょうか。
白

白の感想・評価

4.0
中世的悪徳の体現者リチャードが如何なる代償を払っても権力を手に入れようとする欲望を描くが、その過程はまるで楽しんでいるように見え、語りの切り口はまるで喜劇である
リチャードの悪徳には反感を覚えながらも、その人物像(悪の権化でありながら、ユーモラスもある)にはついつい惹き込まれてしまう
アンへの求婚のシーンの演出が素晴らしいのと、リチャードの最後の台詞「国をやるから馬をくれ」のアイロニー性が改めて興味深い

ハムレットよりも上演回数が多いとされるリチャード3世を題材にまるで劇中劇のような手法を用い、役者自らがシェイクスピア世界の精神に迫る
彼らの本気の熱意がスクリーン越しに伝わる
Y

Yの感想・評価

3.9
最後の I love the silence になぜかグッと来た。
新しいタイプの映画で新鮮、なかなか引き込まれた
Togusa

Togusaの感想・評価

4.8
あまり知られていない作品かも知れないが、とても、俳優によって作られたとは思えない名作。
本編は、劇中劇の形を取られており、シェークスピア俳優のインタビューが、挟まれている。
パチーノ自身、映画ではなく、自分は、演劇俳優だと公言しているが、その理解は、さすがである。
劇からインタビューへの切り替えの回し方も巧みである。
全編、緊張感に包まれ、演出力も、優れている。
非常に、残念なのは、パチーノは、家族愛もあり、家族第一に据えており、次なる監督作を、なかなか取ってくれないのである。
TONNY

TONNYの感想・評価

4.3
アルパチーノがシェイクスピアの戯曲
"リチャード3世"について,
様々な角度から見てみようといったコンセプトで撮った初監督作品のドキュメンタリー映画

シェイクスピアについては知ってはいるけど
取っつきにくい,
古典英語の比喩表現の多さや時代背景に
ついていけない,
などといった理由で敬遠している人たちに,
アルパチーノが"こんな感じなんだぜ!"
といったとてもフラットな姿勢でこちらに見せてくれるので面白い

普段あまり見ないドキュメンタリー系のものだったが,そこはやはりアルパチーノ,
わくわくさせてくれる映画だった,,,
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