成瀬巳喜男監督作品では、「朝の並木路」「まごころ」と同系列の爽やかな後味の名作の一編で、長女年子香川京子の、母福原正子への親子愛を綴った語りによる、大森近辺の商店街に父良作三島雅夫が苦労して開店した…
>>続きを読む戦後の厳しい環境で生きてきた日本の母親の姿。
現在では考えられないような不条理や理不尽を母は母なりに子は子なりに受け入れて生きていくしかなかった時代。
日本の原風景とは、当時の建物や暮らしのこと…
妹の子を育てながら自分の子は手放さざるを得ず、夫と子どもが立て続けに死んでも泣く余裕のない「おかあさん」達が戦後の日本でどれだけ必死に毎日を生きたことか。個人的に好きな田中絹代の眉間から、今回もそん…
>>続きを読む昭和20年代後半と言うのはこんな生活をしていたのだと思うとあまりにも気が遠くなるようだ。
おかあさんは息子、夫を病気で亡くし店を立て直す。貧しく着物を売ったりしているのに妹の子を預かり、次女を子の…
この世界には「おかあさん」という生き物が存在していて、彼女たちはその役割が故に不自由になり自分のことをおそろかにし家族のために尽力する
その役割を担った女性の描かれ方の、田中絹代のなんて健気で繊細で…
不幸は重なる展開、それでも残された女性の頑張りと周りの支えによりハートフルなホームドラマになっている
とはいえ、ふと見せる田中絹代の表情の奥行きに想いを馳せてしまう
それでも画面を明るくする天真爛漫…