ワイルド・アニマルの作品情報・感想・評価

ワイルド・アニマル1997年製作の映画)

야생동물 보호구역/WILD ANIMALS

製作国:

上映時間:103分

ジャンル:

3.3

「ワイルド・アニマル」に投稿された感想・評価

ネムル

ネムルの感想・評価

3.0
不器用な男ふたりの騙し騙され友情と裏社会のしあがりと、懐かしいような古くさいような衣をまとっているせいで、キム・ギドクにしては破綻と矛盾が抑制された作品になっている。わりかし真っ当。
そのぶんリラクシンな感じで、ぐだぐだ半分楽しめる。あと鯖。
たむ

たむの感想・評価

3.8
兵役後、画家になりたいキム・ギドク青年は、レオス・カラックス監督作品と『羊たちの沈黙』を観て、映画の道に目覚めたと言います。
パリは特別な地なのでしょうが、韓国映画のど新人の監督がパリで映画を撮ってドニ・ラヴァンさんに出演してもらった、という内容以上に奇跡的なデビュー第二作です。

デビュー作品から荒ぶる暴力と怒りの作品ですが、本作からあるものをそれまで想像したことのない使い方を教えてくれるようになります。

その後のキム・ギドク監督の特徴を支えるアイテムは、本作の凍った魚から始まります。
ギドク監督以外に魚をあんな使い方するなんて誰が思いつくでしょう。

それ以外にもパリの韓国人という疎外感というテーマも前傾化していきます。
孤独と怒りと疎外感が、想像を超える世界観を提示してきますね。
netfilms

netfilmsの感想・評価

3.9
 男は車窓を眺めながら、針金を器用に曲げては、絞首刑のひもの輪っかを作り出し、発車の時刻を待っていた。死に囚われた男は、パリ行きの列車の中でうつろな表情を浮かべている。そこにコンパートメントに一人の若い女の子が彼と対面に座る。リチャード・リンクレイターの『ビフォア・サンライズ 恋人までの距離』のような幸福なロマンスの瞬間に見えるものの、列車がパリに着くと女は待ち構えていたフランス人と熱い抱擁を交わす。何かを期待していたホンサンは失意の中、コイン・ロッカー前でチョンへに声を掛けられる。彼の財布を盗もうと親しみ深い笑顔で声を掛けたその瞬間、それが2人の出会いだった。韓国から来た画家志望の詐欺師チョンへと北朝鮮軍の脱北者ホンサンは、遠くフランスの地で最底辺として暮らし始める。男たちにはそれぞれ心に秘めた人間がいるが、彼女たちは異国の男たちに縛られ、雁字搦めの中幽閉されている。

 レオス・カラックス『ポンヌフの恋人』をはっきりと意識しただろう物語は、パリで暮らす漂流者たちが哀れな夢想をする。まるでヌーヴェルヴァーグの映画のように、パリの街並みを颯爽と歩く2人には、せいぜいマフィアの汚れ仕事しか生きる術がない。屈強なホンサンとずる賢いチョンへとは最強のコンビのように見えるが、組織にとってはただの駒でしかないのだ。いかがわしい覗き部屋で乳首を見せる運び屋も、公共の場での白塗り全裸で不法滞在の糊口をしのぐハンガリー人も、パリの華やかな美しさの陰で幽閉された陰の存在でしかない。針の筵のような袋小路に置かれた4人の運命は、残念ながら破滅しかない。腹を貫く魚のイメージは、真っ先に北野武『ソナチネ』のモリに射抜かれた魚を思い出した。かりそめのブッチ・キャシディとサンダンス・キッドは、ギドクの初期の重要なモチーフとなる手錠に縛られながら、パリの街並みにひっそりと消え去る。底辺に暮らす男たちを待ち構える儚さが容赦ない。
一

一の感想・評価

3.2
キム・ギドク監督の長編二作目

おいおいギドクの映画にドニ・ラヴァン出てたのかよ…
しかも二作目で…
正直これがこの映画一番の衝撃ポイントだった

パリが舞台となっているため、メインの役者も韓国人は三人のみで、いつもとは少し空気感が違う感じ
それゆえいつものギドク節は少なめで、白塗りの美女などが出てくる為どこかアトリエ的な雰囲気すらありました
と言っても後半にかけてギドク感がみるみるうちに湧き上がってくるので、徐々に釘付けになれたし、もちろんハッピーエンドはない

犯罪の世界にどっぷり浸からされる堕落的なストーリーの中で、二人に熱い友情が芽生えていく様はグッとくるし、その男臭い感じが良い

前作かつデビュー作でもある『鰐』でも、同じように水中で男女が手錠で繋がっているシーンがありましたが、それにかなり近い演出が本作にもありましたね

これまで観てきたギドク作品に比べると、それほどノレずに正直微妙だった感は否めないけど、ファンなら観ておくべき一本でしょう☝🏻✨

〈 Rotten Tomatoes 🍅-% 🍿29% 〉
〈 IMDb 6.2 / Metascore - / Letterboxd 3.0 〉

2020 自宅鑑賞 No.454 GEO
ゴリラ

ゴリラの感想・評価

3.0
キム・ギドクの監督2作目の映画

初監督作のつもりで観てたら、初監督作は『鰐』だったか…
鰐もワイルドなアニマルだから混同してしまった…ややこし

1997年の作品だから、自分が観た韓国映画のなかでも最も古いものになる
とはいえ、この時代のの韓国映画はどうこう言えないな…
だって時代関係なくキム・ギドクはやっぱりキム・ギドクなんだもん!

全編パリロケ
キム・ギドクは映画監督になる前に絵画の勉強のために渡仏しているから彼自身の経験からくる部分もあるのかな?

ストーリーは意外と普通…よりかな?
序盤しゃべらないキャラまた登場か!と思ったら途中からバンバンしゃべってたわ…
ただ恋する相手とはやはり会話がないのね
歪んだ愛情表現は健在
ガラス越しの関係性といい『悪い男』にかなり近い

そして、キム・ギドク節がはっきり出たのは何といっても凶器のアレでしょう!
それで殴るの!?
んで、それそっちから刺したのね…
まさかの“向き”に吹き出してしまったわ

いいヤツ過ぎるチャン・ドンシク
最初『ブレス』の人かと思ったら違った
そしてゲス野郎はキム・ギドク作常連のチョ・ジェヒョン
キム・ギドクは鼻が高い役者さん好きだなぁ


初期作のせいかキム・ギドク節全開な作品ではないが、とりあえず凶器のアレみれたから満足かな

このレビューはネタバレを含みます


・友情、裏切り
・パリの裏社会
・全身ペイントの女
・船のアトリエ
・凍ったサバ
・袋に入れられて海に落とされる
・復讐

2020/01/21
芸術の都パリを舞台にしたギドクにとって2作目の長編作品。
ドニ・ラヴァンを出演させている事からも分かる通り、デビュー作同様カラックス『ポンヌフの恋人』に強く影響されている。
監督は90年頃単身パリへ渡り数年間路上画家として生計を立てていたそう、その時に見た光景や経験が後の作品(取り分け本作には強く)に投影されている。
デビュー作『鰐 ワニ』と似た様な水中シーンが終盤に有り演じる役者も同じ、やはり水の表現が素晴らしい。
にわかには信じ難い衝撃的なシーンが本作にはある、それは冷凍の鯖を使った殺害シーン。
カッチカチに凍らせた魚は凶器になることが証明された、その余りにも斬新でシュールなカットはある意味必見。
プロットは散漫で他作品と比較すると世評通り一段落ちるが、先述した通り監督の実体験が如実に投影されている為ギドクを語る上では外せない作品である。
ヴレア

ヴレアの感想・評価

3.7
ギドクファンなら必見!2作目にしてギドク作品の方向性というものが既に決定付けられたかのような内容で実に興味深い。一般的には失敗作の烙印を押されたようですが、ギドク自身は1番好きな作品だと語るように、かなり思い入れのある映画だというのが伺えます。
テーマとしては南北統一の願いというのが1番のテーマになっているようで、画家を目指す韓国人と脱北者の元兵士による2人の男の友情が描かれます。ギドク映画には珍しいお調子者の主人公が実にコミカルで良かったですね。80年代あたりの香港映画に出てきそうな感じの主人公です。全体的に映像や音楽も安っぽいのですが、随所にハッとさせられるようなセンスのある画が出て来るので油断できません。白塗りの活人彫刻パフォーマーとか如何にもギドクだなぁとニヤニヤが止まらないです。それと、やはり鯖ですねぇ。あの使い方にはやられました。

最後にまとめますと、全体的に粗削りながらも随所に光る場面があり、後のギドク映画に通じるようなテーマ性も多く含んでいるので見逃せない初期の佳作といった所でしょうか。
顔夕

顔夕の感想・評価

3.0
食べ物関連の描写がおもしろかった。家の冷凍庫に凍った鯖が入ってるっていう状況がすでにおもろいのに、その鯖を使ってもっと面白いことやってて笑ったw

このレビューはネタバレを含みます

ほどよいB級感がとびきりクールだったと思う。
ただ、公園の彫刻を削るのとサバで刺殺するのはいただけない笑
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