新文芸坐の伊藤大輔特集にて。伊藤大輔は『王将』と脚本作を数本観ていましたが、これは初見。
父親を殺された武士の結城新太郎と、奴の訥平は敵討ちの旅に出る。しかし、途中病気となった新太郎はある城下町で…
新東宝、モノクロ、時代劇
出演者
田崎潤、片山明彦、瑳峨三智子
小澤栄、岡譲司、三井弘次、高田稔、浦辺粂子、丹波哲郎
【内容】
現代、線路沿いに雨ざらしで忘れられたように佇むお地蔵さんが語る「10…
これは面白い。
地蔵が「その昔この場所では」と語り始める物語の導入がそもそもすごく好み。
淡々と話が進み嫌なノイズになるようなところがない。
下郎に恋するお市が可愛くて、最後も手を繋ぐというより、手…
列車が通るローカル線の一隅の地蔵。「私はその出来事を見ていた」と、回想が始まる。伊藤大輔1927年「下郎」のリメイクで、63年「この首一万石」と三度映画にしている。伊藤大輔は「王将」のように、納得で…
>>続きを読む下郎が下郎に生まれついたことに端を発する、回避不可避な悲劇。田崎潤の忠義一途なカタブツっぷりが可笑しくて、だからこそ社会の理の中で死に至ってしまう道程が無情に浮かび上がる。
悪について考えさせられ…