新・女囚さそり 特殊房X(エックス)の作品情報・感想・評価

「新・女囚さそり 特殊房X(エックス)」に投稿された感想・評価

三代目の夏樹陽子は黒眼鏡がとても似合う。
二人の看守に挟まれた手錠姿の女の顔にカメラが寄ると、まさにこの女が「さそり」なのだと説得されてしまうような、芯の強さが感じられる風貌だ。
今回のさそりはグラサン女子か!と思って期待してみていたのに、すぐとってしまうのが残念。だが、後半の脱獄シーンで、鎖で繋がれた地井武男ととも、水に浸かり荒れ地を転げ落ち山越えをする体当たり演技には拍手喝采。このアクションを演じるにあたってメガネは邪魔だったのかもしれない。
この後半の大見せ場での、徹底した娯楽アクションへの舵切りは概ね成功しているが、刑務所内での仕打ちに耐える前半部は、甘いマスクの美人女優が強がる様子をみていると心配になってしまう。
沈黙していながら常に怨念を放ち続けるような、刑務所という場所そのものに溜まった澱みを一手に引き受けてゆくような、そんな強さは感じることができず、場違いのお嬢さんがいるミスマッチさだけが際立ってしまっていた。
「さそり」シリーズは、どうにも梶芽衣子のイメージにとらわれすぎているようで、多岐川裕美版のさそりもそうだったが、初代の出で立ちを意識しすぎて、その演者の個性を引き出せていない。
本作も同じで、お馴染みの服装でドスをきかせようとしても、撫で肩にモデル風美人の顔立ちでは、どんなに凄んでも可愛らしく写るだけだ。
私は「さそり」という映画を女の負の集合体だと捉えている故に、何人もの女優がその時々で違った「さそり」を演じていくべきだと思っている。オリジナルを再現するよりも、今、演じている人の魅力の部分を最大化してほしい。
ダンディ鷹山がサディスティックな看守を演じます。織本順吉がバナナを食べて腕立てし、やる気満々。地井武男が珍しくいい人役です。
クールビューティーな夏樹陽子さんは「さそり」に適役。

ある秘密を知った為に恋人を廃人に、自分は刑務所に送られるヒロイン。そこは狂犬刑務官、地井武男が君臨する恐怖の花園。怖いよ…こんな公務員…嫌だよ…
更に何だかんだあって、今度はアウトレイジ刑務官、舘ひろしが赴任。常にサングラス&ライフル銃片手w
今回の「さそり」は務所内、脱走後とアクションが豊富でロケも効果的。悪役も味のあるキャラでクスッとするシーンもある。

夏樹陽子さんは「この役に対する思い」を監督に手紙を書いたそう。セリフは少ないが目ヂカラでアピール。水責め、拷問等身体もはって頑張ってます。
唯一、黒ハット姿の顔は他の「さそり」女優さんに比べて、あまり似合わない気がした。
政界の黒幕の暗殺計画のことを知らされた看護婦(夏樹陽子)が、濡れ衣を着せられた恋人の敵討ちを胸に秘めたまま、冤罪により収監されてしまう。東映「女囚さそり」シリーズの第6弾。篠原とおるの漫画「さそり」が原作。

3代目となる夏樹陽子が主演を務めて、シナリオ構成を大幅に改編してある、リメイク作の位置付け。ファッションモデル出身者である夏樹陽子の役作りがポジティブに働いており、梶芽衣子の雰囲気を適度に引き継いだかたちでの、「新さそり」を完成させている。短いカットながら、きちんと乳房を露出させるし、眼力も備わっている。

シリーズの新要素としては、刑務所側の不正に感づいた看守(地井武男)が、さそりと手錠でつながれた状態で、逃走劇を繰り広げるという展開が用意されている。この対照的なコンビがとても魅力的であり、二人が一緒に行動を続けるうち、恋愛感情とは別の、男女間の「友情」が芽生えてくるところに感動を禁じ得ない。ちなみに、二人を執拗に狙う悪役を演じているのは舘ひろし。

ステレオタイプ化されていた悪役たちが、妙に人間臭くなっているのも見どころ。刑務所長(石橋雅史)と国会議員(織本順吉)のやり取りは、異質ともいえる息抜きポイントになっている。さそりの下腹部の近くまでスリットが入っているコスチュームがセクシーだが、ラストの8分間ぐらいしか拝むことができないのが心惜しい。