国家や英雄といった言葉が、個人の命をどれだけ簡単に踏み潰すかを静かに突きつける映画。
感情を煽らず、説明も最小限に抑えた演出が、逆に処刑という行為の理不尽さを際立たせる。
歴史の大きな物語よ…
《炎628》のエレム・クリモフ監督の妻でもある女性監督ラリーサ・シェピチコの脚本&監督作品
一面真っ白な雪で覆われた森の中…フレームの外から聞こえてくる銃声…戦況の恐ろしさが近づきます
19…
荒く呼吸する音と凍りついた眼差し。吹雪の荒野をさまよう。咳き込んで足を撃たれて姿勢を低くしたまま白くまみれて引きずっていく。女子供老人傷病者であれ躊躇なく順番に首へ縄をかけて吊るす。隣の足場は外され…
>>続きを読む映画は、第二次世界大戦下の厳しい冬のベラルーシを舞台に、パルチザン部隊の兵士2人が食料調達の任務で占領下の集落へ向かうところから物語が始まる。彼らはドイツ軍に捕えられ、極限の状況下で人間としての尊厳…
>>続きを読むこのレビューはネタバレを含みます
第二次大戦下ドイツに捕えられた2人のパルチザンの姿を描いた戦争映画の名作。
死ぬも地獄、生きるも地獄。
無為な戦争の時代に巻き込まれた世界を、2人の兵士をもって描きます。
あまりにも巧みな構成と…
基本画面の外の存在だったドイツ軍(野原での戦闘では基本的に音だけ)が目の前に現れてくる時に、映画としてはもっとも緊張の高まる屋根裏のシーンがあるのが上手過ぎる。そこから細部が明らかになり赤軍側のイデ…
>>続きを読む理想に生きて気高く死ぬか、生き永らえて罪悪感に苛まれ続け地獄を彷徨い歩くか、或いは利己的に生きるか。究極な状況において初めてその人間の本質が顕れる。
確かな時代背景はあれど、本作はもっとこう、国家や…