夫婦善哉の作品情報・感想・評価・動画配信

「夫婦善哉」に投稿された感想・評価

yukiko

yukikoの感想・評価

3.4
柳吉…弁護の余地なきクズ… 切ないほどにクズ…

蝶子も「みんなウチが悪いねんなぁ」じゃねぇよ…

良い感じの音楽と淡島千景の美しさで、さすが名作、いいお話… とうっかり受け入れそうになるけど、「ダメな男を支える健気な女、いろいろあったけど最終的にいい夫婦」みたいな感じにキレイにまとめられてる感じだけど、2人とも共依存すぎた。
いい映画だけど、痛い…

でも「あの人はウチがついてなあかん」となる気持ちはわからないでもない。
わからないでもないからこそ、反面教師にしたい。

天ぷら屋の蝶子のお父さん(お使いの子にオマケあげるとこから惚れた) と、随所に出てくる美味しそうなものと、かわいい犬猫は好き。
TP

TPの感想・評価

4.0
 自堕落な男に,しっかり者の女が惚れ抜くという「浮雲」に似た内容だが,こちらは喜劇調の作品である。
 話の展開に特に変哲はないが,柳吉役の森繁と蝶子役の淡島の演技が素晴らしい。
 いかにも放蕩に育てられたぼんぼんを森繁は軽妙に演じ,しっかりもので甘えん坊で、自堕落な柳吉に惚れたこと以外欠点らしい欠点もない母親として,女として理想の姿を淡島は可愛く,美しく演じた。
 二人が30を過ぎて子供のようにじゃれあう姿など、見ているこちらが恥ずかしいというか,ほほえましいというか…

 登場人物が実に個性的で楽しい。特に子汚い小さな天ぷら屋をやっている蝶子の両親がとても良い味を出している。役者達の生き生きとした演技が見ているだけで楽しい。
こんな男のなにがいいんだって感じですよね。
けちょんけちょんにされてる森繁さんがおもしろい。
にごりえと同様きれいな淡島千景さん。この人は白黒がいい。
よくあるダメ男と嫌いにならない女の話は昔からある。
原作はもっとマイナー系で、蝶子は芸者と侮られてひたすら意地になる気の強い女だし柳吉もダメというよりクズ男だが……、この映画だと森繁と淡島千景のコミカルでキュートな演技で、なんだかスイートな話に思えてくる。
こういう愛嬌とハートウォーム感は、この時代の大阪が舞台ならではかな。
熊太郎

熊太郎の感想・評価

4.2
森繁久彌にすっかりハマってしまった。

若かりし久彌、なぞの色気がある。
すれっからく世間慣れしているようで計画を立ててはいちいち失敗する。はぐれ者の根っこにあるいじけた純情。ズルサをおぼえた赤ん坊のようなオダサク的ダメ男がはまってる。

道楽息子の柳吉(森繁久彌)とヤトナ芸者の蝶子(淡島千景)の色っぽさとチャームで見ごたえ充分だった。寝間の誘い?シーンもそうだけど映画の見えていないところから関係の艶気が溢れ出ているような。
「ええやないの、二人で濡れて行こうやないの」

バディ映画としても破茶滅茶にかわいい二人。
ずっと見ていたくなる。チョイ役の浪花千栄子や山茶花究の存在感もパンチが効いている。

騙される莫迦、蝶子の「うちはホントだって信じたいもの」「うちはアホや」という台詞にああ賢明な人やなあと思う。知性があればこそ、莫迦になり、結果、自己犠牲を厭わない。



川島雄三『暖簾』でも女が男の椀にうどんの具を放り込んでいたけど、ここでもぽやーとしている男の皿に女が具を放り込んでいた。生活の細部に宿った大阪の女の可愛らしさよ。
私は人生の作品の一つに市川準「大阪物語」を入れている者なのですが、今作を見て大阪物語がこれをかなり下敷きにしていることがわかった。途中のセリフ「道も忘れんでよう帰ってきたな」は関東煮(かんとだき、で変換できないのがもどかしい!)を作るシーン。そして何と言ってもメインテーマがそっくり
1955年にしては/からすると、な演出面、普遍性、(森繁の貢献大な)今っぽさにおいては、かなり出色のもの

音楽、良
大正時代の大阪。人気芸者の蝶子は安化粧問屋の若旦那・維康柳吉と出会い、恋に落ちる。柳吉には妻子がいたが駆け落ちして東京に向かうが、奇しくも関東大震災に見舞われ蝶子の実家に戻ることに…。

森繁久彌さん、淡島千景さんの代表作の1本。しっかり者の妻と、気は優しいが風来坊で身勝手なところがある夫の悲喜こもごもを描いた名作。まるでハワード・ホークスのスクリューボールコメディのようなテンポが良くて笑える2人の掛け合いがとにかく最高。たいていの場合、蝶子に怒られて「痛い痛い~」と柳吉がグダグダ言ってるだけなのですが(笑)。
楽しい場面もありつつ、なかなか苦労が絶えず貧困にあえぐ2人。必死に働いても、すぐに賭けごとや酒にお金を使ってしまう柳吉に耐え切れず、いつも笑顔な蝶子が涙を見せることも。森繁さん扮する柳吉は絵にかいたような”だめんず”なのですが、どこか憎めない愛嬌があって、蝶子が恋に落ちるのも何となくわかるような気が…。でも蝶子のことを「オバハン」って呼ぶのはいただけない!(怒)

ほのぼのとした映像の中に、何とも言えない悲哀だったり、喜びだったりがある、昭和の味のある秀作でした。
tych

tychの感想・評価

4.3
1955年作品、モノクロ 121分。 大正末から昭和初期の大阪。しっかり者の芸者と問屋のドラ息子が駆け落ちする。息子は実家から勘当されるもボンボン気分が抜けない。そんな男を支える芸者の素晴らしさ。当時の風俗描写や、森繁久彌、淡島千景のコンビ振りが見事な傑作。
>|