学生野郎と娘たちの作品情報・感想・評価

「学生野郎と娘たち」に投稿された感想・評価

当時の日活の人気者を集めて、当世大学生気質をコメディとジャズな音楽にのせて描く。この辺は中平康チックだ。でも今も昔も変わらない三流大学生の生態と貧しいがゆえに転落する芦川いずみとなんともとりとめがない。取り止めがないのがいいところかもしれないが、ちょいと個人的についていけない。学長に向かって学費値上げを批判するところは、うーん変だ!
中平康の群像劇。つまらなくはないが同じく群像劇の『誘惑』より下手になってないか?カメラ構えた記者が大勢いるショットだったり、浜辺のショットだったり中平所々フェリーニ(『甘い生活』)意識してるのか?中平作品常連の中原早苗はめちゃ良い。やっぱり中平の映画を支えてたのは間違いなく中原早苗。
一方もう一人の主役こと芦川いづみ。いつも通りだが中平作品だとほんと報われねえな。本作ではクズの姉がいて、それに加えて男に打たれまくる。可哀想…。岡田真澄も水をぶっかけられます。
mingo

mingoの感想・評価

3.7
様々な学生が授業料の値上げ案に反対デモに注力する中、岡田真澄は貸バイク屋をやっていて金持ち高校生から巻き上げた金でイタリアに行ってしまうのにはうけた。全ての不幸を引き受けてしまういづみ様を差し置いて中原早苗がほぼ主演と言っていい本作だが、冒頭の伏線に対してラストの「うるせえぞ、ロッキード!」の名台詞が聞けただけでも見た価値あるか。改めて考えるとよく出来た映画だ。あと単純に中平の台詞回しが素晴らしい。ちゃんと尺に収めつつカメラを真横から撮ったりして、しっかりと手前と奥メリハリが感じられる。こちらも助監は西村昭五郎。
「芦川いづみ目当てで観たのに、実質は中原早苗映画だった」ということが結構あるが、これもそんな1本。

全身から怒りを発散させる中原早苗に対し、芦川いづみはひたすら悲惨。
中平康&芦川いづみ、学生闘争モノといえば『あいつと私』のほうがおそらく知名度はあるかもしれない。が、『あいつと私』のあのリベラル男性知識人の憧憬感ムンムンの芦川いづみのヒロイン像より、本作のほうが苦味があって好きかも。私も学費払いたくない〜奨学金も無理〜何も変わってないんだね。
中平康のスピード感はやや抑えめだが今回の上映は芦川いづみ様本人の音声メッセージ付きなので5点。思わず泣いた
3104

3104の感想・評価

4.0
いかにも中平康と言ってしまっていいのか、なテンポと台詞回し。
特に前半はハイテンポで、ドタバタ劇一歩手前な慌ただしさで舞台である大学並びに登場人物を取り巻く状況が描かれる。このまま長調寄りの群像劇として進むと思いきや後半に悲しい出来事が待ち受ける。舛田利雄の『完全な遊戯』でも芦川いづみ嬢は哀しい目に遭っていたが、ここではそれを超える「災いを一手に引き受け」ぶり。そういう役も似合うとはいえ・・。

クレジットは3番目だが完全に中原早苗の映画。監督が彼女を重用した理由がわかるような気も。学生の群像劇という意味では『あいつと私』、芦川いづみ嬢の転落悲劇としては『結婚相談』に繋がる部分や共通する要素があるが、前者より群像劇として機能しておりかつ苦味が利いていて、後者に比べて変な流れにならずにキチンとラストに向かって収斂していく。どちらも面白い作品ではあったが個人的には本作をより推したい。
タイトルからして、痛快ラブコメかと思ったら、生活に苦しむ大学生の群像劇で、ヘビーなエピソードもいくつか。でも、実質的な主役の中原早苗が鼻っ柱の強い性格で気持ち良く、後味はそれほど悪くなかった。
大学生が学費を払うために苦しい生活をしているというところは、現代も全然変わってないように思う。
女優さんが分からなかったけど、知っていたらもっと楽しめたろうなあ。

「デビュー65周年記念スペシャル 恋する女優 芦川いづみ」@神保町シアター
waltz

waltzの感想・評価

3.6
終始イライラでブレない中原早苗、最後の捨て台詞がカッコいい。
一

一の感想・評価

-
とにかく学費が問題の大学映画。学費値上げ反対運動は「困難な時代です。幸運を祈ります。」が口癖のエリート学長にのらりくらりとかわされあっけなく萎んでいく。ひとり気を張る中原早苗がかっこいい。「うるせえぞ!ロッキード!」キレ味鋭いラストの捨て台詞最高。「嫌いな相手には妥協したくないの!」とキッパリ言い切る芯の強そうな芦川いづみがレイプ撲殺ガス自殺と悲劇的要素をすべて引き受ける。コールガールになった芦川がそうとは知らない彼氏のいる料亭に呼ばれるシーンでは、気づいた男たちの顔のあとにあるべき芦川の顔の切り返しが省略されていてすごく不思議だった。変なことするな~。
中原早苗が飛行機に叫ぶ「うるせえぞロッキード!」は八つ当たりにも程があるがカッコいい。@ラピュタ阿佐ヶ谷