影の列車の作品情報・感想・評価(ネタバレなし)

『影の列車』に投稿された感想・評価

裕福な家族を映したホームムービーの記録は、時間を固定し、過去となった人々の痕跡だけを記憶として提示する。

時が経ち廃墟となり家族が居たであろう空間は、内部の時間が静止しており、外部の光や木々の揺れ…

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Juzo
5.0

冒頭、1930年代のモノクロ家庭映像が映し出される。それは湖畔の邸宅で過ごす家族の穏やかな日常の記録だが、やがて撮影者である一家の父親が湖に消えるという「不在の出来事」が示唆される。そこから映画は現…

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lune
5.0
記憶と不在の詩学を繊細に映し出した、映像による”追憶の考古学”
その一瞬に光と影がある。それを捉えるということから映画を再考し、フィルムという断片にその痕跡が刻まれるということがまさしく眩い光に包まれるような奇跡であったことを思い起こさせてくれる。
時間と空間を融合させた第七芸術である映画。その表現方法の最高峰と思わされるほどの撮り方と構成。惚れ惚れ

現代映画において、実験性という面ではおそらく並ぶもののいないホセ・ルイス・ゲリン監督によるすげー映画。

人間が生きている中で残してしまう「記憶」が孕んだ恐ろしさと哀しさを郷愁たっぷりに描く。

正…

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実験する前に観客を選民してから"実験"している"実験映画"。そんな"実験結果"に客観性があるとは思えん。
5.0

映ってる人への愛から、編集を発見していって次第に物語を獲得していく。
幻想怪奇映画というようなショット群や、木々の自然を捉えたショットに、発見したフィルム(という体の)のショットとどれもが美しく素晴…

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324
4.8
脱構築でありながら奇抜ではなく全てが真っ当で王道で正しい。最高に心躍り続ける。

羊映画。きみたちは映画に取り憑いた幽霊の似姿?人の不在のかわりの被写体たちの、穏やかな終末さえ感じる歩き姿。
フィルムに付いた傷はどれも爛れていて映画自体、顕微鏡のなかの心霊現象みたいだ。音楽を付け…

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