ドアをノックするのは誰?の作品情報・感想・評価・動画配信

「ドアをノックするのは誰?」に投稿された感想・評価

スコセッシ監督の長編第一作。「ミーン・ストリート」(1973)の前日譚であり半自伝的作品。大学卒業時の1965年に6000ドルで作り始めたが全くうまくいかず、その後追加撮影と編集を重ねて4年後に計75000ドルで完成。最終作業はドアーズ「ジ・エンド」など多数のポピュラーソングの使用と、配給の条件とされたヌードシーンの挿入。1969年にニューヨークで劇場公開。

【物語】
ニューヨーク庶民階級のどこにでもいるような映画好きの青年(ハーヴェイ・カイテル)が娘と出会い恋をする。深く付き合いたいと思う一方で、カトリックの家に育った影響から婚前交渉への罪悪感が頭をよぎり踏ん切りがつかない。さらに、娘から処女でないことを告白され大きなショックを受けてしまう。さんざん悩んだあげく娘に結婚を申し込むのだが。。。

撮影開始時のハーヴェイ・カイテルが26歳、スコセッシ監督が23歳。若さとナイーブさがあふれた作家性の強い一本。閉塞感や宗教観、テンポの良い編集、音楽の使い方など、スコセッシ監督の個性がむき出しで表出している。また、あからさまなほどトリュフォー、ゴダールや、カサヴェデス監督の影響が見て取れる。監督の後の名作を理解する上でも、観ておくべきルーツ作。

※青年が性的夢想するシーンの女性は、ゴダール監督「男の子の名前はみんなパトリックっていうの」(1957)「シャルロットとジュール」(1958)のアンヌ・コレット。
※当時スコセッシ監督の大学の教え子だったオリバー・ストーンが制作参加している
M

Mの感想・評価

3.8
全編にわたってスコセッシの若さが溢れている。スコセッシの永遠のテーマ(多分)である「罪と孤独」がかなり荒削りな形で描かれてはいるのだが、その重さを茶化してしまうほどの爽快な音楽と映像が良い。
『タクシードライバー』のトラヴィスは脚本家ポール・シュレイダーの化身だと思っていたが、この映画のハーヴェイ・カイテルを見る限りスコセッシでもあるな。
それにしても、こいつらほんと『捜索者』好き過ぎだろ。

セックスシーンの前衛演出は、ヌーベルバーグというより日本のATG映画のような歪さがある。
めちゃくちゃいいぞ!
もちろん自主制作映画ぽい粗さも目立つ作品だけど、わけわかんないカットが多くて飽きなかった。上からの俯瞰の多用、繋がらないカット、二段階で寄る、みたいな意義はよく分からない(おそらく面白いからやってみよう、レベルだろうけど)が印象的。
冒頭のパイを切り分けるシーンとか、何やったんや!となるのもご愛嬌。
音楽の使い方も流石で、ダレ場がちょうど良くダレるけど飽きさせないようになってた。後半、物語の筋書きらしい筋書きが現れてくると映像的な面白さは減退するものの、男女間の会話のもつれが上手く描けていた。
ヒロインをセカンドレイプする主人公、だけど後悔して謝罪する。ヒロインが"許す"という言葉に反応してキレていたところもポイント高い。
イタリア系とカトリックの関係というスコセッシの永遠のテーマが既に表出してる。

やはり白眉は主人公の妄想セックスシーン。ドアーズのThe Endを流しながら、真っ白な背景に裸の主人公の身体を映したり、ぐるぐると絡み合う二人の周りを撮ったり、他の女との絡みも挿入したり。最後にベッドに横たわる女にトランプを撒き散らすところは圧巻。
m

mの感想・評価

2.5
生まれ育った土地や宗教や信念が恋愛とか人生そのものだよなぁ
この男は下の下
chill

chillの感想・評価

3.4
マーティン・スコセッシの大学卒業制作にして記念すべき長編デビュー作。

繰り返される与太話や日常に顔を出す突発的な暴力、一風変わった編集や印象的なポップミュージックの使い方(ドアーズのジ・エンドが流れる中、娼婦とまぐわうシーンは必見)、キリスト教圏の物語であること、ハーヴェイ・カイテルetc..後のスコセッシ映画の核となる要素は多数散見されますが、とにかくあってないような話なので"あの巨匠スコセッシの処女作"ということで観たけどそれ以上でもそれ以下でもないような映画でした。
【既にスコセッシ映画として完成された作品】
「タクシードライバー(1976)」や「シャッターアイランド(2009)」の生ける伝説マーティン・スコセッシ監督の長編デビュー作品(しかも大学の卒業製作!)
メイキングで監督ご自身がこちらの作品を「失敗の見本市」と仰っていますがまったくそんな事はなく、初の長編とは思えないセンスと技術の塊でした。
スコセッシ監督ってすごく謙虚な方なんですね。

一見退屈な若気の至りの物語も個性的で丁寧なカメラワークと編集のお陰で飽きることなく鑑賞できました。
主演の若い頃のハーヴェイ・カイテルさん演技も上手いしかっこ良い!
開始からすぐに始まる暴力シーンもイタリア系マフィア達の粗暴な日常も大嫌いだけど最高です。

特に作品が完成した4年後に追加された主人公J.R.さんが色々な娼婦と致す場面(41:50くらいから始まります)のカメラワークが神がかってました。
劇伴も大好きなドアーズの"The End"だったので胸の鼓動がぶち上がりました。
モノクロの映像と回転するカメラとサイケデリックロックの相性の良さといったら!
そのままドアーズの公式MVにして欲しいです。
音楽の使い方が流石すぎます。

処女厨すぎるJ.R.さんのことを信用し気を利かせたからこそ彼女は乱暴された過去を告白してくれたのに。彼には受け入れる器が無かった…にしても彼女に返す言葉があれってデリカシーなさすぎる。
カトリックの教えとか育った環境、男女の考え方の違い、あと若さなどの影響があって彼に悪気が無いのは伝わったけど。彼は根は悪い人じゃないんだけどさ…彼女には貞淑潔癖を求めておいて自分は酒に煙草に娼婦を取っかえ引っかえ。で、無理矢理レイプされた彼女を娼婦扱いって、ずいぶん上から目線だし恋愛に上下関係を持ち込むなと思いました。

彼女が彼との結婚を断れる意思の強い人で良かったです。言葉足らずな彼女の言った通り大好きでたまらなくてもお互いに尊重しあえる関係じゃないのなら一緒に人生を歩むことなんて出来ないでしょ。
(私が彼女の立場だったらJ.R.さんを絞め56す!!!)

だけど個人的に唯一救いがあるなと感じたのは別れた後も間違いなく彼は彼女を愛してるところ。
最後に教会で彼が唇から流した血は修復できない彼女との溝。彼の心の傷のメタファー。
彼は誰かを愛すことが出来る人。そこだけは本物だった。
 巨匠マーティンスコセッシのデビュー作

モノクロ映像を駆使し、大学卒業作品にして過激で挑戦的な作品にしてしまいました。

主人公のハーヴェイカイテルが演じるのはカトリック教徒でイタリア系の青年。
街であった女性と恋に落ちるが彼には大勢の娼婦と関係を持っていて…。

ほとんどスコセッシ自らをハーヴェイカイテルに演じさせるという方法を取ってます。
カトリック教徒で清潔に生きようとするのに、性的欲求は抑えられずさらには暴力行為にも出る。後の『タクシードライバー』『レイジングブル』『グッドフェローズ』などの主人公に通じるものがありました。

また選曲センスや大胆なカメラワークや編集などもこの頃からキマッてますね!
オープニングのCCライダーから素晴らしい。
まだまだ荒削りだったり、妙に間延びさせてあるのは気になりましたが、スコセッシの原点というのを知れて良かったです!
お伝

お伝の感想・評価

4.0
すでにスコセッシだし「ミーン・ストリート」を感じる。
男って自分勝手なくせに女には貞操を求めるところがあって、女から見たら難しい問題ではないのに宗教観や女性観に苦しんでいる。監督の出自が色濃く出ている。
いろいろ考える内容だけど、とにかく映像と音楽の切り貼りセンスが良くてかっこいい!
the girl役のジーナ・ビートゥンが渚まゆみっぽい。

スコセッシの大学卒業製作作品

青年はフェリーの待合室で1人の女性に心をうばわれる。やがて2人は恋に落ち…。

スコセッシの大学卒業製作作品、ハーベイ・カイテルのデビュー作品ということで鑑賞。
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