土曜の夜と日曜の朝の作品情報・感想・評価

「土曜の夜と日曜の朝」に投稿された感想・評価

lag

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4.0
油にまみれて工場勤務する生産年齢男。ダイニングで朝食。目を細めて自転車。長い直線通りに大小レンガ建築の街並み。たまに滑稽なほど心地よい安定したジャズ。そして余暇は思う存分満喫。悪気なしにあまり考えずふたりの女を行ったり来たり。川釣りしたりトランプしたり中折れ玩具銃で的当てしたり。休憩時のランチも楽しそう。小遣いあげて飛び出した子を無邪気に追いかける。高台から町を望む。心臓に優しく休日にも眺めやすい建物と歩き動く人との美しい絵。
lemmon

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4.4
アルバートフィニーの持つスケール感にやられる。やっぱかっこいいわ、この人。


冒頭から主人公のある種の開き直りと諦めに、嫌だけど共感。クソ野郎でも人好きする雰囲気を醸し出す主人公。本作は彼の日常を眺めていくこととなる。

労働階級における最大のカッコつけの中に、意地がある。出てくるドラマに、映画になり得る魅力があるんだ!と叫んでいるかのよう。自分らは虚しくない、社会のコマでもないと。


とは言え、フィニー以外が演じていたらどうなっていたか。何にも面白くない物語。
無邪気さにイライラもするが、初主演作がこれとは恐ろしい。


「今」以外、何も感じられない作品。
しょーがないのだ。夢も希望も抱きにくい現実。
じゃあ、「今」しかないわけだ。



※○やし先生みたくなったな😅。
asy

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3.3
ブリティッシュ・ニュー・ウェーヴの一作。しがない工場勤めの労働者階級の若者が主人公で、余暇にはすぐに女を引っかけて、ついには人妻を孕ませてしまう。そんな無計画無責任クズ男の話で、正直一ミリも感情移入もできない。

「ブリティッシュ・ニュー・ウェーヴ」の一群にみられる”反骨精神”。本作の主人公は、拗らせてしまい空回っているように見える。
今観ると、ストーリーや題材にあまり魅力を感じないが、ただそれまでイギリス映画界では、こういったしがない労働者階級にはスポットを当てられていなかったという点では、こういったリアリズムに男女の情事を描いた本作はやはり評価されるべき一作なのだと思う。

★ブログ書きました → 40年代〜60年代イギリス映画史|イギリスの文化が開花するまで
https://asliyuuki.in/british-new-wave
dio

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3.0
Arctic monkeysの1stの元ネタ。

他人は何もわかっちゃいない。反骨精神の塊。

モッズスーツとジャズがクール。

ほぼ東出が主人公でタイムリーな映画だった。
無

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2.8
昼は工場で働き夜にはスーツ姿で街に繰り出し酒をあおり朝には他人の家で人妻との逢瀬を楽しみながら生きる男の話。

オシャレさが漂うジャケ写とタイトルに惹かれて鑑賞。
イギリス映画にありがちな体制に抗う青年像を描いているという訳でもなく、いけ好かない相手に嫌がらせをしたり不倫相手を無責任に孕ませたりと気ままで身勝手に生きるクズ男の日常をただ垂れ流してるだけのストーリーで、自分も主人公寄りの性格なので彼のイライラ・モヤモヤする気持ちも分からなくはないが残念ながらこの人のやってる事には美学という物が感じられずあまりに無計画。
格好悪い尖り方だし華もなく彼の人生はとても退屈。
それなのに見た目はいかにも女にモテそうな自信ありげなビジュアルなので始末に負えないw
この映画内で唯一盛り上がるのが不倫相手の夫の指示で主人公が兵士二人にボコられる場面というのがもう…
新しい彼女に自分が不倫してた事を堂々と告げる男も男だけどそれをあっさり受け入れる女もすごい。
原作者が同じ「長距離ランナーの孤独」の方がまだ気分が晴れるような爽快なシーンがあって楽しめた。
アルバート・フィニーのちょいワルで男臭い雰囲気が良かった分更に惜しさが増す作品。
評価2.5
ブリティッシュニューシネマ。
日本人のサラリーマンみたいだ。
若さが唯一の希望であり、歳を重ねると負け組の日本人のサラリーマンみたいになる。
何かに反抗してるだけ美しい。
今夜

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3.5
トラブルに巻き込まれたり介入したりして警察がきて中絶もさせたりする姿は横山緑のよう。人情味があればこち亀の両さん。
No.357[ウィークエンドの素敵な楽しみ方] 70点

絶対死なないと思っていたフィニーが亡くなってしまった。年始からメカス、マカヴェイエフ、ルグラン、ガンツと不死身そうなメンツが次々と亡くなっていて精神が保たないので彼らの追悼の意味も含めてフィニーの代表作を再び巡る企画。享楽主義に生きる青年がしっぺ返しを喰らうというか不倫がバレてボコられるというかという感じで、悪くはないんだけどそもそも享楽主義があんまり好きじゃないから"どうぞご勝手に"といった印象。ただ、後に"怒れる若者たち"のアイコンとなるふてぶてしい顔をしたフィニーから滲み出る若々しい魅力というのが存分にあるわけで、その反権威主義的なスタイルがラストの"今後も投げるぜ"という台詞に集約されていく過程を90分見つめ続けるのはまぁ興味深いっちゃ興味深い。

個人的な意見としてはもうちょっといい感じに権力に迎合しつつ反逆する感じにしとけば丸く収まると思うんだけど、どうなんすかね。
AS

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3.8
シリトー原作なら断然『長距離ランナーの孤独』の方が好み。でもアルバート・フィニーの演技の吸引力は決して無視できない。
すったもんだがあった後の、笑みを浮かべながら「今後も投げるぞ」という反骨のスタンスに頬が緩む

このレビューはネタバレを含みます

1960年。原作はアラン・シリトーの同名小説。ノッティンガムの工場で旋盤工として働く21歳のアーサーは、同僚ジャックの妻ブレンダと不倫をしている。パブで会ったドリーンとも付き合うようになるが、ブレンダが妊娠していることが分かり…。息をするように自然にアーサーが恋人二人に嘘をつくのが凄い。炭鉱夫バートはシリトーが傾倒していた同郷の作家D. H. ロレンス(あだ名がバート)がモデルか。映画館の場面はグランビー、ブレンダが妊娠を告げるシーンはノッティンガム城、ブレンダと鉢合わせするシーンはグース・フェアが舞台。
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