徹底的にリアルに人間の生とはこんなにも人を惹きつけるものなのだ、とあらためて感じさせる一作でした。
生とは汚く、生々しく、醜く、みじめで、重々しく、しかし輝いているもので、それをしっかりと描けば十分…
【都市の漂流物】
主演の寺島しのぶが廣木隆一の『ヴァイブレータ』と共にブレイクしたキッカケでもある作品で、原作は車谷長吉の小説。(既読済み)
これは車谷の原作小説よりも遥かに面白い。荒戸源次郎監…
荒戸源次郎の監督2作目。原作の世界観の映像化に成功している。尼ヶ崎のいかがわしさ。与一の低賃金の内職、焼き鳥の臓物串刺しの狂気。そして、寺島しのぶ演じる綾の不思議な存在感は、本作を支える魅力である。…
>>続きを読むまごうことなき傑作だった。
終盤、赤目四十八滝にて、夜を薄くつんざく花火とその色彩に染まる寺島しのぶの白い頬を観て、私は涙を流してしまった。
良い意味で精彩を欠いた鈴木清順のような映画だった。
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荒戸監督『赤目四十八瀧心中未遂』は15-6年程前に観た。
きっかけは原作の車谷長吉の熱い読者だったからでもある。『金輪際』『漂流物』と短編集を読み、虜となってから長編の『赤目四十八瀧〜』を読んだ。
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荒戸源次郎監督作品。
底辺を漂うように生きる人達の中で、ある男女が心中しようとする山中を瀧のイメージ鮮烈に描いた不思議な感覚が残る映画。
この世の中に居場所がないと思った男(大西滝次郎)が東京から…
ずっと此岸と彼岸の境界みたいな映像で居心地が良かった。異界の尼崎。
切ないというわけではないけど、尾を引く微鬱エンド。キャラメルを口に突っ込むシーン良かった。
寺島しのぶ良かったけど、原作のイメー…