パンと裏通りの作品情報・感想・評価

パンと裏通り1970年製作の映画)

BREAD AND ALLEY

製作国:

上映時間:12分

ジャンル:

3.9

「パンと裏通り」に投稿された感想・評価

キアロスタミのデビュー作。
12分の短編ながら簡潔で見事な構成。

ビートルズの陽気な音楽が少年の心情に比例し、犬の登場で変調してしりすぼみになる演出にクスッとなる。
あの平らなスポンジみたいな板はイランのパンだったのか。
カツアゲわんちゃんも少年も可愛くて、静止した画面で観客の想像をうながすラストもさすが。初期ですでに見せない演出が生きている。
犬に怯える少年は「友だちのうちはどこ?」でも反復されている。

最後のボウルの中身が気になったけどヨーグルトだったのか〜この頃の日本ならきっと豆腐だったんだろな。
かわいい邦題。と思ったら中身もかわいかった。

キアロスタミ初期の短編。もうこの頃からチビっこに対するスパルタ癖が見え隠れ。

タイトルの“パン”が気になり調べてみると、少年が抱えたどう見てもパンに見えないナンの親戚みたいなものはサンギャクというイランのポピュラーなパンらしい(多分)。パリパリして美味そう!

そんなパンを抱えてオブラディオブラダの軽快な音楽に乗せて裏通りへ入った少年。睨みをきかせた相手に出くわし空気が一変。さぁ、どうするか…

救世主が現れる時、相手と距離が縮まった時…各場面の音楽効果絶大。絶えず聞こえる虫の鳴き声も良い。

第二被害者くんの楳図かずおの漫画風な顔で締めるラストがツボだった。
sonozy

sonozyの感想・評価

3.5
アッバス・キアロスタミの処女作となる約11分の短篇。

「オブラディ・オブラダ」の陽気なメロディに乗せて、母にパンを買ってきてと頼まれた感じの少年が缶を蹴りながら路地を歩いている。
途中、犬に吠えられ先に進めなくなってしまう少年。(音楽も止まる)
※このジャケ写の下半分の少年です。(上半分は『トラベラー』ですね)

ロバに乗った男や、自転車に乗った男などが通り過ぎる。
悲しいような、眠いような、何かを待っているような..涙を拭きながら立ち尽くす少年。

再び軽快なJazzと共に、一人の老人が歩いてくる。
彼についていけば犬も怖くないはずと、老人と並んで歩き出す少年だが・・・・

少年が脇に抱えてる平らなナンのようなパン。イランの「サンギャック」というパンでしょうか。どんな味なんでしょ。

後半からラストまでの展開も微笑ましい。
キアロスタミ監督お得意の素人の子供を使っての巧みな心理描写、見て取れました。
Ricola

Ricolaの感想・評価

4.0
たった12分されど12分…。
見事に起承転結がおさまり、日常に潜むドラマにドキドキさせられる見ごたえたっぷりの作品だった。

これがアッバス・キアロスタミの初監督作品だというから、やはり彼はすごい…。


少年の学校の帰り道に犬がいる。なんとかその犬がいるところを通らずに帰りたい…でもどうしても通らないと家に帰れない。

偶然通りかかった大人の背後について行くなど、なんとか吠える犬を避けようと模索する少年がかわいい。

あくびが出たり、鼻をかいたりと呑気そうに見える少年だが、彼の眉間にしわは寄っている。

音楽が最初から最後まで効果的に用いられている。緊張感やら高揚感やらが、少年の表情や動きだけでなく、音楽によってコミカルに演出されている。

ラストの静止したショットには驚かされ、次への可能性を感じさせるワクワク感もあった。

ほんのり哀愁を感じることも、クスッと笑ってしまうこともある。およそ10分でこの満足感は嬉しい。
umi

umiの感想・評価

5.0

前に観たあのキアロスタミっぽいペルシャ系最高映画は何だったんだろうってずっと思ってたんだけどキアロスタミでした。何もかも愛しすぎるやつです。
怖い犬をやり過ごすには…

これが観たい為に『トラベラー/パンと裏通り』の2編が収録されている方のDVDを入手…。

アッバス・キアロスタミ監督のデビュー作。
わずか12分ほどの時間の中に魅力が存分に凝縮されている。
シンプルにおもしろい。

パンを抱えながら裏通りを軽快に歩く男の子。
突然、犬に吠えられる。
どうしても通りたいが、犬が怖くて途方に暮れる男の子。
なんとかして、犬の前を突破しようと考えを巡らす。。。


男の子のセリフはなく、音楽と犬の吠える声ぐらいしか聞こえないのに面白い。

『トラベラー』の時と同じような感じで、演技の部分とドキュメンタリー的な手法が混在している撮影方法がすごい。
これが最初の監督作だから、ここから始まったのかと思うと何だか感慨深い…。

オチもユーモアたっぷりで隙も無駄もない。


そして、一瞬だけど私服の女性が映る。
イラン映画では貴重映像…
12分間にすべてが凝縮されてる気がする。
ドキュメンタリー風に撮られていながら、
映画=虚構なんだなぁと思う。
AM

AMの感想・評価

-
戸を開けた女性がヘジャブをまとってなく思わずハッとする。新鮮。イスラム革命前も後も監督の作風は変わらない。
ひい

ひいの感想・評価

3.7
言葉がなくても、伝わる少年の気持ち。かわいいムービー。

流れるサウンドとかリズムがかわいい。淡々としてるんだけど、深さがあったなあ。
ダイガ

ダイガの感想・評価

4.0
たった10分ほどの作品の中に少年のいろんな感情が詰まっていて素晴らしいです。
音楽も素敵です。
子供の頃私も大きな犬はちょっと怖かったなあ。
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