子供の情景の作品情報・感想・評価

子供の情景2007年製作の映画)

BUDDHA COLLAPSED OUT OF SHAME

製作国:

上映時間:81分

ジャンル:

4.0

「子供の情景」に投稿された感想・評価

tomapii

tomapiiの感想・評価

4.5
バクタイの、目の強さと日焼けしたほっぺの可愛らしさが、印象的。
数年前に岩波で観ましたが、急にまた観たくなった。
☆☆☆☆

これは凄い!もの凄く深く、そして恐ろしい。

“クルミが頭に落ちて来たが、カボチャだったら死んでいたからまだ良かったね”

隣の家に住むアッバスが学校で教わった話に惹きつけられたバクタイは、学校に通いたいから先ずはノートと鉛筆を買いに行く。

カンダハールの石像が破壊された場所で戦争ごっこをして遊ぶ子供達。
一見するとたわいない遊ぶに見えるが、

「女は勉強しなくて良い」

「髪の毛を見せているから罰を与える」等と口にする。

イスラムの原理主義による教えが根っ子から生えて浸透している証拠だ。

映画の途中で、数人の女の子達が戦争ごっこをしている男の子達に捕らわれているが、誰一人として逃げようとはしない。
それどころか、その姿たるやテロリスト達に捕らわれ今まさに処刑されんとされている捕虜の姿にしか見えない。
身の毛もよだつ場面である。

そんな男の子達から何とか逃げ出してやっと学校へと到着するバクタイ。

元々自分の席は無いのに無理矢理座ろうとする。
この時の場面でのノートや口紅を使ったやり取りでは、見た目には子供の可愛らしさを垣間見る事が出来るが、別の観方をすると…。

ノート=《土地》。口紅で全員に化粧をする行為は、《世界中に介入するアメリカ》の姿を風刺している風に受け取れなくもありません。

映画のラストではっきりと、「おまえはアメリカ人だ!お前みたいなテロ犯はさっさと死ね!」と叫ぶ男の子達。

その言葉に対してアッバスの忠告を聞かずに、まるでイスラム人を代表する様な強い抵抗感を示すバクタイ。
この時の彼女が取った行動と、それをシンプルな映像ながらも強い意志で表した演出には鳥肌が立つ思いでした。

普段は買わないのだが、鑑賞後に久々にパンフレットを購入した。
そのパンフレットの中身には、インタビューに答える監督の言葉が掲載されている。

文章は多少違うが大体この様な意味が在る。

※ 《アッバスが持っていた“ノート”について》
(作品中アッバスのノートは色々な人の手によって引きちぎられてしまう)

「このノートはアフガニスタンの文化そのものとして表しました…中略…アフガニスタンの文化は、このノートのように、いろいろな人の手に渡って、どんどんと破壊されたのだと思います。ソ連が来て、タリバンが来て、アメリカが来た。」

※ 《クルミの話について》

「あのお話は、アフガニスタンの民をあらわしたつもりです。アフガニスタンの人たちは、次はソ連、今度はタリバン、今度はアメリカ、というように、その暴力の中でずっと暮らしてきました。…中略…クルミだったから良かったよね。と最初から我慢して自分をなぐさめているんです。」と。

※ いずれもパンフレットから参照しました。

そんな事を話す19歳の女の子が(インタビュー時点では20歳だが)が果たしてこの日本のどこに存在していると云うのか?
何とも逞しく、また末恐ろしいと言えば良いだろうか…。

(2009年5月9日 岩波ホール)
ILC

ILCの感想・評価

-
エグイなこれ。メタファーの連続だけどリアルタイムの話でもあるんだよな。
豆こ

豆この感想・評価

3.5
マフマルバフ姓に惹かれて手に取ったが、監督がパンと植木鉢のあの少女だったとは。
バクタイの健気さや逞しさがかわいらしくて、卵きっと売れるよ~!ノート買えるよ~!と勝手に応援していた。
「戦争ごっこはもう嫌だ」「自由になるには死ねばいい」子供の口から紡がれる些細な言葉が、あらゆる競争社会の本質を突いていてドキリとした。
ただ政治的な皮肉として子供の行動が描かれているのではなく、アフガニスタンの現在というのを保存していて、そこにはクスリと笑える生活のかけらがある。
C

Cの感想・評価

4.0
バクタイかわいいなあ。戦争ごっこの石投げの刑、本気で殺すんじゃないかと思って辛くなってしまった。
自由になりたければ死ぬしかないんだなあ
ひろせ

ひろせの感想・評価

4.5
Buddha collapsed out of shame
ずっと観たかったの、やっと観れた〜。
主演の女の子がもうたまらない。かわいすぎる。だからこそ、この扱いはフィクションでも辛い…しかも現実にはもっと恐ろしいことが起こっているという。



大人が子どもに与える影響の重大さ。もしも子どもが暴力に慣れてしまったら、未来はとても危険。

小さい小さい少女は、ただ学校に行きたかった。

ダリー語ってはじめて聞いたわ。

「死ぬんだよ。死ねばあとは放っといてもらえる。自由になりたいなら死ね」
強烈なメタファー、ではなく本当に起きていること。
Chai

Chaiの感想・評価

3.8
技術とかそういうことでない。この映画が作られたことに価値
ひなぎくのような、草原の実験のようなラストなのだけど。
初めにも持ってきたのはすごかったなぁ

子役が可愛すぎてホッペにチューしたくなる
skip

skipの感想・評価

-
女の子は学校に通いたい。それだけの物語。
覚えた感情の変移。切なさと愛しさから始まった。すぐに形相を変える。苛立ちのあまり吐き気。子供の世界に戦争そのものを落とし込む見事な表現。生易しさなど一切ない。あるのは恐怖心。シンプルでいて大胆なラスト。非常に強烈な作品。
監督「ノートは破られる。助ける人も、奪う人も。それはアフガニスタンの文化と同じ。」
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