風の遺産の作品情報・感想・評価

「風の遺産」に投稿された感想・評価

学校の授業で鑑賞。モンキー裁判と呼ばれる、実際にあったキリスト教と進化論を争点とした裁判。
検察官と弁護人の演技の迫力が物凄い。感情的であり論理的で、話の詰め方に魅了され、グッと引き込まれた。
スペンサー・トレイシーとフレドリック・マーチの二大演技派のガチンコバトルを観たい方におすすめ。踊らないジーン・ケリーを観たい方におすすめ。

1925年の南部の州で本当にあったモンキー裁判を題材にした作品で、監督はスタンリー・クレイマー。

宗教色の強い南部の州で禁止されていた進化論を公立校で教えたために若い教師が逮捕される。早速、全米が注目するなか裁判がはじまった。

検事側は過去大統領選に三度立候補した法曹界の大物ブレディ(F・マーチ)、そして対する弁護側はかつてのブレディの親友ドラモンド(S・トレイシー)である。因縁ある二人が繰り広げる論戦は次第に白熱する。

聖書だけにあらず、あまりにも過去のことにすがりすぎて、考えることを放棄した人々は本当に愚か以外何物でもない。劇中のある台詞が全てを言い表している。

「九九を必死で覚える子供の心は、君たちの叫ぶアーメンよりはるかに神聖なものなのだ」

さて俳優陣では、マーチとトレイシーの新旧「ジキル博士とハイド氏」の対決が面白い。二人ともウィスコンシン州出身、オスカーを二度受賞と共通点が多いが、この二人の演技の仕方がいかに違うのか本作を見れば一目瞭然である。

また、クレイマーという人はミュージカル・スターを起用するのがお好みらしく、「渚にて」のフレッド・アステア、本作品のケリー、「ニュールンベルグ裁判」のジュディ・ガーランドとどれも各自の個性を上手く活かしている。

今回のケリーの役柄は今までの作品から想像できないようなシニカルで嫌みな新聞記者を演じ、これが意外に様になっているのだ。

最後に、本作の脇役で光っていたのは、ブレディの妻を演じたフローレンス・エルドリッジ、なんと実際にマーチの奥さん本人が扮している。

己の正義を信じるがあまり、次第に孤立していく夫を最後まで温かく優しく見守る妻の姿も印象深い。
Tomoka

Tomokaの感想・評価

4.1
見応えあった。
いくら聖書を信じると言っても
それを押し付けるのでは無く、
相手の言ってることも耳を傾けて
なにを言われても恐れない姿こそ
本当に聖書を真実だと信じている姿ではないか。
映画では不利なことは聞かない、何が何でも聖書だ!!!という姿が余計に聖書の真実を否定しているような気がした。
Catooongz

Catooongzの感想・評価

4.5
ゴダールさんが映画史の本のなかで「政治的な映画です」と語っているのをきっかけに鑑賞。役者さん達がかっこよかったです。裁判所の中で皆暑そうにしてるんだけど、こちらまで汗かいてくるような。そして裁判内容も僕好み。似ている内容としては天動説か地動説かみたいな話なんだろう。って僕はキリスト教ではないけれど。で、仏教徒だとどっちでもいいやん、みたいな意見になるんだけど。その結果が悪い方向に行くのならいい方向に修正していけばいいやんっていう。やっぱり結論を急がずにいろいろと分析し続けるって大切だと思った。終わりがあるのかどうかわからないけど。
熊

熊の感想・評価

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聖書に反する進化論を学校で教えることが違法かを争ったアメリカの「モンキー裁判」が素材

正しさや公平さとは何なのかという非常に根源的な問題を考えさせられる

日本にいると馴染みのない題材だが十分見応えがある