ザ・サムライ THE SAMURAIの作品情報・感想・評価

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5.0
ヘリコプターが校庭に着陸すると、風圧で女の子のスカートがめくれてしまうって演出を実写でやってるんだからね。天才ですよ。
どこまでも濃ゆいキャラクターたちが繰り出す、くだらないギャグにアクションにスケベ。
そんな中学生の妄想の塊を大量生産する鈴木則文が大大大好き。


超時代錯誤な武士道精神を貫くお調子者の男子高校生「血祭 武士」のハチャメチャな学園生活の物語。

武士は重度の女体アレルギーで女の子の胸を見てはすぐさま物凄い勢いで鼻血ブーするし、
ちょっと失態犯すとすぐ切腹しようとするし、
毎朝クラスのドア蹴破って登校してくるし、
クラスメイトとのサイクリングにひとり颯爽と馬でやってくるし、ともうとにかく最高にチャーミングなヤツ。
その他にもジェット機で登校する外国かぶれの転校生、学祭に出品する生徒たちの映画で自分が主演しちゃう担任女教師、一瞬だけの登場でも渋すぎる菅原の文ちゃん、
パンティ泥棒に入られ、娘ふたりのパンティだけしっかり盗まれて何度数えても自分のだけはちゃんと全部ある母親の朝丘雪路。
(薄暗がりのなかひとり「一枚...二枚...」と番長皿屋敷状態でパンティを数えるお母さんを娘たちが偲んで武士に盗ませるくだり 爆笑)
と、挙げればキリがない程に魅力的なキャラクターたちとエピソードの羅列。

やっぱり「鈴木則文×漫画」は最高の相性でキャラクターたちは原作の漫画の絵を突き破ってそのまま映画のなかで暴れまくっている。

そしてまさに漫画の単行本のような一見バラバラのエピソードの羅列をハチャメチャなのにスマートにまとめ上げる鈴木則文の天才的演出は、
まるで一巻から最終巻まで一気読みしたような感覚プラスαの幸福な満腹感をもたらしてくれる。

はじめてこの映画を観たときは
「自分が生まれる前にこんなにも自由でパワフルで本当におもしろい映画が日本にもあったんだ」と心底感動した。
鈴木則文の映画は古臭いくせに色褪せず、突拍子もないのに説得力十分で、あらゆることが必要以上に馬鹿馬鹿しく誇張されてる。
そんなたくさん矛盾を抱えたまま突っ走り、いつでも理屈や理論を越えて笑いと感動を与えてくれる最早ただのパンクロックな日本映画界最高の「エンターテイメント」
これがベスト。