白い巨塔の作品情報・感想・評価・動画配信

「白い巨塔」に投稿された感想・評価

TOMTOM

TOMTOMの感想・評価

3.8
大学病院で繰り広げられる激しい権力闘争
闇の部分が多すぎる
田宮二郎氏が総回診で歩く様に圧倒される
上旬

上旬の感想・評価

4.3
【1966年キネマ旬報日本映画ベストテン 第1位】
山崎豊子の同名小説を社会派映画の巨匠、山本薩夫監督が映画化。何度も映像化されており、最近では唐沢寿明版、岡田准一版ドラマがあった。

確かこのタイトルを最初に目にしたのは唐沢寿明版だったと思う。観なかったけど。

田宮二郎演じる外科医の助教授が成り上がっていく物語で、『赤と黒』型の成り上がりサスペンス。

田村高廣演じる正直者の内科医里見、船越英二演じる対抗馬として担ぎだされる金沢大学の外科医、小川真由美演じるファムファタル的に怪しく画策するホステスなどキャラがたっていてとても面白い。

正直日本の、というか世界中どこでもだけど、学術界には派閥や陰謀が多少なりとも存在する。私が身を置く学術界隈でもその話は聞く。

やはりコネや生まれが物を言うし、それらがない人は多少なりとも「何か」をしなければ上には立てない。

私には財前を非難することはできないし、むしろ応援してしまった。

人の名誉欲というものは果てしなく、むしろ里見のような人の方がファンタジーではないかと思う。

『戦争と人間』や『金環蝕』にも繋がっていくように山本薩夫の演出力は群を抜いている。下手な人がやると本当に誰が誰だか分からないだろう。

群像劇を上手くさばく手腕という意味においてロバート・アルトマンと双璧と言っても過言ではないのではないかと思う。映画史に残る名作。
私も直に遭遇したことがありますが巨大大学病院名物の"おねり"、別名総廻診。
患者の治療とは殆ど関係無い、その病院内における権力闘争を象徴するような大先生を先頭にして各病室を練り歩くやつ。
ベッドで寝ている患者にとっては、白衣が大挙してやって来る圧力が物凄くて怖い。

本作でもこれが二回出て来ますが、廊下の奥の方から白い服を着た奴らが、まるで第一投目の前のボーリングのピンのように徒党を組んでコチラに迫って来ます。
二回目のそれには熾烈な院内教授選挙を勝ち抜いて偉そうな顔をしている財前教授(田宮二郎)が一番ピンの位置に据わっています。

いくら手術の腕が良くてもこの人だけには診察して欲しくないなぁと、最近も大学病院に受診に行った私は思います。
田宮は医療知識と手術の腕があって顔は整っているけれど、険のある表情をした外科医を好演でした。

また、法廷で証人に立って厳然と真実を述べる解剖医役の加藤嘉と、第三者として意見を述べる医療界の重鎮役の滝沢修は流石に磨き上げた役者だなあと思わせる貫禄を感じました。
原作:山崎豊子。モノクロ作品。

国立浪速大学第一外科の教授を狙う野心家の助教授・財前五郎が挑む次期教授選、そして医療ミスによる民事訴訟の様子が描かれています。

全体通して149分と長時間の作品ですが、原作全編は描かれていません。
当時完結していた部分までが映画化されていて、原作では裁判の後も続いてます。

驚いたのが、本物の手術シーンだったこと。実際の手術映像なだけあり、モノクロでも衝撃的なビジュアルでした。
モノクロだから見れましたが、カラーだったら目を背けていたかも。
結構臓器をぐちゃぐちゃとかき分けてましたけど、あんなにぐちゃぐちゃとしていいんだろうか。

主人公である財前ですが、かなりの自信家で、自分の腕の良さに酔ってます。
「自分は天才で、難病患者を何人も救ってきた。だから教授になるのは当たり前」
そのように考えて教授選に挑みますが、現教授の東は財前が気に入らず、別の人物を教授に推薦。
教授になるために財前はあらゆる手を使って支持者を集めるわけなんですが、財前自身はあまり上手くなかったですね。財前を始めから支持してる人達のサポートがあってこそですね。
財前はもっと感謝すべき。

財前が教授選に躍起になっている中、財前が担当した患者が亡くなり、その原因が医療ミスではないかと疑われ、裁判にまで発展してしまいます。
裁判の争点は「財前の手術は適切だったのか」「財前が最後まで診ていたら患者は亡くならずに済んだのか」「病気の特定は可能だったのか」。
これの証明が非常に面白い。財前が大分悪いんですが、当時の医療技術ならではの曖昧さがあるため、100%の断定が出来ません。
どのような判決が下るのか。最後まで分かりませんでした。

最後に財前の悪い所をズバッと言ってくれたのにはスカッとしました。
しかし、財前は変わらんだろうな。
『腕が良い=良い医者』とは限りませんね。
久しぶりの鑑賞。熱苦しさマックス。
国立大学病院の教授選挙と誤診裁判で浮かび上がるのは、地位や将来への野望に溺れる医学者達のなりふり構わぬ跳梁跋扈。画面に犇く名優、名脇役陣の重厚な人間ドラマな筈が、えげつなく薄っぺらい浅はかな仁義なき戦いに。その最たる道化が田宮二郎。

このレビューはネタバレを含みます

総じて、主人公たるアンチヒーロー財前が魅力的に描かれていないような。。キャラクターとしての魅力を、田宮二郎のビジュアルに任せ切ってる気がする。だから、選挙も下らなく見えるし、映画的な面白みもそんなにないわで、途中まではダルい。
一方、法廷ドラマとしての様相を呈してくる終盤は、一気に話をまとめ上げる展開も相まって見応えがあった。
傲慢と過信が己の失墜を招く、古今東西に伝わる神話のような白い巨塔。

唐沢版のファンだったが、田宮版を初視聴。さすが橋本忍脚本、2時間半に美しくまとめられている。ナレーションと字幕のタイミングが素晴らしく手際がいい。

田宮二郎から溢れる野心的なエネルギーも魅力的。田宮演じる財前は家が貧しく、母親に楽をさせるために、上へ上へと出世欲をむき出しにしていく。この様は当時の日本人のイメージにも重なる。

wikiで田宮二郎を調べてみると、田宮二郎そのものが財前五郎のような人生を辿っていた。映画のポスターで自身の扱いが小さかったことから上司と衝突し、映画界を飛び出す。その後、テレビスターとなり栄光を手に入れるものの、ドラマ版白い巨塔を演じた後、何を演じればいいかわからなくなり自殺する。

まさに役に食われた役者だった。そんな命を賭けた作品が面白くないわけなく、節々に田宮のエネルギーが溢れる。

唐沢版との最大の違いは、生々しい臓器の描写の多さ。解剖のシーンで臓器がそのまま出てくる。まるで牛のレバーのように、画面にはヌメっとした臓器が映る。

後に引き継がれる大名行列のような総回診はこの映画から。

歴史に残る名作です。
医療系の内容かと思いなかなか手が伸びなかったが、時期教授をめぐる利権争いなどゴリゴリの人間ドラマで面白かった。
田宮二郎かっこいい。
何度も映像化されている、山崎豊子の名作。

これだけの大作を映画化すると、どうしても尺足らずの感じがするものだが、この作品は2時間半でも駆け足や端折った感じがない。

現作が完結する前に映画化されたというのも凄い。
後に田宮二郎が結末まで演じたいと望んでドラマ化されたとのことだが、その気持ちはわかる。

1978年のテレビドラマは、時々観た記憶がある。
2003年のテレビドラマ(財前:唐沢寿明、里見:江口洋介)もなかなか良かった。
デニロ

デニロの感想・評価

4.0
1966年製作公開。原作山崎豊子 。脚本橋本忍。監督山本薩夫。

1975年頃並木座で観たことがあった。いきなり腹を掻っ捌くシーンがあって、勘弁して下さい、と思ったものだった。数年後、石上三登志がキネマ旬報の連載で本作の冒頭シーンを面白おかしく書いていて、ああそうだったよな、と思ったものです。

今回改めて観直したら手術シーンは随所にあって、はらわたも医学ドキュメンタリーのように写されていた。勘弁して下さい。

テレビでは何回も製作されているが、田宮二郎、唐沢寿明、岡田准一の財前五郎を観ているけれど、他に佐藤慶、村上弘明も演じているそうだ。佐藤慶版を観てみたい。

財前五郎はやはり田宮二郎。里見助教授は山本学、東教授は石坂浩二、鵜飼医学部部長は小沢栄太郎、大河内教授は加藤嘉、野坂教授は市川実日子、花森ケイ子は太地喜和子、東佐枝子は島田陽子、財前又一は石山健二郎という辺りが記憶に残る配役です。

これからもいろいろな形で映像化されることと思います。
>|

あなたにおすすめの記事