ガーデンの作品情報・感想・評価

「ガーデン」に投稿された感想・評価

魔法のような映像美に酔ってとろけてしまいそう。プラムやりんごの木がたくさんある広い庭/ボロボロの小屋/おじいちゃんの鏡文字の日記。秋の庭が金いろになって色んなものの輪郭が光にぼやけて、ボーダーTシャツと水玉のスカートがこのうえなく似合う奇跡の処女と、ふたりで庭に広げたシーツにぐるぐるくるまって。最高だ。これ以上なにか必要ある?映画だもの、夢の世界なんだもの、これだけでいいじゃない!マルティン・シュリークのどこが好きかというと、子供の頃からぼんやり想像してた世界が映像になっている不思議。
新田畳

新田畳の感想・評価

3.5
鏡文字は幼児が書くことが多い。
外から得た文字情報を書き出す際に右脳だけで処理するために起こるらしい。
鏡文字は言語として未成熟なものでありながら、同時に未成熟であるが故の"非言語としての可能性"をも内包する。

言語が規範する場所が"庭(ガーデン)"のような区切られた物ならば、果たして人間は言語化した対象を完全に把握し支配したと言えるのか。
実際はそうではない。言語は無意識下にある広大な世界を意識下に切り出しつつも、その実は記号でしかない。

主人公は"使い古された庭"を父から譲り受けのだが、そこで想像しえなかった数多くの人々や摩訶不思議な出来事と邂逅する。

鏡文字を扱う少女、聖人修行をする羊飼い、ルソー。
様々な人物が否応なく庭への出入りを繰り返す中で、「言語批判」の哲学者ウィトゲンシュタインは学校の教師である主人公にこう言葉を送る。

「新しいことを教えるだけでなく、我々が知っている知識を整理し、分類することの方がずっと重要なのだ」と。

鏡像は誰も見向きもしなくなった場所に新しい命を吹き込んだ。
Cem

Cemの感想・評価

3.8
木々に囲まれた庭で少女が1人浮いてる不思議なパッケージに惹かれて借りました★
田舎の風景、鳥のさえずりや虫の鳴き声、綺麗な少女と様々な変わった人達が出てきて何とも言えない奇妙だけど美しい不思議なお話でした。14章にわかれタイトルもあるので良かったです、あと字幕のフォントが丸っこくて可愛い!!
大きなりんごの木の下で少女とりんごを食べてシーツに包まってクルクル回って芋虫みたくなるところ好き!ファンタジーでもメルヘンチックでもなく不思議な映画でした。お父さんと仲良くなってほっこり★
dodo

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5.0
林檎の木揺さぶりやまず逢いたきとき

なにもない、もたないと言うことは何かに満たされているということかもしれない。
私は何もかもが揃っている事を何故か煩わしく感じる事がある。

林檎の木しかないおんぼろな家がありました。
次々訪ねる人、出会う人は哲学的な言葉を残していきました。
彼には相変わらず、林檎の木以外何もありません。
けれど、穏やかに、移り行く自然と不思議な彼女と、猫がいるのです。
シンプルで、穏やかな、おとぎ話のようなお話でした。
桃尻

桃尻の感想・評価

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2017(139)
東欧ならではのグロテスク、メルヘン、ユーモア、生々しい性愛と美意識
神の存在を感じる庭
mmm

mmmの感想・評価

3.0
お互い丸坊主にしたりボクシングしたりして仲直りする場面は、父子家庭っぽさがあってほっこりする。

冗長な雰囲気は否めないが、各章がはじまるときに読み上げられる荒唐無稽なあらすじを聞くと、ついつい気になって画面に集中してしまう。
LEONkei

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4.0
人は永遠に未熟なままで良いのかもしれない…

仕立て屋の父と同居し生きる気力を失ったかのように迷える青年ヤクプ…たどり着いた先は祖父が残した田舎の廃墟とかした古い一軒家。
敷地内の庭は雑草に覆われ荒れ果てているが、そこには〝リンゴの木〟が一面に美しく力強く生い茂る。

ベッドの下から祖父が残したと思われる、逆さ文字で書かれた不思議な日記帳。
ヤクプは在り来たりの生活から何を見いだすのか。

荒れた庭…壊れた家屋…食べるモノさえない…不便で何をやるにも自分の手で1つ1つ行わなくてはならない。

あるのは庭の〝リンゴの木〟だけ。

その〝リンゴの木〟に導かれるように、可笑しな可笑しな訪問者たち。

その訪問者のひとり、少し小生意気で純真無垢な少女ヘレナに自分はココロ奪われた。

透き通ったココロとどこか冷めた印象を受け、鮮やかな藍色のワンピースを着たヘレナの虜になる。
幼く無邪気な振る舞いをするヘレナと相反し、大人の表情を見せたときはドキッとする。
ヤクプが〝リンゴの木〟から収穫したリンゴを、摘んだ籐製の籠の中に手を忍び込ませた表情が何ともいえない。

ヘレナはヤクプに何を与えるのか…何を伝えたいのか…観ている自分も自問自答する。

ルソーは言う『技術の進歩こそ人間性の堕落だ』…。

なんの変哲もないように見えてもココロ沈めて観れば、不思議な空間・滑稽な人々。

まだ熟していない青いリンゴのように、人は皆何歳になっても未熟のままなのかもしれない。

生まれた瞬間から死に向かって生きるのが生き物の宿命だが、成熟し続ける限り生きている証でもある。
リンゴのようにいつか完熟しても、人は死ぬまで完熟しないのかもしれない..★,
ルネ

ルネの感想・評価

3.0
1995年。 監督マルティン・シュリーク。

仕事をやめて実家でグダグダしてる男が、不倫したり少女と出会ったりする物語。

スロヴァキアの不思議な作品。 細かく章が別れているのだが、初めに出る
章のタイトルが、内容を全部語ってしまっているというネタっぽさが笑える。

父親とケンカした廃墟に移り住んだ男が、不思議な人達と交流しつつ牧歌的な日々を送っているまったりした展開。 知り合う少女が、ヴァネッサ・パラディとかポープ・サントヴァルみたいなロリータ系でとても可愛い。

タルコフスキーみたいに超常現象みたいのがおこったりもしてるのだが、全体的に変な作品なのでそれが自然に溶け込んでいる。

謎な作品だけど、ちょっとふわったした気持ちになりました。
Vega

Vegaの感想・評価

4.0
うん。良い。

逆さ文字の日記を見つけて鏡あてて読んだり、目覚めたら羊!庭見たら羊いっぱい!だったり、お父さん丸刈りにしたり、お父さん踊り出したり、奇跡の処女とりんごの樹の下で布にくるまってでっかい幼虫みたいになったりするとこが好きです。

哲学的な何かが隠されているようで、そんなこともない。たぶん。

鈍い緑と茶褐色の庭と、廃墟のような家で巻き起こるファンタジックな世界を特にわくわくすることもなくぼんやり見つめて時々呆れたり笑ったりしながら、最近少し刺々しかったマイハートがじわじわと丸くなるのを感じました。
たなぴ

たなぴの感想・評価

4.4
主人公のヤクプが仕事もプライベートもうまくいかず、また同居する父親にも愛想を付かされ、祖父の残した田舎の家で暮らすようになる。
その家は廃墟のように荒れ果て、草の生い茂る大きな庭にはリンゴの木が実をつけている。そこで、不思議な少女ヘレナ(映画の各章では奇跡の処女)と出会い、自分の人生とゆっくり向き合うかのように、生活をしていく話。

マルティン・シュリークの凄さは、なんともないのんびりとした田舎の風景が、何故か叙情的に観えたりするところ。
また、ものすごく世間離れしたキャラクターたちにも関わらず、それらすら素朴に映し出してしまうこと。
その雰囲気が彼にしか出せない独特さで、私はそこに魅力を感じる。

ストーリーは時が流れるかのごとく、ゆっくりと進んでいく。事実、何か変化があったかと言われると何もないであろう。メインビジュアルの通り奇跡の処女は空を飛ぶけど、それすらも不思議と日常に溶け込んでいる。
その空を飛ぶ(というより宙に浮いている)少女を見た父のセリフが、大したことではないんだけど、とても心に残っている。
ー最後には何とかなるんだなー

観終わったあと、この世界観に不思議と引き込まれてしまう。
本当に「不思議」という言葉の似合う監督だ。
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