ガーデンの作品情報・感想・評価

「ガーデン」に投稿された感想・評価

2017(139)
東欧ならではのグロテスク、メルヘン、ユーモア、生々しい性愛と美意識
神の存在を感じる庭
u

uの感想・評価

3.0
お互い丸坊主にしたりボクシングしたりして仲直りする場面は、父子家庭っぽさがあってほっこりする。

冗長な雰囲気は否めないが、各章がはじまるときに読み上げられる荒唐無稽なあらすじを聞くと、ついつい気になって画面に集中してしまう。
LEON

LEONの感想・評価

4.0
人は永遠に未熟なままで良いのかもしれない…

仕立て屋の父と同居し生きる気力を失ったかのように迷える青年ヤクプ…たどり着いた先は祖父が残した田舎の廃墟とかした古い一軒家。
敷地内の庭は雑草に覆われ荒れ果てているが、そこには〝リンゴの木〟が一面に美しく力強く生い茂る。

ベッドの下から祖父が残したと思われる、逆さ文字で書かれた不思議な日記帳。
ヤクプは在り来たりの生活から何を見いだすのか。

荒れた庭…壊れた家屋…食べるモノさえない…不便で何をやるにも自分の手で1つ1つ行わなくてはならない。

あるのは庭の〝リンゴの木〟だけ。

その〝リンゴの木〟に導かれるように、可笑しな可笑しな訪問者たち。

その訪問者のひとり、少し小生意気で純真無垢な少女ヘレナに自分はココロ奪われた。

透き通ったココロとどこか冷めた印象を受け、鮮やかな藍色のワンピースを着たヘレナの虜になる。
幼く無邪気な振る舞いをするヘレナと相反し、大人の表情を見せたときはドキッとする。
ヤクプが〝リンゴの木〟から収穫したリンゴを、摘んだ籐製の籠の中に手を忍び込ませた表情が何ともいえない。

ヘレナはヤクプに何を与えるのか…何を伝えたいのか…観ている自分も自問自答する。

ルソーは言う『技術の進歩こそ人間性の堕落だ』…。

なんの変哲もないように見えてもココロ沈めて観れば、不思議な空間・滑稽な人々。

まだ熟していない青いリンゴのように、人は皆何歳になっても未熟のままなのかもしれない。

生まれた瞬間から死に向かって生きるのが生き物の宿命だが、成熟し続ける限り生きている証でもある。
リンゴのようにいつか完熟しても、人は死ぬまで完熟しないのかもしれない..★,
ルネ

ルネの感想・評価

3.0
1995年。 監督マルティン・シュリーク。

仕事をやめて実家でグダグダしてる男が、不倫したり少女と出会ったりする物語。

スロヴァキアの不思議な作品。 細かく章が別れているのだが、初めに出る
章のタイトルが、内容を全部語ってしまっているというネタっぽさが笑える。

父親とケンカした廃墟に移り住んだ男が、不思議な人達と交流しつつ牧歌的な日々を送っているまったりした展開。 知り合う少女が、ヴァネッサ・パラディとかポープ・サントヴァルみたいなロリータ系でとても可愛い。

タルコフスキーみたいに超常現象みたいのがおこったりもしてるのだが、全体的に変な作品なのでそれが自然に溶け込んでいる。

謎な作品だけど、ちょっとふわったした気持ちになりました。
Vega

Vegaの感想・評価

4.0
うん。良い。

逆さ文字の日記を見つけて鏡あてて読んだり、目覚めたら羊!庭見たら羊いっぱい!だったり、お父さん丸刈りにしたり、お父さん踊り出したり、奇跡の処女とりんごの樹の下で布にくるまってでっかい幼虫みたいになったりするとこが好きです。

哲学的な何かが隠されているようで、そんなこともない。たぶん。

鈍い緑と茶褐色の庭と、廃墟のような家で巻き起こるファンタジックな世界を特にわくわくすることもなくぼんやり見つめて時々呆れたり笑ったりしながら、最近少し刺々しかったマイハートがじわじわと丸くなるのを感じました。
たなぴ

たなぴの感想・評価

4.4
主人公のヤクプが仕事もプライベートもうまくいかず、また同居する父親にも愛想を付かされ、祖父の残した田舎の家で暮らすようになる。
その家は廃墟のように荒れ果て、草の生い茂る大きな庭にはリンゴの木が実をつけている。そこで、不思議な少女ヘレナ(映画の各章では奇跡の処女)と出会い、自分の人生とゆっくり向き合うかのように、生活をしていく話。

マルティン・シュリークの凄さは、なんともないのんびりとした田舎の風景が、何故か叙情的に観えたりするところ。
また、ものすごく世間離れしたキャラクターたちにも関わらず、それらすら素朴に映し出してしまうこと。
その雰囲気が彼にしか出せない独特さで、私はそこに魅力を感じる。

ストーリーは時が流れるかのごとく、ゆっくりと進んでいく。事実、何か変化があったかと言われると何もないであろう。メインビジュアルの通り奇跡の処女は空を飛ぶけど、それすらも不思議と日常に溶け込んでいる。
その空を飛ぶ(というより宙に浮いている)少女を見た父のセリフが、大したことではないんだけど、とても心に残っている。
ー最後には何とかなるんだなー

観終わったあと、この世界観に不思議と引き込まれてしまう。
本当に「不思議」という言葉の似合う監督だ。
りか

りかの感想・評価

4.4
あまりに浮世離れした神秘的なパケにガッツリ心を攫まれてから数ヶ月、やっとこさ観ることができました。友人に感謝。
スロバキアの奇才、マルティン・シュリークが紡ぐ形而上のおとぎ話。 それは時に牧歌的に、時に神秘的にただそこに存在する庭として表現されています。

祖父の遺産としてその庭を訪れたはみ出し者の男とそこに洗われたミステリアスな処女との「庭」での交流が一応のメインストーリー。
起伏は恐ろしく少なく、ストーリーもこれといってハッキリせず、映画全体が薄い謎のベールに包まれています。
かと思いきや俗世っぽい修羅場もガッツリ描くというギャップ。
さらに修羅場に牧歌的ソング投入の謎のギャップ。奇才かよ!

地味にえげつない俗世界を描いた後にあの神秘的な「庭」を描く事でその浮世離れした世界観が際立ちます。映像も美しい。
静寂からのあの神秘的な音楽がたまらない。ゾクゾクする。
ラストシーンは本当に今年一番くらい地味。台詞もやりとりもすごいシンプル。
最小限の要素だけしか存在しないにもかかわらず全身に鳥肌がたちました。すごい。なにこれ。なんなのこの感覚。すごいなシュレーク!!このままエンドロールに入るセンスって本当痺れる。

日本ではほとんど知られてないそうですが、ヨーロッパではかなり評価されている監督とのこと。ヨーロッパの成熟度ぱねぇです。

ただ、本当に本当に人を選びまくる映画なので積極的にはお勧めできないのであった。
noriko

norikoの感想・評価

5.0
蘊蓄を言う哲学者に車を強奪されたり、人生の道に迷った男に添い寝をされたり、逆さ文字で書かれた日記を発見したり、少女が空を飛んだり。
普通なら摩訶不思議なことと言いますが、シュリーク映画の中では、日常の些細な出来事に見えてしまいます。
空を飛ぶとか、傷を消すとかあり得ないのですが、あり得るんです。
あるがままを違和感なく受け入れられるのです。
不思議。

どれもこれも大したことに思えず、結果として「何も起きない」映画という印象を受けるのです。
空を飛んでいるのに(笑)
物凄く牧歌的に物凄くゆったりとしたペースで物語は進みます。
決して物語は展開しません。
ただ時間軸が動くだけです。
ノンビリと休日の惰眠をむさぼるかのように、ひたすら心地よい映像に身を任せるのです。

14章に分かれている本作。
各章のはじめにこれから何が起きるのか、解説されます。
そのためこれから何が起きるんだろうというワクワク感もハラハラ感も持てず、否持つ必要もなく、ただただその映像を眺めていればいいのです。
心地よい音色とともに。
もうね、詩的な表現ですが、彼の世界を泳いでいる感覚になるのです。
彼の紡ぎだす言葉や優しい光が体を癒すのです。

新興宗教の入信儀式かしら?
お布施はどこで渡しましょう?

あぁ、こういう映画好きです。
哲学的に見えながら、言葉を拾うと大したことを言っていない。
でも何だか有り難い雰囲気。
えぇ、新興宗教のイメージビデオです。

そのため何と形容していいのか分かりませんし、何と言ってお勧めすればいいのか分からないです。
きっと100人見たら、99人はつまらないと言うと思いますし。
でもこの緩やかな感動を誰かと共有したいのです。

映画は何か起きなければいけないわけではない。
何も起きないことに美があったっていいじゃない。
2MO

2MOの感想・評価

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“第2章 堕落した町の生活を捨て 神の庭に行き さまざまな出来事に遭遇”
14章からなる、不思議の国のヤクブのおとぎ話は、放浪の旅へ出ない。
リンゴの生るエデンの園には、羊飼いや哲学者ルソー、ウィトゲンシュタイン、そして“奇跡の処女”が来訪し、息子は父との和解の時を待つ。
ドアの開いた部屋に閉じ込められた男。

映画とは、「文学にも演劇にも表現できないものが捉えられる魔術的なメディア」と、スロヴァキアの映画作家マルティン・シュリーク。

無垢と清貧の箱庭に癒される魔法の時間。


No.16
巨大な白い芋虫が野を転がるシーンエロい

北欧の闇ってなんか深いよなぁ。
陰鬱
ロリとシュールさもかかせない

最後の10分に感動した。
映画館で見なければいけない映画
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