旅するパオジャンフーの作品情報・感想・評価

旅するパオジャンフー1995年製作の映画)

製作国:

上映時間:95分

4.1

「旅するパオジャンフー」に投稿された感想・評価

柳町光男95年ドキュメント作品。

大道芸を見せ、タイガーバーム的な何にでも効くという塗り薬を売り歩くパンジャンフーなる香具師。
ナンバープレートも付いてないバンで、歌謡ショー、ダンスタイム、ジャグリング、何でもござれ。
蛇使いなど他のジャンフーも交え、逞しいその日暮らしが映し出される。

アジアを題材にした日本映画は、どうにも視点が定まらない作品が多い中、本作は特殊な生活者にじっくり寄り添い、多少の演出も交えながら美しい作品に仕立て上げ、気品が漂う。

〜〜

MJ『BEAT IT』に乗せ繰り広げられるセクシーダンスとMCの煽りがたまらなく好き。
ドキュメンタリーへの回帰か、いえドキュメンタリーの解放です 柳町光男「旅するパオジャンフー」

その名でつい意識してしまう作家の一人に柳町光男がいますが本作だけは今年初めて観ました。

意識的と言っても手放しで推奨したくなる作品ばかりではありません。

確かに「十九歳の地図」や「さらば愛しき大地」「カミュなんて知らない」は傑作でしたが「火まつり」にはどこか中上健次の世界観と見苦しく争う姿勢が目障りでしたし、「チャイナ・シャドー」や「愛について、東京」にもいかがわしさを未だに拭えません。

ですが暴走族ブラックエンペラーを追ったドキュメンタリー「ゴッド・スピード・ユー! BLACK EMPEROR」の中で炸裂した「疾走する風景」が本作「旅するパオジャンフー」には惜しげもなく広がりその日ぐらしの絶望的な楽天観が生き生きと掬い取られ元気が出ます。

この世はその気になれば毒蛇に噛まれながらも生きている者が数多(あまた)いるのです。

2005年以後まだ新作情報はありませんがまだ70代前半。耄碌するような齢でもありません。石井 聰亙(岳龍)と共に「暴動」を扇動させるような映画を2010年代後半の今こそ発表して欲しいです。
やっていることはド派手なパオジャンフー一家を追っているうちに台湾の貧困問題が見えてくる。そんな中でも家族それぞれのパオジャンフーへの想いが伝わってきて青春映画のようにも見える。たむらまさきのカメラが良い。劇映画のようなカメラワークと視点でしっかり対象と向き合っていて近さと遠さのバランスがとても良い。編集もテンポが良く、タイミングを狙いまくってそうな画の数々。これが偶然ならそれはそれで凄い。久しぶりにドキュメンタリーみた。
t

tの感想・評価

4.4
理想的な編集のリズムと何気ないショットの強力さ、香具師という被写体そのものの魅力。「工事中」同様、若いカップルが輝いておりそれだけでも満腹。ジャンプカットによる効率的な芸や口上の切り取りが心地よい。蛇使いの体の張りよう。
剛

剛の感想・評価

3.8
期待しすぎたなと言うのが正直な感想。
確かに今では見ることができない薬売り(パオジャンフー)の姿を映し出していることはとても意義があることだと思う。
しかし、それ以上でもそれ以下でもない。
家族にもっと密着し撮影して欲しかった。
雰囲気は最高。
あ

あの感想・評価

4.8
脚本ありそうだしどこまでドキュメンタリーなのかわからないけどそれも含めて嘘ん臭くて良いし、若い二人のカップルと雰囲気が最高
かな

かなの感想・評価

5.0
素晴らしい!
好きな場面だらけなんだけど、やはり夜、客を集めて芸をするところ。あの部分の熱量がすごくてそこだけ浮いているように感じた。
登場人物個性ありすぎ。私は口上師黄さんのファンになりそうだった。あの胡散臭い雰囲気たまらない。あとマンガみたいなケンカップルもおもしろく、かわいかった。
出てた人たちみんな今幸せだといいんだけど。自然とそう願わずにはいられない。たくましく生きるその背景にあるものも覗いてしまったから。
いや〜いいものを観た。台湾行ってみたい。
ド傑作! いちいち面白い。
あのカップルが結婚し、本当に1ダース子供作っていることを切に願う。
噛まれ過ぎて、指ほとんど腐ってる蛇使いのおっさんに良き出会いがあらんことを。
tk33220

tk33220の感想・評価

4.7
傑作。芸をする様子を捕らえた長回しがどれも緊張感があり素晴らしい。月琴を弾きながら道を歩いてくる老人、海ではしゃぎ回る家族、バイクを二人乗りしブランコでじゃれるカップル、机に蛇を並べ威嚇する蛇使い、口上師の家に吹く強烈な風など細部が忘れ難い。
服のセンスが好き。
でも、パオジャンフーの「旅感」は出てなかったな。
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