迫り来る嵐の作品情報・感想・評価・動画配信

「迫り来る嵐」に投稿された感想・評価

パッケージで「殺人の追憶」や「薄氷の殺人」の名前が出されているが、この映画は、このどちらとも全く違うものな気がする。

重苦しい雰囲気こそあるが、ノワールと言うよりは人間ドラマ。そして事件の解決にも重きが置かれていない、少なくとも映画の焦点はそこではないと感じた。

また1回見ただけでは全容が掴みづらく、他のレビュアーの方も書かれていたが、私もダンス会場で知り合った女性とユィの彼女は同じ女性なのだと勘違いしていた。

また話をよく理解するまで主人公の男は警察官か刑事だと思っていたのだが、後で一般人だと理解して驚いた(笑)。

モヤモヤするところはあるのだが、2回見たいと思う気持ちは強くあり、理解を深めたいと思える映画だった。また少し間を空けて見返すと思う。
1度観ただけでは掴みきれなかったので、その後すぐに分からなかったシーンを中心にもう1周した。

で、少し掴めた気がする。
事件の行方を見守る様なミステリーとかサスペンスって事だけではなく、主人公の身に起こった話って事だけでもない、
これは【中国(の人)そのものの話】でもあったんだな、と。
というか、そっちの側面が強い。
もしかしたら…ミステリーやクライムサスペンスの作品だとは「思わない方が良いかも」しれない。
「表面上はそれらのジャンルを借りた(借りざるを得なかった)作品だが、何か別種のもの」と思った方が、より興味深く鑑賞できるのは間違いないと思う。

そして2周目で初めて伏線になる画面が結構散らばっていた事にも気づいた。


自分の苗字の漢字を尋ねられての返答が「余は、余分の余」…。

メインストーリーは1997年。
97年は香港返還の年。
大きな工場のある、郊外の小さめの町が舞台。
工場萌えの身としては、思いもよらずになかなかに渋くてカッコイイ画が鑑賞できて良かった。

作品の陰鬱とした雰囲気はとても良いし、結構好み。
少なくとも、このページに表示されているポスターか円盤ジャケットの画像から受ける印象よりは、誰が観ても(この手のジャンルの作品としての)雰囲気は良いと感じるはず。
だけど若干ストーリーよりも画が先行されている感じはする。
そもそも一般人が殺人事件に首ツッコむなよ…とは言いたくなるw
一般人でああいう事が許されるのは工藤新一とか金田一一とかその他の高校生探偵くらいやで。
暗喩する為とは言え、展開に少々の強引さは感じる。

多分主人公は最初から全能感とか自己顕示欲とか成功とか、何かその類のものに取り憑かれていたのだと思う。
彼女を囮に使う等、段々とエスカレートしている自分にも気づかないし。
事件に関するオチも含め、「あの頃の自分は一体何に取り憑かれていたのだろうか…自分は何だったのだろうか…」と主人公が感じているだろう後味は悪くはなかった。

唐突に出て来た寒波の文章にしろ、その場面のバスにしろ、工場爆破にしろ、あの後味にしろ、本編とは直接は無関係な事件にしろ、引っ掛かりを持たせた他の描写にしろ、97年と08年との画面の違いにしろ、…
これらは先に記載した通り、中国で暮らす人々そのものの表現だったのと思う。
あれらが何を言わんとするのか。
あれらを肌感覚できちんと理解できるのは、多分中国の方だけではないかと思う。
自分は察する事しかできない。

そしてそういう捉え方をしなくとも、
「あの頃の自分は視野狭窄で、今思えばちょっとどうなのか…」
とか
「何日もかけて企画していた仕事が会社都合で立ち消えになってしまった、あの時間は何だったのか…」
くらいの事なら、思った事や経験した事がある人も多いと思うので、そういう普遍的な事へも落とし込めると思う。

「兵どもが夢の跡」の様な無常な様子。


先述した様に「あれ?」と引っ掛かりを持たせるシーンはかなり多い。
1番最初に2周したと記載したんだが、いくつかあった「分からないシーン」は分からないままだった。
ダンスホールの女性が笑うシーンとか。
と言うか、自分はあの女性が彼女さんなのかと、この笑うシーンが出るまで勘違いしていた。
でもそういう分からないシーンは、この作品では結論を出さずに分からないまま抽象的に、感覚的に捉えたままで良いのだと思う。

彩度が落とされた少し暗めの画面や、先に記載した通り雰囲気が良かった。
カメラワークも雰囲気に合わせて凝っていたと思う。
よく降る雨も効果的で、雨の中、半分外な場所(テラス席って感じではない)での食事シーンも印象的。
古い建物(集合住宅)や、彼女が床屋をオープンさせた街も味があって好き。
あの街の、1本入ったら真っ暗な感じ…1人で歩くのは危ない感じ…ええな。
彼女の部屋のあの雑多な感じもいいな。

主役のドアン・イーホンは山崎育三郎に少しだけ堺雅人を足して、更に若干疲れさせた様な顔だなぁと思った。
なかなかイケオジ。役柄的にはそれを覆い隠してるけれどね。
彼女さん役のジャン・イーイェンも綺麗だったなぁ。
アンニュイな雰囲気の演技が良かった。
中国の女優さんて綺麗な方が本当に多いよね。
そして少々疲れてしまっている警部さん役のトゥ・ユアンの演技がとても良かった。
仮にこの作品がアメリカ製作アメリカ人キャストだったとすればモーガン・フリーマンが演ってそうな役。
雰囲気に重みが出る。

97年から北京五輪のあった2008年までの10年と少しで、中国はかなり様変わりした印象を持っている。
2008年から現在までもそう。
外からでもそう思うのだから、実際に暮らしている人にとっては目まぐるしい時代だったと思う。

監督はこの作品が長編デビュー作だという事で。処女作でこの仕上がりは凄いわ…。
次の作品も楽しみにしたい。
Sachiyo

Sachiyoの感想・評価

2.8
香港返還
殺人事件

犯人を捕まえる事に
執着してしまった男の
結末までを描いた作品

ずっと雨のシーンで暗いシーンが
とりあえず多いです。

警察じゃないのに犯人を追うのは
危険だし大切な人、大切な事すら
見えなくなる主人公
その点の主人公の演技はなかなかでした◎

個人的にストーリーはちょっと残念
犯人どうこうじゃないので
殺人犯を追う映画としては△

迫り来る嵐=犯人に執着してしまった男に迫った悲しい人生

警察だったならもう少しスコア高かったかな
Ninjasan

Ninjasanの感想・評価

3.0
うまくできてるとこもあるし、なんでそうなった?てってともある。
わたしの頭が悪いのか?

このレビューはネタバレを含みます

執着しすぎた男の末路。
雨ばかりで不気味さが増しよかった。
似た感じの殺人の追憶(韓国)よりは、かなりよかった気がする。
gia

giaの感想・評価

2.9
警察気取りの保安員のせいでみんな不幸になる作品。

モヤモヤ感が抜けない
ぶるた

ぶるたの感想・評価

2.0
どこがノワール、なんか違う。
墜ちた雰囲気は、よく出てたけどね。
けいこ

けいこの感想・評価

2.7
工場の警備員ユィが連続殺人の犯人を追う話。

捜査に協力という名目で、公安に何かと首を突っ込むウザさ😂
しまいには仕事をクビになり、やけになったのか独自に容疑者特定からの暴走😵

香港返還で沸き立つ一方、こういう閉ざされた地域がいっぱいありましたよ
ということだったのかな?
ちょっとよくわからなかった😅
まほに

まほにの感想・評価

3.7
工場の保安部で働く身でありながら婦女連続殺人事件に捉われのめり込んでいく男
丁度雨の日に鑑賞したので作中のひたすら雨が降り続く様子と外の雨音とリンクしてより陰鬱な雰囲気を楽しめた
他の方のレビューにもあるけどどこか殺人の追憶を彷彿とさせられた
殴打した後の重苦しい感覚と全体的にも自分には好きな空気の作品だったのに、ジャケットの安っぽいダサさが勿体無い。
えりみ

えりみの感想・評価

2.5
WOWOW録画。
韓国ノワールならぬ中国ノワールを期待してたんやけど違うかった😥
梅雨時にみるとますますジメジメ鬱々とするので今時期はオススメしない☔
ずーっとドンヨリしてて雨が降り続ける映画☂
1997年中国の田舎の工場地帯が舞台。
1997年と聞いて「香港返還の年」てピンときゃあへんかったらアカン💧
経済発展に向けて社会が激変した1990年代後半の中国国内は結構ザワザワしてたのよ…っていうのがテーマっぽい😵
それで女の人が「香港に行って云々」みたいなシーンがあったのね🚬

刑務所出所直後の男からスタート、結構長く収監されていた様子が伺える。
ここが2008年やったんか。
そこからメインの1997年に戻る感じ。
主人公のオッチャン兄ちゃんは通称ユイ探偵😲
実は私立探偵でもなく警官でもなく
大規模工場の警備員🏭😨
職場の近所で起きた殺人事件を連続殺人事件か‼と嗅ぎ回り先走る迷探偵😓
この時代はまだポケベルなんや📟
昇進やなくて、昇職っちゅうのが中国らしい😶職業選択の自由は無いのね。
事件は起こり続け、
年配の警部の後をくっついて回る迷惑探偵。
かと思ったら迷探偵に彼女が出来たり、また彼女を利用してモニャモニャしたり、
でもずっと雨は降ってて…
ウワッ😲いきなり大規模整理解雇始まったよ😱
なんか知らんけど迷探偵大暴走
………
そしてオープニングシーケンスに戻る、と。
勤めてた工場のどんよりした爆破解体ショーがあって、
南部はもの凄い寒波だったそうで☃
…え❓
これはもう現代中国経済史を勉強してからみるべきやったんでしょう、そうでしょうきっと。
めちゃめちゃ乾燥してて雨乞いでもしようかなって時にみればいいと思う☀
若しくは愛する人を失った後にみればええのか🤔
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