迫り来る嵐の作品情報・感想・評価

「迫り来る嵐」に投稿された感想・評価

期待外れの一作。濃厚なミステリー劇想像したが、実は中国の時勢を反映した時代ドラマ風。謎も中途半端。社会性も中途半端。ラストの冷害が中身に結びつかない!
msy

msyの感想・評価

4.0
うわあ。難しい。
香港返還から10年間の中国の
社会情勢に無知で分からないことだらけ。

一応、連続殺人事件がモチーフですが
描きたいのはそこじゃなくて
ゾディアックみたいに面白くもなくて
あの時代の中国を
激しい郷愁誘う空気感で表した
アート作品だと思います。

ゾディアックとは全く違うアプローチですが
映像と音楽は巨匠に引けを取らない
すごいハイセンスです。
「ええっよく分かんない」
「ずっと雨で暗くてイライラする」
の後に、
アートを堪能した官能が追いかけてきます。

謎解きのトキメキも散りばめてありますが
掴もうとするとふわっと舞い上がって
空中に逃げていく。
本当に空気を味わう作品でした。
すごい監督が現れましたね!

気になった点はネタバレコメントに
書いておきます。
IPPO

IPPOの感想・評価

4.0
劇場にて観賞。アジア映画好きをざわつかせている(いない?笑)映画という事で…。

そうね、他の方も言うように『殺人の追憶』に通じた世界観。さらには『母なる証明』にも似たポン・ジュノ的な鬱蒼とした物語と映像美。
ストーリーはやや退屈ながら、工場を何かのシンボルのように見せ、ひたすら雨雨雨の映像世界に魅了。

主演の俳優さんは、時任三郎×板尾創路×ディーンフジオカ×斎藤工に見えて見えて仕方なく、イケメンおじさんなのである。

しかし韓国映画に慣れ過ぎた自分としては、ストーリーや演出に暴力、残虐、権力による陥れ、剥き出しの性欲…もっと入れてくれよ!メリハリがねぇよ!と突っ込みたくなる塩味感も否めず…でした。
三樹夫

三樹夫の感想・評価

3.7

このレビューはネタバレを含みます

工場町で連続強姦殺人事件発生。工場の保安課の主人公は野次馬根性丸出しで事件に首を突っ込んでいき、陰鬱な世界へ突入していく。作中、天候は曇りか雨でどよーんとしており、厭世観を煽る。この映画は『セブン』と『殺人の追憶』を想起させる。俺はこの映画はどっちらかといえば『セブン』に近いと思う。警部のおっさんは『セブン』のモーガン・フリーマンのような役で、完全に厭世観にとらわれていて、この世にうんざりしている。夫が妻を殺す殺人事件で、観客も警部のおっさん同様厭世観にとらわれる。残された幼子はどうするんだと、さらに追い打ちをかけるように観客を陰鬱な気持ちにさせるこの映画の姿勢はさすがだ。この映画の狙いとしては、観客を陰鬱な気持ちにさせ厭世感へと誘い眉間にしわ寄せて、天地茂みたいな顔で劇場をあとにさせるものだ。

犯人を追いかけて部下が落ちたところが主人公にとっての分かれ目として表現されている。あそこで部下の方へ大丈夫かと行っていれば、地獄にどっぷりつかることもなかっただろう。はっきり言って、主人公のせいで部下は死に、ここから残りの1時間は完全に陰鬱さがすべてを覆う。主人公は死んだ目になり、軽いジャブだといわんばかりに大量リストラで主人公もクビ。主人公は犯人を捕まえれば何か救われるのではないのかと、犯人逮捕に救いを求めだし、もはや誰が犯人とかはどうでもよくなっているように思える。とにかく“犯人”を捕まえればいいと引き戻せない境界へと行ってしまった。イェンズを囮にして、陰鬱なシンデレラみたいな捜査方法で犯人の目星をつける。そして目星をつけた男をボコボコ。このボコボコにするシーンだけ今まで曇りか雨だった空に少しだけ光がさしており、完全にあっち側に行ってしまった主人公にとっての唯一心が少し軽くなる瞬間となっている。しかし、主人公がボコボコにした男は犯人ではなく、犯人は主人公が靴をもぎ取ったその日にトラックにひかれて死んでいたという救いの無さ。イェンズは自殺するし、観客も主人公同様、映画が始まってだんだん目が死んでいく。
細かいところでも嫌な気持ちにさせる映画で、主人公がボコボコにした男は死なず一生寝たきりという、この映画の陰鬱さを増加させるものだ。警部のおっさんも倒れて廃人だし、死なずに苦しみが長く続くという陰鬱さを感じさせ観客をどんよりさせる。
主人公にとってのハイライトは97年度の表彰スピーチなわけだが、元工員のジジイからは知らないといわれる。あのシーンは他人からしたら覚えてないほどどうでもいいことで、主人公が唯一持っていた光さえも粉々に壊れたというシーンだと思う。主人公の妄想だったという可能性もあるが。そうなると犯人もトラックにひかれた男が本当に犯人だったのかは、100%そうであるとは言い切れない。観客に委ねるという映画であると思う。
連続殺人事件に執着した男の末路。これでもかと言わんばかりに悪い方向へ。現実か、妄想か。
ずっと雨降ってて色味も暗いし内容も重いからどよーんとした気持ちで帰宅。
中盤眠ってしまった…。
roro

roroの感想・評価

3.5
韓国映画と勘違いし観た中国映画。

今までみた中国映画の中でも、上位にはいる良作!
話の展開、終わり方、
雨や雪の演出、全部好き。

頭動かさないといけない映画だから好き嫌いは別れるかも。
時代の波に遅れ行く鉄鋼の町で起こる連続婦女惨殺事件。
その謎を追う男の切ない恋愛映画でもある。

ずっと雨が降り続ける画面と、さっぱり解けない謎を鬱陶しく感じるか。
中国版フィルムノワールの新たな萌芽と捉えるか。
董越監督は、迫り来る嵐のような国家開発・経済成長に翻弄される人々を描出したいのかもしれない。

ヒューマントラストシネマ有楽町の暖房設定温度が低かったのかもしれないが、薄ら寒さに震えた。
この手の伏線回収お任せ映画の中ではちょい微妙。雨降り過ぎ☔️
ten47

ten47の感想・評価

3.7
他の類似作品と比べる人多いし気持ちわは分かるけど、これは一作品として独立していると思う
雨で事件が難しくなる要素が終始しっかりしていてオチの工場のシーンも良かったけど、中盤では愛か事件解決かどちらの事に焦点を当てたいか中途半端になってしまったと思う
109mania

109maniaの感想・評価

4.0
殺人事件の真相を追う男が、たくさんのものを失っていく話。正義感とは少し違う感情に導かれ、結果的には思いがけない悲劇、身の破綻につながっていく。全編を通して雨のシーンが多く、重苦し暗い雰囲気を作っているのがストーリーともとてもマッチしている。
カラーの映画なのだがモノトーンに近い色調。自分勝手な男の理屈で女を不幸にするところも含め、日本映画の麻雀放浪記が思い出された。
きっと中国の今、様々な矛盾や閉塞感などを暗喩的に表現しているのだと思うのだがそのあたりはあまり詳しくない。
映画としてクオリティはとても高いと感じた。
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