革命の子どもたちの作品情報・感想・評価

革命の子どもたち2011年製作の映画)

Children of the Revolution

上映日:2014年07月05日

製作国:

上映時間:88分

3.2

あらすじ

1968年、学生たちによる革命運動のうねりのなか女性革命家として名を馳せた重信房子とウルリケ・マインホフ。ベトナム戦争で行なわれた虐殺に戦慄した彼女たちは、世界革命による資本主義勢力の打倒を目指し、それぞれ日本赤軍とドイツ赤軍を率いて活動した。本作はふたりの娘である作家兼ジャーナリストの重信メイとベティーナ・ロールが、母親である房子とウルリケの人生をたどり、現代史において、最も悪名高きテロリスト…

1968年、学生たちによる革命運動のうねりのなか女性革命家として名を馳せた重信房子とウルリケ・マインホフ。ベトナム戦争で行なわれた虐殺に戦慄した彼女たちは、世界革命による資本主義勢力の打倒を目指し、それぞれ日本赤軍とドイツ赤軍を率いて活動した。本作はふたりの娘である作家兼ジャーナリストの重信メイとベティーナ・ロールが、母親である房子とウルリケの人生をたどり、現代史において、最も悪名高きテロリストと呼ばれた彼女たちの生き様を独自の視点から探ってゆく。母親たちが身を隠すなか、ある時はともに逃走し、誘拐されるなど、メイとベティーナは過酷な幼年期を過ごし、壮絶な人生を生きてきた。再び民主主義の危機が叫ばれるなか、彼女たちは自身の母親たちが目指した革命に向き合う。 彼女たちは何のために戦い、我々は彼女たちから何を学んだのか?

「革命の子どもたち」に投稿された感想・評価

わからない世界だが、人生というドラマがみえた
土偶

土偶の感想・評価

3.0
重信房子の少し年上世代の母曰く、心情的左派が多かったベビーブーマー前後生まれから見ると、彼女はアイドル的存在だったらしい。評価は別として笑顔の写真が多いアナーキストは珍しい。
ドイツ赤軍と日本赤軍の各女性リーダーたちの娘が見る母への想いがこれほど違うことに、驚かされた。
ドイツ赤軍のことは「バーダー・マインホフ 理想の果てに」というウルリケを主人公にしたドイツ映画で時系列に事前学習できる。

このレビューはネタバレを含みます


その活動の善し悪しは別としても、今から45年前の日本の若者たちはエネルギーが満ちあふれていた。

自分たちが力を合わせれば日本を、そして世界を変えられると本気で考えそれを行動に起こしていた。

大学の学費値上げ反対運動からベトナム反戦、日米安保反対と発展し暴力を伴った学生運動が隆盛を極めた。

本映画で取り上げられた重信房子はそのような学生運動のまっただ中にいた人物だ。

学生運動に参加し、共産主義者同盟に加入。その後、レバノンに渡り日本赤軍を結成。 パレスチナ解放人民戦線とともにイスラエルと戦った。

長らく国際指名手配されていたが、2000年に日本に不法入国し、大阪に潜伏していた際に逮捕され現在は懲役20年の刑に服している。

『革命の子どもたち』は、日本赤軍のリーダー重信房子の娘である重信メイとドイツ赤軍のリーダーウルリケ・マインホフの娘ベティーナ・ロールに焦点をあて、彼女たちが革命家の娘としてどのように波瀾万丈な人生を歩んできたか娘から見て母はどのような存在であったかを語るドキュメンタリー映画だ。

ドキュメンタリー映画の価値とは力なき者の声を代弁することであると考えている私はともにジャーナリストであり、本を出版し、メディアにも積極的に露出している二人に自分たちの生い立ちや母への想いを語らせるという企画自体にはあまり意義を感じなかったが、当時の時代背景を感じることができる映像、そして、母への想いが対照的な二人が日独の対比構造の中でインタビューに答えるという構成は面白みを感じた。

よくアメリカ人の友人にクレイジーだと言われる日本人の行動の一つに「引責自殺」というものがある。

家族や身内の罪を背負い、自らの責任として自分を責め自らの命を捨ててしまう行為である。

儒教思想と「恥」の文化が融合し、身内の罪は自らの罪ととらえてしまうのである。

重松房子の娘の重松メイが日本を初めて訪れたのは彼女が28歳の時。

それまでは国籍の名前も変えて中東を転々としながら過ごしていた。

彼女が「母は国際指名手配された犯罪者」というレッテルに怯えて細々と生きるのではなく、重信メイ個人として、
パレスチナ問題を専門とするジャーナリストとして多くのメディアに登場するのはやはり一神教の国で育った事に由来するように思う。

キリスト教にしろ、イスラム教にしろ
一神教を信仰する社会では、唯一絶対の存在である「God」と「個人」との契約に則って日々の生活が営まれる。

「個」としてどう生きるかを強く意識する。

母は母としての生き方があり、娘は娘としての生き方がある。

これは、日本社会で育っていたら生まれてこなかった考え方だろう。

彼女(重信メイ)は言う。

母(重信房子)の時代には、何か世間に訴えようとすればマスメディアの注目を集めるために事件を起こし、声明文を出し、問題定義をしなければならなかった。

しかし、今は違う。

個人が情報発信をする手段は多様になった。

インターネットで情報や自身の考えを
ばらまくことができる。

海外の人たちに伝えられるチャンスがあり、正義のために戦う別の方法がある。


私もニートが生きやすい社会を創るために、正義の戦いを続けていこうと改めて決意した次第である。
日本赤軍とドイツ赤軍の女性活動家を母にもつ、2人の女性のドキュメンタリー映画。2人の間で、母親に対する思いが、正反対というくらい大きく異なる点が興味深かった。
たまこ

たまこの感想・評価

3.0
前々から、重信メイさんが、なぜ母親を全く恨んだり、恥ずかしく思ったりしていないのか不思議だったので、この映画を観ました。
もう1人のドイツ人女性との、母親への思いの対比が興味深かった。
ぐち

ぐちの感想・評価

2.4
興味深い題材だけど、革命家の子供よりも革命家自身の説明に映画の半分くらいを使ってたのがちょっと残念。
仕方ないし、私も彼女たちの親について知識がないから知りたい情報だったけど、やっぱりその子供であることの心情や現状にもっと踏み行ってほしかった。
でも特にベティーナさんは、母について深く話したくないように感じたので仕方ないのかもしれないけど。
重信さんパートは当時の生活の様子とか、異なる文化圏を跨いできた経験とか、どこにも国籍がなくて寄る辺ない感じが伝わってきて興味深かった。

しかし圧倒的に映像資料が少なくて…ニュース・資料映像とインタビュー映像が大半だと書籍でもよかったのでは?と思ってしまう。
当時の映像が少ないのは仕方ないから、他の映像ならではの表現を模索してほしかったなと、同日に『消えた画』の素晴らしい表現法方を観たからよけい思う。

このレビューはネタバレを含みます

メモ〉重信メイの生い立ちと母

◎解放戦士として生きることと同じように教育も大事。幼稚園、小学校と通いコミュニティの子供たちと関わりを持つ。教育は武器だ。

◎ジュニア時代、水泳の選手でオリンピックも見えるところにいた。しかし素性がばれてしまうと命が危ないのでひっそり引越し。

◎どんなに親しい友達にも、自分の生い立ちについて嘘を付かなければいけない辛さ。

◎激動の人生のなかで同世代の友達に巡り合ったことは助け。

◎母の逮捕後、弁護士に真っ先に保護を求めたのは娘のこと。娘を産んだ経緯についての手記を出版。存在しない子どもだった娘を証明する手段だったのか。

◎娘は母の逮捕後、日本に来てはじめて赤軍が悪者だというイメージを知ったのではないか(弁護士)

◎よい母親でよい教育者で尊敬している。

◎日本での再会は桜の季節。子供の頃から母に桜の花の話は何度も聞いていた。ひと枝持って面会に。本来は禁止だが看守も特別に許してくれた

◎事件を起こし犯行文を発表することでしか主張を広く伝えられない時代は過去。今はインターネットやその他、意見を表明する場がいくらでもある。

◎赤軍メンバーとは違う方法で母を支えたい。出所後のためにお金も貯めているようだ。
苺

苺の感想・評価

2.8

このレビューはネタバレを含みます

いくら主張が正しくともそれを訴えるために手段を選ばないというのはやはり…。ウルリケ・マインホフの娘のセリフ「テロリストはヘロイン中毒に似ている」と重信房子の娘のセリフ「今はメディアに注目されるには(インターネット等)数多くの方法がある」が印象的。何が正しいのか分からないのですごくモヤモヤが残る映画だった。色々考えさせられる。
1960年代末から70年代にかけてそれぞれドイツ赤軍と日本赤軍を率いたウルリケ・マインホフと重信房子。
ある人々には革命家で希望、ある人々にはテロリストで恐怖のアイコン。
そして娘を持つ母親。
数奇な運命を辿った二人の娘が語る母親像が実に興味深い。
共に過した時間の違いか、母に対する娘たちの想いにも微妙に温度差がある。
ある意味で母の信念を継承してる重信メイさんに比べて、マインホフの娘のベティーナさんは少し突き放したスタンス。
二人の娘が共にジャーナリストという道を歩んでいるのも不思議な縁だ。
母たちの過去は、やはり断罪されてしかるべきだと思うけど、心情的には全否定も出来ない。
映画も結論を出そうとはしてないし、今まで知られていなかった彼女らの人物像を提供し、考えてもらおうという姿勢。
そもそも線引き出来ない話だからこれで良いと思う。
しかしマインホフが頭痛持ちで、脳手術してから人格が変わって過激派になっていったというのには驚いたな。
事実は小説より奇なりと言うが、まるで手塚治虫の「MW」みたいじゃないか。
UPWOODS

UPWOODSの感想・評価

3.5
映画「革命の子どもたち」。革命家の女性の母としての側面を描いた物語としても、その子供の苦難に満ちた半生を描いた物語としても観れるのだが、その物語自体から“これをお前はどう感じ、どう考えるのか”と問われている感じだった。凄く人間そのものについて考えさせられる映画だった。
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