世俗に呑み込まれ没落していく哀しい貴族の物語で、太宰も描いてきたモチーフだ。
柳永二郎のモラハラ夫はどこまでも憎たらしいが、抗えない女の性を木暮実千代が淫靡に演じる。濡場こそないのだが初期の日活ロマ…
溝口健二にとっての戦後ということなのかなと思わせる。つまり上原謙の役どころがポイントで「民主的な」言葉で励ますだけの戦後民主主義で現実的な力に乏しい。ドMな雪夫人は、その出口なき官能性という船橋的「…
>>続きを読む縁側の襖を利用して一枚の絵画のように場面を撮っているのが好きだった。廊下でローアングルから人の動きを追う場面も上手い。床に置かれている物の配置やクライマックスの霧の出し方も巧み。女性の描き方が今から…
>>続きを読む1950年の溝口健二監督作品、76年も前の映画だ。
今の時代、このように情念や愛憎を正面切って描く作品はそう無い、あっても不倫やドロドロ系の関係性の話になり、本作のように人間の内面に食い込んでくる…
騒動の最中にある奥様を主人公にするのではなくて、それを傍から見つめている女中を主人公にすることで、より一層救われなさがあった。溝口の撮る女性の肌の色気がすごい。格式高い舞台、映像でありながらドロドロ…
>>続きを読む朝霧が湖の方に向って流れ、立ち込めるロングショットからそのまま久我美子まで長回しで寄るところからしてラストシークエンスの出来がほとんど完璧と言える。『雨月物語』の例のショットに発展されたであろう、あ…
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