クワイヤボーイズの作品情報・感想・評価

「クワイヤボーイズ」に投稿された感想・評価

shibamike

shibamikeの感想・評価

3.0

このレビューはネタバレを含みます

「"炉端猿鳥血(ろばたさるとりち)"の映画?」

江戸時代、不治の病に冒された殿様がいた。国中の医師達が匙を投げる中、古くからの言い伝えである"秘伝の万能薬"が最後の望みに。万能薬の作り方は猿と鳥の生き血をかき混ぜ、炉端で温めれば完成で、早速殿様に服用させる家臣達。殿様の運命やいかに…!

みたいな映画かと思ったら、そうではなく、「"ロバート・アルドリッチ"の映画」であった。しかもタイトル「クワイヤボーイズ」だし。


ロサンゼルス市警?の日常が描かれる。
ユーモアはバンバン下品なのが飛び出すし、一般市民もバンバン死ぬし、取り扱う犯罪も殺人とかの凶悪犯罪ではなく、売春とか飛び降り自殺とかSMクラブ摘発とか変テコなものばかりで強烈さを感じた。ユーモアは案外笑えたので良かった。

主人公?の警官ウェーレンを演じている俳優が映画「合衆国最後の日」の大統領役だった人で、役者って色んな顔になるなぁと面白かった。

一筋縄ではいかないクセのある警官しか登場しないのであるが、そんな中でもロスコーという警官は特にヤバい。極度の癇癪持ちで、3秒あればマジ切れするような瞬間湯沸し器。警官の職務である"市民の平和を守る・維持する"の真逆を突き進むかのようにトラブルしか引き起こさない。飛び降り自殺寸前の少女説得のシーンでは説得に応じない少女にしびれを切らし「死ぬ勇気ないんだろ!飛び降りるんだったらさっさと飛び降りろ!」と言い放ち、少女はロスコーをなんとも言えない表情で見て、そのまま飛び降りた。「…まぁ仕方ない。」とロスコー。おい!
劇場内に何とも言えない寂しい笑い声が響いた。

ベトナム戦争の後遺症でマゾヒストになってしまい、SMクラブの常連になってしまったイケメン警官のバクスター。同僚のサムにそのことを知られてしまい、翌日に拳銃自殺。マゾヒストがばれたどうこうよりもベトナム戦争の後遺症で神経が限界だったのであらう。というかSMクラブくらいいいじゃん!

終盤は閉所恐怖症かなんかでベトナム戦争の記憶がフラッシュバックしてパニックになったサムが一般市民を射殺してしまい、それを警官みんなで庇うという「それいいの?」という展開。さすがに事件は隠しきれず多くの警官が謹慎やらの処罰を受ける。
が、最後の最後でウェーレンが副総督を巧みにやり込めて、警官みんな復職になり、ウェーレン達の爆笑で映画は終わる。なんか警官の身内意識の強さが感じられて自分は好ましく思えなかった。が、世間から疎ましく思われがちの警察というのは同僚同士身内で肩を寄せ合わせずにいられないのかも、と思うと複雑。

ユーモアとかギャグが過激なのも、悲惨な事件を目の当たりにしすぎて、そのショックを中和するためなのかもしれない。ウェーレンの台詞で「警官の資格はユーモアと…(あとは失念)」とユーモアを重視しているものがあった。笑い飛ばす気概が必要なのであらう。

残り半年で定年を迎えるベテラン警官ウェーレンは嫌味な上司達から攻撃を受ける時に必ず「年金」の話を持ち出される。
「これ以上たてつくなら、お前に年金は支給されないようにしてやるぞ!」とかそういった脅しを上司達はウェーレンに言う。
とりあえず仕方なく働いているサラリーマンが会社勤めを我慢している理由の一つに「年金支給」があると思う(ボーナスとかもそうかも)。ここいらを「んなもんいるか!ボケ!」と強がることができれば、日本からブラック企業や過労死などの問題は劇的に減ると思う。が、やはり老後に人並みの暮らしをしたいと思うのがやはり人情であり、勤め人の辛い所であるよなぁと思った。
nagashing

nagashingの感想・評価

4.0
この芸達者で顔面の個性豊かなメンツが雁首そろえているだけで満足。PC的にはもちろんアウトなガチクズっぷりと一体の野卑なバイタリティー。画も話もうるさすぎて、登場人物の多さやごちゃごちゃした構成がマイナスにならない。人種・性的マイノリティーのあつかいが(ちょっとだけ)改善され、浅慮で狭量な傲慢さがちゃんと仇となり、仲間との友情が強調され、上司への反骨精神が発露する終盤の急激な人間性の快復に笑う。ラストのチャールズ・ダーニングの小躍りハイタッチがかわいい。
ほんとに下品な映画でかなりきついとこもあるんだけど、ベトナム戦争のトラウマがフラッシュバックするシーンの緊張感なんて大したものですよ。

スラムで喧嘩していた黒人とメキシカンが結託して警官ボコるとこととても良い。
ラストのストップモーションも可愛らしいし、こういう愉快な暴力のバランスを保って進めてほしかった。
mmm

mmmの感想・評価

3.0
売春婦の黒人がずっと「ガッデーム!」って叫んでるとこ、売春係の警官の笑い方、デブの警官がガチクズなのには笑ってしまった。

ベトナム戦争のトラウマとかの設定とラストのどんでん返しはガチの蛇足だから削るべき。

OPとEDは超最高
tokio

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3.8
Rec.
❶18.09.16,国立映画アーカイブ/第40回PFF:女も男もカッコいい!今こそアルドリッチ
深川

深川の感想・評価

5.0
やりきれなさばかりが後に残る。表向き痛快なように見える、最後のチャールズ・ダーニングの立ち回りにさえ「せめてもの」の影が付き纏う。
dude

dudeの感想・評価

4.0
警察組織や男社会をさんざっぱら嘲笑いながら同時に包容力も感じさせるアルドリッチ節。
愚かな日々の中で深く検討されてこなかったもの。人種、性的指向(嗜好)、PTSDなどテーマはごちゃごちゃしてるが結局のところ抑圧はクソってことでいつもの上司との対立に託す。仲間が死んで年金を盾にされて、それでも跳ねて笑ったあの瞬間。最高のストップモーションじゃないか。
一

一の感想・評価

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“Give me five!!!”から男たちの高笑いが延々と鳴り響く至福のエンドロールへ。バート・ヤングのそれだけで僕はずっと笑っていられる。
紫色部

紫色部の感想・評価

3.0
2018.9.15 国立映画アーカイブ(35mm)

チャールズ・ダーニングの漢気に泣く… 的な流れには全然ならない着地(跳躍!)が最高。反復地点における悲劇への反転も巧い。キャラの濃さでも高笑いコンテストでもバート・ヤングの優勝🏅
AS

ASの感想・評価

4.0
チャールズ・ダーニング/ジェームズ・ウッズ/ランディ・クエイド/ルイス・ゴセット・Jr/バート・ヤングといった錚々たる顔ぶれの警官による非倫理的な日常を、喜劇として肉付けしていく事で警察組織の腐敗を告発。人種ネタ多し。
確かに緩慢な印象は否めないが、アルドリッチの反骨精神が随所に見え隠れし「くだらない」「退屈」と切り捨てるには惜しい作品ではある。
何人も死んでるのに爆笑ENDってのがすごい
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