ハッスルの作品情報・感想・評価

「ハッスル」に投稿された感想・評価

Redick4

Redick4の感想・評価

4.4
70年代のロサンゼルスの情景を垣間見ることができ、とても勉強になる作品。ニューシネマな要素が強いが実はバートレイノルズが演じている男は70年代の移り変わるロサンゼルスに取り残されてしまった男であり、テーマとしては対極にある。最後の最後に正義を取り戻し古き良きアメリカを体現しようとした主人公フィルの姿とニコル(カトリーヌドヌーブ)の表情はとても印象深い。また、エンディングをドラマチックな曲にしているのはニューシネマの時代でありながら懐古的な男フィルにマッチしていると思う。

ボールトーマスアンダーソンにはおそらくとても強い影響を与えた作品であろう。
dude

dudeの感想・評価

4.1
面白い。『傷だらけの挽歌』とか『クワイヤボーイズ』とかこういうのあるからアルドリッチ好きなんだよな。テレビで観る『白鯨』、娘が出演したポルノなど、映画が人間に与える影響を微妙なものとして扱っている信頼感。
an

anの感想・評価

3.7
ちょっとテンポ悪いし音楽ところどころおかしいし悪漢エディ・アルバートもあっさりな結末で、アルドリッチ節健在ながらも少し物足りず。しかしバート・レイノルズは特別なことしなくても映えるいい役者だなあと今更ながら。
追悼バート・レイノルズ(1936-2018)...

いわゆる朝鮮戦争は1950年6月25日に始まり、戦乱は、1953年7月27日に北緯38度線を軍事境界線とする休戦協定が結ばれ、朝鮮半島が南北二国に分断されるまで続くが、戦争状態はまだ続いている。今年(2018年)の4月27日に、板門店で第3回南北首脳会談が開かれ、文在寅大統領と金正恩朝鮮労働党委員長による「板門店宣言」が発表されたが、まだ平和条約にはいたっていない。かれこれ68年も戦争状態が続いているというわけだ。

ベン・ジョンソンが演じるマーティは、そんな朝鮮戦争の帰還兵。彼が負傷して帰ってきたときに、不倫をしていた妻のもとに生まれた娘が二十歳ぐらいになるのが、1970年代の半ば。父がPTSDを患っているとすれば、そういう環境にあった娘も心に深い傷を負ったまま育つ。しかも舞台がロサンジェルスとくれば、ついリンチの『マルホランド・ドライブ』や、カサベテスの『チャイニーズ・ブッキーを殺した男』を思い出してしまうし、明るい映画ならデイミアン・チャゼルの『ラ・ラ・ランド』、その裏側を描くものとしては、それにもうすぐ公開のミッチェルの『アンダー・ザ・シルバーレイク』などもある。

ショービジネスの街ってやつは、そんな娘に無限の可能性を与えるとともに、簡単に命が損なわれるような危険があたりまえ、もっとも聖なるものが、もっとも俗悪なるものによって錬成される。そんな「聖林」と呼ばれる場所に、バート・レイノルズの演じるフィル・ゲインズ警部補と、カトリーヌ・ドヌーヴの演じる高級娼婦ニコールが、悲しいまでに似合うのだ。

それにしても、あの海岸に打ち上げられた娘の死体を発見する子どもたちのなかには、もしかするとヴェトナム帰還兵のもとに育っていたのかもしれない。そして、そのかれらが成人するころには湾岸戦争(1991年)が始まり、9/11のテロがあり、アフガン紛争からイラク戦争へと、おそらくベン・ジョンソンのマーティの悪夢が繰り返されてゆく。

そうなのだ。それでも天使たちの街、ロス・アンジェルスでは誰もがハッスルし続けている。そしてもちろん、天使たちの表情は、あのベンヤミンの歴史の天使と同じように、驚きと悲しみに目が見開かれているにちがいない。

p.s.
レイノルズの piazza del popolo の発音はなかなかのもの。でもレイノルズが「ヴァロポリチェッロ Valpolicello 」と間違えたワインの名前を「ヴァルポリチェッラ Valpolicella 」と訂正するドヌーヴの笑顔に、ついつい、レイノルズとマストロヤンニの顔が重なってしまった。
紫色部

紫色部の感想・評価

3.0
2018.9.7 CS

RIPレイノルズ… ベランダで「いつかイタリア行こうね〜」って約束し合いながら夜の街を見つめるドヌーヴとレイノルズのアップショットが好き。娘の死んだ両親の家に相棒と訪問するシーンでの沈黙→家の外の音が入ってくる演出も凄い。
ギトギトしたしつこい暗さがあるが『悪徳』なんかよりはずっと面白い。
レイノルズとドヌーブの痴話喧嘩のファイトシーンが迫力あって良い。

ボーグナインが立派な肩書持ちなんて…と思ったらいつもの凶暴な笑顔で下品なジョークを飛ばしてきたので安心した。
ロバートアルドリッチ監督バートレイノルズ主演だから爽快なポリスアクションを期待するが、全く違う!どちらかというとロンググッドバイみたいなミステリーというかラブストーリーというか異色作。やたらとカサブランカ、白鯨、スパイ大作戦と過去の名作のオマージュが出てくる。ポールトーマスアンダーソンのインフィアレントヴァイスなんか凄く影響されてると思う。何というか被害者が加害者になるアメリカの闇の部分を描いてて結末も暗すぎる。そしてカトリーヌドヌーブが高級娼婦役で完全にぶち壊してる!存在感がデカすぎる。アルドリッチでさえも扱えなかった感じが画面から出てる。レイノルズとドヌーブが『男と女』観に行ってて「ダバダバダ」ってBGMまで流れるのに爆笑。エディアルバート、ベンジョンソン、アーネストボーグナイン、ポールウィンフィールドとアルドリッチ組の強面ばかり。強盗役がフレディ!そして死体で発見されるポルノ女優の娘がシャロンケリー!なんか凄いキャスト。
LAPDの刑事が海辺で上がった若い女の溺死事件に纏わる人間関係に悩まされていく刑事サスペンス。バート・レイノルズとカトリーヌ・ドヌーブのカップリングが合ってねぇー。導入部の死体が波に洗われるシーンはいかにもミステリらしい幕開けなのだが、その後が大人恋愛ドラマになったりハードコアの夜になったりして中途半端なのはノワールが終わった時代の制約か。後半は主役を使ってテレビドラマ批判を展開するんだけど、この頃からサスペンス・ミステリは映画より連続ドラマの方が面白いっていう認識になりつつあったんだろうな。しかし、アルドリッチ監督も自分の映画の舞台裏がテレビドラマのネタになるとは思わなかっただろうな。
2018.6.24 ザ・シネマ(録画)(字幕)
普通です。普通の刑事ドラマ。自殺か他殺かみたいな。おしゃれして失敗して下品になっちゃった感じ。
見どころは娼婦役のカトリーヌ・ドヌーヴかな。
カトリーヌ・ドヌーブや、ましてや絶頂期のバート・レイノルズをこれほどまで無駄遣いするとは!(驚)(怒)

ヌーベルバーグを意識して編集してる風ですが、メインの物語そのものや薄っぺらなキャラクター像から「素人が作ったのでは?」としか思えない仕上がり具合でした( o´ェ`o)。ヒドすぎる。。。
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