エレナの惑いの作品情報・感想・評価(ネタバレなし)

「エレナの惑い」に投稿された感想・評価

しおり

しおりの感想・評価

3.8
エレナ側が家族もろとも全く救いようがないのでただ胸糞悪いだけの不条理劇になってしまうが、そこが露悪的でいいとも言えるのかしらん。いや、好きではないぞ…。
でも、食器の音やテレビの音声がここまで嫌な音に聞こえる映画って見たことない気がするのでそこは面白いな。

ハネケっぽい監督とか作品って結構あるのにハネケは別格だと思うのはなぜだろうか。
temmacho

temmachoの感想・評価

3.4
資産家の初老の男と後妻に収まった女の話。

ただ、中年夫婦の日常を撮っただけなのに、なぜか観続けてしまう。

急激に資本主義に傾いた新ロシアは、その弊害として貧富の差が大きく現れる。
共産主義時代のぐーたら体質のままなら落ちていくだけなのか。

後妻の息子はそんな人間。
無職だが仕事も探さずフラフラしてるばかり。
資産家の旦那に援助を求めるが取り合ってくれない。
当たり前だ。
他人なんだから。
養うべき家族もいるんだから、自分でなんとかしろよ。
腹立たしい…

そしてラストは…
mariモ

mariモの感想・評価

3.5
冒頭の木の枝越しに部屋が映ってる画面は寒々しさから陽の光が入り、奥の方では銃声が聞こえるワンカット。裕福な家とそこで生活している主人公と夫を切り取る。ゆったりと間をとり描くので、そこで乗れるか。物語はあくまで直線的なので、物足りなさもある一方で、記号的な負のイメージも切り取る。特別面白いわけではないが不思議と見入る。それだけ
不可視のイメージに引き寄せていく罠。そこにハマって映画の戯れが始まる

アンドレイ・ズビャギンツェフ
「エレナの惑い」
 
あらゆる意味で(自由)であるべき筈の映画を(このように観なさい)などと押し売る気持ちなどさらさらありませんが、画面のつなぎに留意する醍醐味くらいは知っておいて損はない、と思います。

一本の映画の中にいったいどれだけの画面があるのか?上映時間や作家性によってまちまちでしょうが、500や600は下らないだろうと思しき画面の数々を素人や才能のない者がやみくもに繋いでみたら(気ぜわしい)か(ただ緩慢)といった印象しか残らぬもの。
 
映画好きなら大抵の人がひとつやふたつ例を挙げられるでしょうが、ふたつの画面を続けた時、新しいショットが始まったような印象を回避させる手法。

たとえばひとがどこかの店で食事をしようとするシーン。
箸を手にしようとする途中でやめて、店から出てくる所は次のショットになって遠くから見ているという、あのつなぎ方ですね。

留意すべき点はシーンの要である食べるという動作(アクション)を聡明に回避して、観ている私たちに何が起きていたか、を理解させる手法。

ナジェジタ・マルキナ演じるエレナがアンドレイ・スミルノフの夫から(こっちにおいで)と誘われた後.次の場面では下着姿のエレナが服に着替えています。
まるでアメリカのスクリューボールコメディーの伝統に乗ったプロ仕様です。

一連の中で肝心要のベッドシーンが大胆に回避されているのはそれがメイキングラブシーンとかエロチシズシーンなどではなく、エレナの打算が介入されているから、と野暮な説明は当然不要です。

ジムのシーン。夫がその場で筋トレマシンに精を出す女性に見惚れた視線を注ぎますが、次の場面ではひと息つこうとプールから上がった、まさにその女性が慌ててまたプールに飛び込みます。
真上から撮られる夫が溺れて浮かんでいる場面。

さらにエレナが用意したクスリを夫が飲む。
当然エレナが夫の死を確認する場面に違和感なく繋がります。

前夫の間に出来た家族と別れた後に繋がる場面は弁護士事務所。
夫の前妻の娘と相続に関する案件の確認するシーンになるのは言うまでもありません。

そしてラストの家族団らん場面の次の画面は観ている私たちの残像に委ねられています。

全て肝心要の動作(アクション)がカットされて、一切の説明がない。ですが観てい私たちには全てがわかる。

前夫との間に出来た息子の子、即ち実の孫の為にある一線を超えてしまう女の決断という非常に分かりやすい物語ですが、可視的なイメージよりも回避された不可視的イメージの方に引き寄せていく罠にハマっていく事が映画的な戯れに他ならないと思うのです。
 
本作『エレナの惑い』を手放しで推奨したい訳ではありませんが、(親切すぎる)場面繋ぎが近年際立ってる気がする日本映画にもっと積極的に仕掛けて欲しいトラップですね。

モンタージュ理論で余り有名なエイゼンシュテインからタルコフスキー、パラジャーノフ、ソクーロフに至るまで、プーチン政権下のロシア新世代の旗手・アンドレイ・ズビャギンツェフという私と同世代のまだ若い(!)映画作家。過去の映画を相当豊かに勉強した人のようです。
kiko

kikoの感想・評価

3.0
のっけからシュールでププッ。ロシアに住むエレナは年上の富裕層の老人と再婚。二人だけの生活は規則正しくゆとりあり、何ら不自由は無い。だがロシアの地方に住むエレナの息子は定職に就かず息子家族全員がエレナの年金に頼るダメ家族。一方旦那にも20代の娘がおり‥な話。「ラブレス」の監督ですが、ひねりなく、おーーい!それでいいんかい!と一声かけたくなりました。1番のLuckyが息子家族ってのが腹立たしい💢子供への甘やかしすぎ・与えすぎは自立させないってのが、よーく解る映画です。
美しいだけじゃなく、画面が計算されてて緊張感があるので好きです!!
色々時代背景があるんだろうな。
ごめんなさい、あんまり内容おぼえてないです。
ただ雰囲気は好きだった。
a

aの感想・評価

3.7
淡々と進んでいくストーリーと少ない台詞のおかげで見ていて疲れることは一切なかった。全体を通して伝わる寒々しく曇った雰囲気は好きでした。見る側に判断を委ねるもやもやした感じ。
なんかもうズビャギンツェフの画面が好き

当作品も直線的で無機質な家具選び、その配置にまで相当の作り込みが見られる

映画としてサスペンスフルで面白いのに、大なり小なりローカルに根付く問題を浮かび上がらせる手腕に毎度脱帽
papermoon

papermoonの感想・評価

4.4
静かで寒々しい感じがすごく好み
エレナの息子が自分の叔父と父にしか見えなかった
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