いらっしゃいませの作品情報・感想・評価

「いらっしゃいませ」に投稿された感想・評価

森繁がナレーションしてる映画には良作が多い気がする。香川京子の「バイバイ」は効くなー。デパート映画には20世紀的美点が詰まってる
神

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4.0
デパートの裏側、森繁久彌の下敷きみたいな髪型、デパートうろうろするだけの加藤春哉、なかなか面白かった。
森繁的人生は他人事じゃない。
高い天井、霞むほどの奥行…50年代半ばのきらびやかな百貨店の様子がうかがい知れるオープニングが百点満点。
公開当時は最先端ビジネスだったであろう百貨店が消滅しつつある現在、その様子だけでも泣ける。私が知る由もない時代だけど、そういう気分にさせてくれるのも古い邦画の良いところ。
あのロケ地はタイアップでクレジットの西武百貨店なのかな。ひょっとしたらセット&特撮?

画家で喰えなくり41歳で百貨店に初就職をしたボンヤリ森繁が、下宿先の子連れ娘、同僚、専務の妾の3人から言い寄られるというロマンチック・コメディ。

森繁の同級生役の東野英治郎。設定年齢41歳とは思えない老けっぷりというか成熟っぷりというか…とにかく笑えた。
その奥さん役に浪花千栄子。森繁に無礼をして後で恥ずかしがるレアな演技が可愛くて良かった。

東野英治郎との25年ぶりの再会で酔っ払い、帰宅後、寝ている下宿先の子供に向かって「大人になんかなるなよっ!くだらない!」と叫ぶ森繁。かと思えば嫁の尻にひかれる東野英治郎のことを「いい歳して」とくさす。
こんなところからボンヤリさんながらも妻に先立たれて男独りの森繁の心の揺れが何となく伝わるような。

ちゃっかり娘を演じる香川京子が珍しく存在感があるなと思ったけど、しばらくしたらやはり印象薄。

終始、森繁はボンヤリ。おかげで気づいた時には既に遅しというちょっぴり切ない結末が、それだけではない独特な後味になっていてとても良かった。
obao

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3.6
@シネ・ヌーヴォ
母性本能をくすぐる男と世話を焼きたがる女たち…彼はラッシュアワー(モテ期)に入ったと?

画家で食えなくなり、41にして初めてデパートへと勤めに出た区々均平(森繁久彌)。彼を放っておけない3人(もしくは4人?)三者三様の女性たちに翻弄されるラブコメディ。3人の中でも自由奔放なお嬢様 香川京子さんが眩しくて…すごく可愛らしい。

この森繁らしい喜劇は…くすりと笑いを誘われるシーンの連続なのですが、森繁を制御できない監督或いは編集のせいか、何か間延びしてテンポが悪く感じました。

当時のデパートや町の雰囲気がとても興味深く、普通の喫茶店(パーラー?)のウェイトレスがバニーガール姿だったのは、ちょっと衝撃的でした。

『わたしの凡てを』で華々しく主演デビューを飾ったミス・ユニバース世界第3位 伊東絹子さんもワンシーンだけ特別出演されてますが、彼女が僅か3作で女優に見切りをつけ(?)フランスに移住されたのは、何故なのでしょうね。

【シネ・ヌーヴォ名画発掘シリーズ vol.2 香川京子】にて
3104

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3.3
四十を過ぎて画家からデパートの臨時販売員になった森繁演じる主人公。
イマイチ冴えないがコツコツ真面目に働く彼の前に現れる、タイプも境遇も異なる3人の女性。
中北千枝子演じる下宿先の未亡人。
香川京子演じる職場の同僚。
瑳峨三智子演じるデパート専務の愛人。
徐々に彼女達と親密になっていく森繁。果たして彼が選ぶのは誰か。

中北の甲斐甲斐しさ、瑳峨のなまめかしさ、そして香川のあっけらかんでチャッカリとした現代っ娘っぽさ。3人それぞれの魅力の間で悩み翻弄される(?)、優柔不断な森繁のダメっぷりが素晴らしい。
劇中のそこかしこで挟まれる、彼のボソッと呟きも物語の清涼剤的役割を果たす。ここはさすが喜劇役者といったところ。良質な喜劇の背中に張り付いている「ペーソス」も、作中で時折顔を覗かせる。

「八頭身美人」こと伊東絹子に似た人物、という役柄で本物の伊東絹子がカメオ出演。